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エロゲ レビュー ブログ
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【野々村病院の人々】
野々村病院の人々

elf_0002pl.jpg

メーカーelf
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■□ 6.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■□ 5.5
病院■■■■■■■■ 8
総合【B】 71点

エロゲ×ミステリー

エルフ黄金期を支えた、蛭田昌人&横田守コンビの古き良き作品ですね。元はシルキーズ、リメイクがエルフから発売された推理アドベンチャーの良作です。当時に類をみない異色作であったことや、それでいて商業的成功をおさめたこと、そして本作成功を受けて、遺作臭作鬼作の「伊頭家三部作」への流れができた点など、その功績には目を見張るべきものがあります。

【シナリオ】
私立探偵の海原琢磨呂はひょんなことから足を骨折し、野々村病院に入院することになります。そこは最近、院長の野々村作治が死亡したことで話題になっている病院。死因は注射による中毒自殺とされているものの、医療ミスの多さからくる怨恨の線や現場のいくつかの要素から他殺の可能性も捨てきれずにいる状況です。婦人にて現院長の野々村亜希子は、とある理由から、探偵である琢磨呂に院長が自殺ではないこと、その犯人を見つけて欲しい旨を告げ、琢麿呂は興味の赴くままに捜査を開始します……。

ミステリーにしてマルチエンディングというハードルの高さもなんのその、ミステリーとしては非常にオーソドックスな内容ではあるのですが、ゲームという環境を駆使して非常におどろおどろしい世界観を創り上げていますし、エルフお得意の全方位に個性が突き抜けたキャラクター群は見事と言わざるを得ません。

蛭田昌人さんの独特のテキストも光ってますね。なんでこんなに面白いテキストが書けるのでしょう、この方は。しょっぱなの琢磨呂と大家さんの御子柴との会話から良質なコントを見ているかのような笑いに満ちています。ユーモア、エロ、シリアスすべてが同居しているうえにテンポの良さが全くブレない、素晴らしいライターさんだと思います。分量押しでも設定押しでもない、とにかく「読ませる」力のある彼のようなライターさんは本当に貴重ですね。復活しないんでしょうか……。

各人の思いが交差してストーリーをなしているところは非常に評価できます。被害者がいて、動機があり、それを中心に話が動いているだけではなく、そこに院長夫人の思惑や梨絵の行動など、キナ臭い思惑が二重三重に重なっているところがシナリオを面白くする肝ですね。ミステリーには必要であることは言わずもがなですが、構成力がすごいですね。エロゲだから、というマイナーさに甘んじることなくしっかり物語ができている点はさすがのエルフといえましょう。物語決着で描かれる犯人の動機の背景や、エピローグ部分がもっと書き込まれていればより良かったかな。


【グラフィック】
まぁ旧作ですので、今と比べると荒い部分もあるのですが、やはりエルフならではの塗りの丁寧さはすごいですね。グラフィックに関しては、その環境その環境における最大限の仕事をする会社だと思います。まぁ、キャラデザインもだいぶ時代を感じさせますし、好みの絵柄というわけではないんですけどね。

【キャラクター】
なんといっても蛭田イズムを前面に出した、主人公が非常にかっこいいです。女好きで適当で、独自の美学を貫き通し、それでいて頭がキレる、非常に魅力的な主人公です。漫才師ばりに口がまわる語り口も最高でしょう。正直この海原琢磨呂シリーズで何本か出せばエルフの代表人気シリーズになっただろうにという思いを禁じ得ません。琢磨呂はもちろんのこと、共闘関係にある記者の勉造、大家の御子柴、同じ探偵業を生業とする小物の西条、その西条の部下で且つ本作ヒロインの一角でもある涼子など、琢磨呂まわりの人間たちも非常にキャラが立っていますから。

舞台の病院内の人間も、犯人である千里はもちろん、双子というギミックを持つ梨絵や怖いようで清涼剤役として機能する美保、暗躍する院長夫人など、それぞれが重要な役回りをもって仕事をこなします。

