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エロゲ レビュー ブログ
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【ユメミルクスリ】
ユメミルクスリ



メーカーruf
シナリオ■■■■■■■ 7
グラフィック■■■■■■■ 7
キャラクター■■■■■■□ 6.5
音楽■■■■■■■ 7
青く淡い世界■■■■■■■■■ 9
総合【C+】 69点

テーマは鬱だが後味爽快

企画が「家族計画」「CROSS CHANNEL」などの田中ロミオさんということで、絶対はずすことの出来ない本作であると共に、テーマが薬物、いじめ、とかなりダークな設定を中心に据えています。

【シナリオ】
田中ロミオさんがどこまでシナリオに食い込んでいるかはわかりませんが、とにかく彼独特の「毒」はありました。彼の構築する物語には、「日常性の喪失」というテーマがほぼ必ず設定に組み込まれていますが、本作もまた例外ではなく、非常にダウナーな作品でした。

タイトル的には薬物を真っ向から描くねこ子ルートがメインなのかもしれませんが、力の入りようは圧倒的にあえかルートでした。ええもう、レベルが違いすぎるくらいに。シナリオは「ユメミルクスリ製作委員会」となっているので、誰が書いているのかはわかりませんが、複数ライターでヒロイン分担しているような気がします。

さてまずはそのあえかルートですが、いじめをふたりで乗り越えていく後半の読み込ませはさすがの田中ロミオさんです。その乗り越え方も、周囲の助けを得たり、いじめる側の反省の上に成り立つものではなく、あくまで自分たちの力によって強引に解決しきる方向で描いたのが好印象。

特に最後の京香制裁シーンはすさまじかった。あの場面でのあえかの「殺しちゃダメ」「私が殺すんだから」の台詞は田中ロミオさん的なひっくり返し方ですね。しかし、いじめの陰湿さ、恐ろしさを、主人公である公平の内情吐露を交えてうまく描いています。京香とジンガイの直接的な暴力ももちろん恐ろしいですが、クラスメイトや担任の事なかれ主義からくるイジメも同様に恐ろしいものですね。それまで仲良くしていた、立ち絵すらあるクラスメイトが急によそよそしくなってしまうのも非常に切ないものがありました…。

というかあえかルート、彼女のキャラクターもさることながら、この重くて切ないシナリオ内容から、最後にプレイして良かったと思っている次第であります。先にプレイしてしまったら、他のヒロインルートに彼女の幻影を引きずるところでした

本ルート、唯一タイトルを裏切り薬物が描かれないルートですが、その動的に展開するシナリオ内容は3ルートの中で群を抜いています。イジメ、イクナイよ。

桐宮先輩ルートは、薬物もアイテムとして出てきますが、テーマは「未来への恐怖」、これです。ちょっと話の展開が飛びすぎていたかな。それであるがゆえに、非現実感がよく出ていたのは確かなのですが…。ただ、最後のお腹に手を当ててのシーンがえらい良かった。加々見君カッコ良かったっす。まぁそのあと綾にぶち壊されるわけですが笑

ケットシーねこ子ルートは、薬物服用がキーポイントとなっている割には、薬をめぐる環境そのものには全く触れられませんので、少し冗長になっていたのは確か。盛り上がるのは、完全に後半も後半、エピローグ前あたりからで、その正体がひとつの山場でした。まぁ立ち絵のキャラを見ていけば、ひとりだけ明らかに、何でこのキャラに立ち絵が、ってのがいるのでわかるかもしれませんが…僕はなぜか気づきませんでした。

登場から終盤まで常にぶっ飛んでいる彼女ですから(薬で)、どうやって話を収束させていくかが見ものでしたが、予想外なところから結末を迎えます。エピローグの観覧車での会話はかなりぐっとくるものがありました。


本作、クスリやいじめが題材となってはいるのですが、そもそもその根源の解決は描かれません。薬物売買自体は何の解決も得ていませんし、いじめ問題も、(京香の制裁を除けば)クラスメイトや担任教師の意識改革がなされたわけではありません。題材自体はあまりにも重く解決の兆しが見えませんが、その題材をきっかけにし、無難に生きようとする主人公と心に闇を抱える各ヒロインの自身を打開していく成長物語、こちらに大幅なウェイトを置いたシナリオはまとまりが良く、だからこそ設定の割には読後感も良かったのだと思います。これはちょっときつい言い方をすれば、短めの全体量の中で完成度をあげるためのうまい逃げ方だったと思います。

テキストの総量は短めで、数時間もあればすべて終えられるかと思います。時間をかけてじっくり全ての諸問題を解決し大団円を迎えるというわけでもないので、物足りないといえばそうかもしれません。が、3ヒロイン共通して、ラストがとてもいいんです。終わりよければ全てよしなんて言葉がありますが、まさにそんな感じで、どのルートのラストも、実に丁寧に、上手に描かれていました。


【グラフィック】
原画は、「とある魔術の禁書目録」でいまや売れっ子イラストレーターの灰村キヨタカさん…といってもライトノベルとか詳しくない僕はよく知りませんでしたゴメンなさい。でも「とある魔術~」は2009年5月現在17,8巻まで出ていて、累計450万部とか。これは凄いですね。灰村さんファンにとっては、彼の原画でエロゲが楽しめるという点では垂涎モノの作品なのではないでしょうか。

独特の線の細さは好みが分かれそうですね~。正直バランスはそんな良くないんですが、ただ、あえかの表情の描き方だけはメチャクチャうまく、あえかのCGばかりが圧倒的に印象に残っています。あとは、京香を絞め殺そうとする場面のCGもインパクトあります。