キーパーソンとなる、入院患者の桃子の友人役の子が必要ないといやなかったかな。でもシリアス、笑い両輪で活躍するキャラが目白押しで素晴らしいですね。

【音楽】
音楽はこれといって特筆すべきものはありませんが、作風に合ったミステリー調のものを利かせていたと思います。全体的にはダウナーな雰囲気ですね。

以上、野々村病院の人々でした。タイトルがインパクトありますよね。ちなみに、今プレイするのであればダウンロード版を絶対お勧めします。塗りも綺麗でエロシーンも少し動きますしね。

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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【ロケットの夏】
ロケットの夏



メーカーTerraLunar
シナリオ■■■■■■■□ 7.5
グラフィック■■■■■■□ 6.5
キャラクター■■■■■■■ 7
音楽■■■■■■■■ 8
タイトル■■■■■■■■■□ 9.5
総合【B】 73点

高みを目指す青春群像劇

かつてその街には「ロケットの夏」という季節があった――。

この導入だけでも何かグッと惹きつけられるものがあります。こういう青春ジュブナイルもの(18禁にジュブナイルも何もないかもしれませんが笑)は、僕は本当に大好きなので夢中になってしまいますねえ。

【シナリオ】
この雰囲気はたまらないですね。宇宙人とのコネクトや宇宙飛行産業が繁栄した世界という設定であるため、わくわくするようなSFモノかと思いきや、本作はそれらの時代が衰退し過ぎ去った後の話ですので、プレイ当初の世界観自体は、どこにでもあるような静かな田舎町の物語といった様相です。この「SFと田舎」という一見噛み合わない妙なギャップが非常に良い世界観を演出していて、ユーザーを虜にするのだと思います。

かつてロケット打ち上げの天才少年ともてはやされた主人公と、ロケットでの宇宙飛行を夢に持つ千星との出会いにより物語が動き出します。有人ロケット打ち上げ大会に出場し、空と宇宙の境界線とされる地上50マイルの高度、『フィフティー・マイルズ・オーヴァー』を目指すため、ロケット部を立ち上げ有人ロケットを皆で製作する過程を描く青春モノとなりますね。

あー設定がたまらん。


主要登場人物は、上記の主人公、千星、地球人と異星人のハーフであり幼馴染の歩、サヴォア星の王位継承問題のいざこざで地球に避難してきたセレン王女とその従者ベルチア、大人の協力者として、アンドロイド教師である顧問のはるひ先生、ロケット資材のジャンク屋を運営するチャックがいます。


地球が異星人鎖国政策をとったことで民間での打ち上げ取り組みがいまや現実的なものではなくなったこと、そして自作ロケットの失敗により歩に怪我を負わせてしまったことなどから、主人公はロケットに対する意欲を封印せざるを得なくなっています。その閉ざした心をこじあけるのが千星の登場であり、途方も無いそんな彼女の夢を皆で叶える過程が描かれるという意味では彼女あっての本作となるでしょう。ですから、最初にプレイするのは是非千星ルートをおすすめします。作品の世界観を最もよく体現している「夢」「仲間」「青春」を前に押し出したルートであり、僕が一番好きなルートでもあります。非常に清々しい話です。


対して最も感動的なのは歩ルートですので、逆にこれは最後にプレイするのが宜しいかと。ロケット製作があまりシナリオに関わらないことも含め、このルートのみ他のルートとだいぶ毛色が違います。異星人差別というテーマを比較的切り込んで描き、病原菌による地球滅亡という終末的な話の展開は、作品の性格から少し離れる気がしないでもないですが、ラストの地球滅亡寸前、ワクチンを積んだ数多のロケットが空を覆いつくし、その熱が雪を溶かし街に一瞬の夏をもたらすシーンは「ロケットの夏」というタイトルを活かした本作最大のピークシーンでしょう。

これは、レイ・ブラッドベリの短編連作「火星年代記」内における冒頭短編「Rocket Summer」の完全オマージュなのですが、50年以上前の傑作SFを引き合いにしたことや、シナリオでの生かし方含めて、非常にセンスが良いですよね。


サヴォアの内紛と絡めて二人のキャラの魅力に触れるセレン、ベルチアルートに、人の心を学び続けたアンドロイドとしての身の引き際を描き、同時にそれを何とかしようと奔走する主人公やチャックの頑張りが熱いはるひ先生ルートも悪くないですが、やはり印象としては千星、歩ルートが抜けていますかね。


ただまぁ正直言いますと、全体的に地味といえば地味ですね。ラスト付近まで共通したシナリオの流れですし分量も短いです。既読スキップとセーブを使えば10時間かからず全ルート終わるかと思います。雰囲気を楽しむゲームといった赴きが強いかと。

また、これは最たる不満なのですが、エロゲ界屈指のテーマ曲であろう「Rocket Summer」を擁しながらも、それをOPでもEDでも挿入歌でも、ゲーム内でまったく利用しなかったというのが実にもったいない。歩シナリオのロケットが集結するシーンや千星シナリオのロケット打ち上げシーンなんかでもしかかってこようものなら、涙腺はやばいことになっていたでしょう。


とはいえこの雰囲気は本当にいいものですね。共通の目的に向かって皆が頑張ることで物語が進む様は王道的なジュブナイル展開であり、僕もひとつの目的に向かって全員で邁進していた高校時代の夏を思い出しました。夜遅くまで残って頑張ったり、夢中になるあまりそのまま寝てしまったり朝早く作業を行ったり、テスト期間に活動できなくてやきもきしたり、合宿をしたり……そういった個々のユーザーに眠るかもしれない大切な記憶や郷愁を喚起させる作品です。



【グラフィック】
人気イラストレーターの小林立さんですね。ただ、立ち絵まわりと背景、塗りなど全体的にさすがに古さが否めませんね。一枚絵の方が魅力的ですが、全体としては可もなく不可もなくといったところでしょうか。それから、秀逸すぎる「Rocket Summer」と胸が熱くなる文章/台詞をおりまぜたこのデモムービーはたまらんですね。是非一度見てみてください。


【キャラクター】
歩の抱える異星人設定に絡んで負のキャラも幾人か出てきますが、基本、全体的には優しい世界観を体現するキャラばかりで総じて好印象です。ヒロインの中で個人的に最も好きなのは千星です。あけすけで夢に向かってまっすぐなキャラクター、たまらず応援したくなりますね。主人公は、ロケットに対する思いを心に秘めた熱い奴ですね。概ね奔放なキャラたちの中で理性役として機能しているバランス感も良いです。

また、声優さんたちも高校生ぽいというか、敢えてなのかそうでないのかは定かではありませんが、妙に拙い感じが逆に作風にはまっているように思えます。


【音楽】
ちょっと音の古さはありますが、全体的に心地良く、瑞々しい青春といった雰囲気を演出するBGMに、主題歌の「Rocket Summer」と、音楽の出来は全体的に良いです。特に「Rocket Summer」は僕の中では、エロゲ主題歌の中でも1,2を争うといっても過言ではないくらいに好きな曲で、自分の結婚式のいち演出として利用したいくらいです笑。アコギで入る歌い出しはいつ聞いても新鮮な気持ちで心にスッと入ってきますねえ。


以上、ロケットの夏でした。
少し古い作品で相応の出来でもあるのですが、どこか僕らを惹きつけてやまない不思議な瑞々しさが印象的な作品です。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【勝 ~あしたの雪之丞2~】
勝 ~あしたの雪之丞2~



メーカーALICE SOFT
シナリオ■■■■■■■□ 7.5
グラフィック■■■■■■■■ 8
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■ 6
スポ根■■■■■■■■■□ 9.5
総合【B】 73点

前作は前説

エルフ発の青春ボクシング物語「あしたの雪之丞」の続編です。まさか続編が出てくるとは意外でしたね。前作をプレイしていることがある程度前提となってくるため、採算性の問題からシリーズものってなかなか冒険できないと思うのですが、エルフのそういう英断は好きです。ただ、前作プレイは必須です!

【シナリオ】
前作の主人公雪村雪之丞がボクシングをやめて転校するきっかけとなった、スパー中に意識不明に追い込んでしまった親友……、この親友こそが本作の主人公久保勝です。意識不明から目を覚まし復学するものの、ドクターストップにより一筋だったボクシングは辞めざるを得ず、スポーツ特待生だったため学力も出席日数も追いつかず留年、と鬱屈した日々を過ごすことになります。そんな彼を支える周囲の人間と持ち前の明るいキャラクターで状況を打破する彼のヒューマンドラマです。前作の雪之丞&せりなTRUE ENDの続きとして本作は展開します。


さて、前作と比してどうだったかというと、「前作よりはるかに良い」というのが大方の意見で、僕も賛成です。神作品として崇める人もいるくらい人気がありますね。ただ、僕は前作も普通に好きでしたので、シナリオ的に大きな差があるかというとこれは多分そこまで劇的なものではないと思うんです。ライターも同じ方ですし。では何が違ったかというと、キャラクターや設定の造形、ここに尽きると考えています。

前作の主人公は、意図せずとも加害者になってしまった人間でした。現実に耐え切れず逃避してきたダウナー気質の主人公、そんな主人公を恨み追いかけてくる晶子や明男、負を起点にしたシナリオを主人公とヒロインで共に歩み行く決意をする……そういった類のシナリオ群でした。春日せりなという稀に見る天真爛漫な良メインヒロインがシナリオを仕切るため、世界観は明るいものになっているのですが、要は表面的な設定の見え方とシナリオ展開が同じなんですね。これはこれで王道で良いと思いますが。

一方、本作は被害者側の人間ですから、彼を支える周囲が前提として温かい。プラス、彼の性格も非常にアッパーに突き抜けている。周囲を明るくする主人公と彼に同調するヒロインたち、と非常にノリが明るいため、より青春ものの雰囲気が出ていますね。前作では復讐キャラとして描かれた実妹の晶子も、本作においては健気で素直な本来の側面で描かれますし、権造といった強烈なギャグ要員の友人もいます(しかしこいつが実に熱い笑)。表面的には前作以上に明るい。しかしその実、ヒロインたちは親の浮気、父親の就職難、身分違いな家庭、自身の病気など、結構ヘビーな家庭事情をそれぞれ抱えています。勝自体も心の底にはボクシングに対する捨てられない葛藤が渦巻いてます。

このあたりのキャラクター造形の差が、如実な完成度の差につながっていると僕は考えています。



勝がかなりアップテンポな人間なのに加えて、脇を固めるメインヒロインのあきらや友人の権造、勝の母ちゃんなどのキャラが強烈に立っていますので、とにかく話のテンポが良いです。ギャグシーンも勝を起点に動きますので実に楽しげな雰囲気でサクサクさくさく読めてしまう。さらにシリーズものの強みを最大限に活かし、せりな、雪之丞をはじめとした前作の登場人物たちが惜しげもなく話に絡んできますので、シナリオに深みと広がりを与えていますね。

ま、このあたり高評価になってくるのは、前作ありきだからですけどね~。本作を単独作品として立てた場合にどこまでいいものになったかは正直わかりません。シナリオ的にはもう一息だった前作の設定やそこから派生していたキャラを、存分なまでに今作の世界内で噛み砕いて良質な作品に仕上げて開放した、そんな感じです。ゆえに前作本作の2作品まとめて「あしたの雪之丞」としての評価をしたいところですね。


ヒロイン勢をあげときましょう。メインヒロインは水島あきら。勝の相棒的ポジションに位置し、黒髪ポニテにして当時としては画期的なダウナー系ヒロイン笑。シナリオ自体も親の浮気や傷害事件騒動など、作中最も悲惨めなタイプでしたか。

あきらの友人の病弱っ子桜瀬由美子、見た目超かわいい笑。彼女は前作のとあるキャラが意外なまでに熱い働きをします。ボクシング部の新人マネージャー藍川ちはる、この子も見た目かわいい。彼女もどうにもならない重めな家庭環境が主題でしたが、当時と違い今や僕も社会人であり、また不況のこのご時世、あんま笑えないっすわ。そして財閥令嬢の三枝マキ、身分違いの恋愛を描くちょっと全体からみると浮いたシナリオですが、勝が竹を割ったような性格なのでライトに描かれていて良かったと思います。元カノという設定も効いていましたね。

そして前作ヒロインの一角であった、勝の妹久保晶子。このシナリオはとても出来がいいです。何がいいかって、恋愛劇じゃないところがいい。そりゃそうです、主人公の実妹です。実は血の繋がりがなく恋愛モードになるとか、実妹との禁断の恋愛になるとか、全くないです。ここにあるのは、失恋の痛手を引きずる晶子と、彼女を誰より大切に思う兄の家族愛シナリオ。晶子のエロシーンが無いことなど惜し……当然のことでしょう!


うーん、粗がないので悪い点をあまりあげられないな……。そうだなあ、強烈な印象に残るシナリオだったかというと、実はそうでもなく、正直このレビューを書くにあたり多くを忘れてしまっていたという当たり障りの無さが難といや難ですかねえ。しかし、どのシナリオも起伏と奥行きがちゃんと備わっていて、呼応するEDもしっかり作られている、なかなか優等生な作品でしたね。

2作品の集大成として描かれる、全ルート消化後の追加のシナリオも非常に熱いです。前作の主人公雪之丞と、本作の主人公勝の拳での語らいですね。ふたりの本気の勝負により、雪之丞はプロボクサーとして、勝は彼のトレーナーとして生きていく決意をします。シナリオもキャラ構図も、ひと世代前のスポコン青春ものの極みといった感じがしましたよ。



【グラフィック】
原画は前作同様ながせまゆさん。相変わらず魅力ある素敵な絵ですね。一枚絵の魅力が良きかなです。絵的に好きだったのは特に桜瀬由美子ですかねー。前作の由希みたいに、おしとやか病弱キャラって絵的にもあんまりそそられない子が多いのですが、この子は例外的に反則なまでにかわいいですね。

また、女の子のアップばかりで枠内を埋めようとせず、色々な要素を書きこむ一枚絵も素晴らしいと思います。鹿島学園側の5人がカウンターでラーメン食べてるカットとか印象に残ってます。こういう一枚絵を用意するってのは大切だと思いますね。そしてさすがのエルフ、塗りは綺麗ですし量も申し分ないですし、立ち絵、エフェクト、システム的な部分も問題なしですね。


【キャラクター】
前作の主人公雪之丞君は、最近のエルフでいえば土天冥海さん系といいますか、内省の多い背負ってしまう系のキャラクターでした。対して本作の主人公勝君は、往年の蛭田作品に現れそうな、バカであけすけでノリも良いが、土壇場では決める男として描かれています。どっちが読んでいて気持ち良いかは一目瞭然ですね。主役が突き抜けてかっこいい話は大抵面白くなるもんです。

本作ではトリックスターとして描かれるその雪之丞君も、せりなと付き合い過去を払拭したせいか、勝へのアシストの数々は前作のダウナーぶりからは想像できないほどにイイ奴として描かれます。主人公の面目躍如ですか。

女性陣は全体的には前作の方が良かったかなぁ…、と正直思いますが、キャラ絵とあいまって魅力はありますよ。でもやっぱ前作のメインヒロイン春日せりなを超えるヒロインはいませんでしたね~。ま、せりなは本作にもガンガン出てくるし、勝とのからみも面白いからいいんですけどね。


【音楽】
BGMは全体的にはほとんど印象に残っていません、が、歌付きのOP曲はなんか頭に残ります。前作のへんてこな歌付き曲のようでなくて良かったです。

以上、あしたの雪之丞2でした。もしかしたら評価厳しめかもしれません。全体的には欠点がほとんどなく、ビギナー向けの作品ですね。まぁ2010年である今、今更この作品をビギナーに薦めるってこともしませんが笑。


関連レビュー: あしたの雪之丞



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【鬼作】
鬼作

kisaku_game.jpg

メーカーelf
シナリオ■■■■■■■□ 7.5
グラフィック■■■■■■■■■ 9
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■□ 5.5
鬼畜道■■■■■■■■■■ 10
総合【B】 74点

真なる美学

伊頭家三部作の三作目で、三男の伊頭鬼作が主役となる本作ですね。このシリーズは三作すべて大好きです笑。

【シナリオ】
学校、お嬢様学校女子寮ときて今度はいち企業が舞台ですね。兄の死を知った鬼作が、杉本製薬の寮長面接を受けるところから物語は進行します。最初は寮の管理人だけの予定だったのですが、鬼作の思惑が妙な方向に逸れ、当の企業の営業マンとして実務を積む流れになっていきます笑。というわけで、主に杉本製薬の社員を中心に、陵辱ターゲットを盗撮したりネタをつかんだりして例の如く追い込みをかけていきます。

期間は2年間あり、季節イベントなどもありますし、舞台はシリーズを追うごとに段々壮大になってきていますね。一方で作品の雰囲気や鬼作のキャラはだいぶコミカルになっていまして、本作は陵辱ものではありますが、ノリとしてはライトにプレイすることができると思います。鬼作の意図しないところで、行動が結果的に良いことになってしまったり、どんどん出世していってしまうのが笑えて面白かったですね。

しかし遺作と鬼作では臨場感や恐怖感がだいぶ変わりましたね。ま、視点が追い込みをかける側にあるかないかというのも大きいのでしょうけど。


エルフの旧作をやるたびに思うのですが、蛭田昌人という人のセンスは心底凄いものがあります。今の18禁PCゲームは、膨大なストーリーと読み手を引き込む展開、いわば「物語」としてどれだけ魅力があるか、ここを競い合っているようなものです。ですので、本サイト内でもどうしてもそういった観点からシナリオ点をつけていますが、蛭田作品ってのは、そういった観点では図れない、本サイトの点数には現れない魅力があります。シンプルながらもわかりやすくておもしろいテキストと、プレイに夢中にさせるゲームシステムが綺麗にはまっている。つまり「ゲーム」としてのシナリオの出来が凄いんですよね。テキスト総量だってそうたいしたものではないのでしょうけど、その分量が適度なボリュームでゲームを支えている。普通は「陵辱ゲー」なんてニッチなジャンル、こんな面白い作品にはならないと思います。

ただ、なんていうかな。本作に関して言えば、陵辱シーンがちょっと気の滅入るものばかりだったのが惜しい。シナリオや雰囲気、キャラ背景は非常によく出来ているんですが、エロの陵辱度合いやヒロインの壊れ方が遺作や臭作と比べるとちょいとばかし…いやだいぶ高くて、僕の許容範囲を越えてしまうものが多い。

ちなみにヒロイン全員を攻略するか社長までのぼりつめると追加シナリオがあるのですが、実はこれがけっこうキます。ベタといえばベタなのですが、まさか鬼作で泣き展開があるとは思ってもいませんし、こんな作品にじんわりさせられるとは……、なんか陵辱された気分だ笑



【グラフィック】
システム的には前回の臭作を踏襲していますね。プレイヤーが鬼作そのものを操作し、対象となる女性を盗撮写真・映像などで強請り堕としていく形式です。ですが、臭作と比べて諸々の点が改善されています。前作は攻略サイトにて先人の努力の結晶を見なければはっきり言ってクリアは困難でした。今回は難易度が考慮されている他にも、カメラの設置と回収で二度手間になる点などが改善されていて、比較的効率的にネタを集めることが出来ていたような気がします。逆にいえば、厳しいスケジュール内でいかにネタを掴んでいくかといったギリギリの状況下での達成感という部分は後退しているのかな、とも思いますけどね。

原画は前作と同じ、堀部秀郎さん。彼の絵は好きですね。今回も相当量の仕事だったと思います、エロシーンは1人につき12シーンずつあって攻略キャラ8人ですから。1シーンにも差分CGがあるわけですしね。もう量は申し分なし、そして塗りもエルフなんでまったく問題なし。素晴らしいです。ギャグ場面とはいえ、おっさんの排泄シーンなんてものにも力入れすぎですから。勘弁してよ笑。


【キャラクター】
本作の鬼作ですが、かなり愛すべき奴といいますか、前2作に比べてキャラクター的な魅力がかなり増しています。そして仕事がかなり出来る有能人間です笑。もちろん相変わらずの気味悪さや鬼畜さ、犯罪ド直球の極悪さは当然のように備えているのですが、ちょいちょい入る台詞や彼自身が持つ鬼畜道と呼ばれる美学などが完全にギャグであり、蛭田イズム満載の笑いが込められています。というわけで、キャラクター的には鬼作が圧倒的に立ってるんですよねー。

ヒロインは、 受付嬢、部署の同僚、上司の嫁や娘、秘書、病院の看護婦、など、様々なターゲットがおり、十代ばかりのエロゲ界のなかでは、全体的に高めの年齢です。印象にあるのは、鬼作に女としても堕ちてしまう同僚の末広円香ですかね。陵辱されながらも健気に鬼作を慕う様は可愛いのですがなんだか不憫でなりませんでした。唯一、スタッフロールの流れるENDを持つのが彼女です。

それから会長秘書の柏木綾乃、自身の黒歴史が暴かれることで脅迫されてしまう彼女ですが、陵辱されながらもなお高飛車な態度を崩さず鬼作を見下し、打算に頭を働かせている様は、これまでの三部作でひとりもいなかったタイプであり、とても印象に残っています。

キャラデザ的に良かったのは姫野部長の娘や会長の娘ですが、彼女らは上記のとおり陵辱シーンが辛すぎて見てられませんでしたよ……。陵辱シーンはやはり遺作、臭作程度が一般人の限界ですね。あれ以上に痛々しさが出てしまうとやっぱきついですね。

【音楽】
音楽は正直ほとんど記憶にありません。ちょっとうら寂しい感じの音楽がいくつか、って感じだったと思いますが…エルフは音楽力入れませんからね。


以上鬼作でした。やっぱり蛭田昌人という人は偉大ですね。彼は本作を機に数年間前線を退くことになるのですが、それと同時にエルフの衰退も拍車をかけることになります。そんな、転換期の作品です。

関連レビュー: 遺作
関連レビュー: 臭作



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【鬼哭街】
鬼哭街

kikoku.jpg

メーカーNitro+
シナリオ■■■■■■■ 7
グラフィック■■■■■■■■ 8
キャラクター■■■■■■■□ 7.5
音楽■■■■■■ 6
アクション■■■■■■■■ 8
総合【B】 71点

最強武侠映画

虚淵節炸裂のサイバーパンク武侠ノベルとのこと。phantomでもヤクザやマフィアを扱いましたが、彼はこういった裏社会を好んで描く傾向にありますね、映画志向な故でしょう。サイバーパンクは好物なので、中途半端なことをやられると気になってしまうのですが、虚淵さんの作品は安心して読むことが出来ます。

【シナリオ】
派手なアクションシーンも多々ありますが、全体的にはとても陰な雰囲気に満ちています。最後もBAD END的なHAPPY ENDというか、彼らが良ければそれはそれでHAPPY ENDなのかな、といった趣き。

舞台は未来の上海、サイバネティクス技術が現在よりも進歩し、人間の肉体や思考などに機械や電子技術を介在させることで、その能力を格段に向上させる仕組みが確立された時代。主人公の孔濤羅(コン・タオロー)は、生身の拳法でサイバネティクスに対抗できる「電磁発勁」の使い手として名を馳せた暗殺者。ある日、仲間の裏切りにより瀕死の重傷を負うタオロー。生死の淵をさまようこと一年間、戻ってきた上海で彼を待っていた事実は、裏切った仲間たちの組織乗っ取りと、最愛の妹、孔瑞麗(コン・ルイリー)の死。さらにルイリーは仲間たちに暴行・惨殺された挙句、その意識を分割され、5体のガイノイド(アンドロイド)に転写されているという事実。怒りと復讐に燃えるタオローは、かつての仲間たちへの復讐と、ガイノイドの奪取に向けて、孤独な戦いを始めます。

という雄々しい話ですね。プレイ時間は数時間、シナリオは一本道で選択肢はありませんので、手軽に読める電子ノベルとして捉えて下さい。キャラクターの構図も非常にわかりやすく、また、ひとつ復讐を果たすごとに区切りが入る章立てになっていますので、スッキリ整理された中で読み進めることが出来ますね。

個人的に好きなシーンは、呉榮成(ン・ウィンシン)戦闘型ガイノイドとの戦闘シーンと、元兄弟との戦闘シーンが熱かったですねー。演出の巧みさというのもありますが、やはり虚淵さん、戦闘の絡んでくるシーンは印象強いです。

意識や魂の電子化、分配、統合といったサイバーパンクならではなテーマもしっかり話の中心に噛ませ、ラストシーンもその設定に乗っかったエンドですので良かったですね。この手の作品は、設定だけは面白いのに、物語を通してみると「別にサイバーパンクでなくても話は構築できたんじゃ」という類のものもありますからね。

それから、主人公がものすごい暗くて言葉少ななうえに、第三者の視点から物語を進めますので、どうも心情が見えにくいでのはという危惧があったりもしたのですが、彼の心の動きはとてもよく描かれています。特に、戦いの代償で確実に死に近づいている反面、魂をひとつひとつ取り戻し少しずつ本来の彼女に近づいていくルイリーを見て信念を奮い立たせる姿には打たれるものがあります。

ただ、敢えていうならば、登場人物と派手さの割には、物語全体としては比較的短期決戦です。もう少し風呂敷広げてもうまくいったように思えますし、大作なりえたようにも思えます。まぁ敢えてあれくらいの尺にしているような気もしていますが。



【グラフィック】
原画はニトロプラスのハードコアな世界観創出には欠かせない中央東口さん。戦闘シーン一枚絵のかっこよさは異常です。熱くバトルしてるシーンの方が多いというのもエロゲーらしからぬところです。物語上必然的な陵辱シーンは申し訳程度にありますが、18禁絵やその手のシーンもほとんどないし。ま、本格的なエロゲーをこの作品に求めている方なんていないと思いますけどね笑

昔のソフト且つノベル形式なのでシステム周りは快適とは言えませんが、まぁそこは低予算で制作したライトゲームなのでしょうし、致し方無しでしょう。


【キャラクター】
なんといっても主人公のタオローでしょう。強すぎる。唯一の生身でありながら、圧倒的な強さを見せ、敵対するサイバネティック拳法家たちをバッサバッサ倒していきます。そして暗すぎる。重度のシスコンです。

敵の幹部が5名出てきます。最初に出てくる樟賈寳(ジャン・ジャボウ)こそ見た目のかませ犬感通りに速攻で退場しますが、どのキャラもよく立っています。個人的には、戦闘要員ではなく技術者として成り上がりを果たした呉榮成(ン・ウィンシン)の人間味やサイバーテロリストっぷりが好きでした。戦闘能力のない彼との戦闘シーンが正直一番面白かったし、彼のガイノイドも気持ち悪かった。 それから幹部ではありませんが、かつての同志、元兄弟がとてもかっこよかったですね。彼らの忠義ぶりや、戦闘シーンでの登場の仕方などは、他の幹部以上においしいところを持っていった印象です。

そして、かつてのタオローの兄弟子であり、さらにルイリーの婚約者、本作ラスボスの劉豪軍(リュウ・ホージュン) に関しては、非常に報われない可哀想なキャラクターであったといえましょう。一元的な敵として存在させたのではなく、理由があり同情の挟む余地を持つ敵として描かれた部分は非常に評価したいところです。ルイリーが兄を愛しているがゆえに、婚約者でありながらも茅の外であった彼の心情は慮られるべきでしょうが、静かに確実に狂ってしまった憐れなキャラでした。

最後に、妹ルイリーですね。彼女は悲劇のヒロインでもあり、物語の元凶でもあり、したたかに幸せを手にする者でもあります。彼女の存在が本作の核にあります。ラストは彼女の執念というか、ある種狂気めいたものが見え少し怖くはありましたが。


【音楽】
古い感じなのですが、アップテンポで煽るタイプの燃えるBGMが多いです。メニュー画面からのエキストラで単曲で聞くとどれもパッとしないのですが、ゲーム内での演出とあわせてみると俄然生き生きとしてきますね。特に、ウィンシンとのカーチェイス(?)シーンは燃えました。


てなわけで鬼哭街です。
熱いです。サイバーパンクです。よくできています。読後感はビターです。

  

テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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