また、全体的にキタノブルーばりに、淡い青を基調とした背景が特徴的です。なんとなく常に虚脱している主人公の心の色を表しているかのようです。かといやピンクで統一されたCGがあったりもして、サイケデリックな転換を見せることもあります。ま、このあたりの背景効果は非常に世界観に貢献していて良かったです。



【キャラクター】
正直なとこ、ヒロインクラスは弱かった気がします。3人ともが変人ということもありバランスがとれていないのもあるのでしょうか笑。桐宮先輩とねこ子は、あまりキャラ的に生きていた印象ではありません。一色ヒカルさんはやっぱりうまいんだなぁ…というのを実感しましたけど。この二人は設定と内容がかなりサイケな分、この短いシナリオの中で魅力を引き出しきれなかった、という感じです。唯一、あえかの魅力は相当なものですが、それもシナリオ展開と声優さんとのマッチングに引きずられているゆえな気がします。や、でもあえかいいですけどね。ホント。

言ってしまえば、キャラクター自体は3ヒロインよりも義妹の綾が一番立っていました。僕はロリコンではありませんが、彼女はキャラクターも声優さんの演技も抜群でしたので、ぜひ攻略対象にしてほしかったです。義理の妹という設定からいけるもんだと思っていたのですが…というのはプレイしたユーザーは皆思ってそうですよね。ハイ、僕も思いました。ロリコンじゃないですよ。

それからバイト先の先輩、椿エロゲイ。イケメンでゲイにしてエロゲーマー、もう設定が出オチですが、とても出来る男。「家族計画」の劉さんを日本人若者にしたような飄々さがたまりません。また彼のエロゲー論にはまっていく公平がまた面白いです。思わずエロゲーマーをうなずかせる場面が何度もあり、そのへんはロミオ調だなぁと感じたり。あえかルートでいじめに巻き込まれた公平が、今の自分の境遇に重なるタイプのエロゲーがほとんど無いと思案するシーンなどはシリアスな中にくすりとした笑いがありました。

この2名のサブキャラは、ダウナーな作中において良い清涼剤となっていました。


【音楽】
音楽は、特に日常パートで流れる音楽が全般的にジャジーでセンスがいいです。跳ねるピアノの踊るような曲から、しっとり聞かせる曲まで、数こそそう多くはありませんが、作品の雰囲気に強く貢献しているものが多いです。

そしてOPの「せかいにさよなら」、いいです。四つ打ちダンス調のリズムとバラけたようなピアノのアンバランスさが絶妙です。そして頭に残るサビですね。


てなわけで、ユメミルクスリでした。
テーマは「薬物」「いじめ」など暴力的なものではありますが、反して、全体を通す寂しげでブルーな空気感を大切に大切にしながら丁寧に作り上げた作品でした。雰囲気を買いたいと思います。



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【RANCE Ⅵ ~ゼス崩壊~】
RANCE Ⅵ ~ゼス崩壊~



メーカーALICE SOFT
シナリオ■■■■■■■■■□ 9.5
グラフィック■■■■■■■■■■ 10
キャラクター■■■■■■■■■■ 10
音楽■■■■■■■■ 8
埋もれない多数のキャラ■■■■■■■■■■ 10
総合【S】 94点

畳み切る壮大な風呂敷

みんな大好きランスシリーズの第6作にして、今のところ正史ものでは次作「戦国ランス」に並んで最大規模の作品です。ルドラサウム世界における大国ゼスを舞台に話が大きく展開する本作、シナリオといい中毒性の高いゲームシステムといい、アリスソフトのレベルの違いを見せつけられます。

【シナリオ】
はじめに言っておきますが、ランス"6"といえど、前作までのプレイは必要ありません。知っていると既出キャラとの因縁や関係が予備知識としてあるので深みや愛情こそ増しますが、よくわからないとかつまらなくなる、といったマイナスになるものではありません。僕自身も正史作品でプレイしたのは、このゼス崩壊が初めてだったりします。

ランス5Dの舞台玄武城から帰還したランスとシィルは、例の如く路銀稼ぎのためにゼス国での雑務をこなします。しかし魔法が使える者は優遇され、使えない者は奴隷として蔑まれているここゼス王国、魔法の使えないものの気勢は激しいランスはあれよあれよと奴隷観察市場に放り込まれてしまいます。ゼスはルドラサウム世界においてリーザス、ヘルマンと並ぶ大国ですが、世直しと称して席を空けることの多い国王、高官の世襲化が進んだことによる政治腐敗、単純な魔法の実力のみで任官されたため実務そっちのけの四天王…といった原因から一部の有識人が必死に国を保っているという状態。加えて昔から続く超差別社会に反するレジスタンス活動も活発化しています。

奴隷観察市場で日々生き延びていたランスですが、レジスタンス「アイスフレーム」の手引きもあり脱出に成功します。そのままなし崩しにレジスタンスリーダーのウルザを手篭めにし組織に入ることになったランス。影番として組織を動かしあんなことやこんなことを実現するぞ!エロい計画で頭をいっぱいにしたランスがゼス王国を相手取り、動き出します。

前半部は、アイスフレームを拠点にして、様々なイベントやダンジョン攻略をこなしていくことで少しずつストーリーをすすめていくことになります。ランス周辺のおなじみメンバーに加え、ゼス政府の面々、もうひとつの巨大レジスタンスにして破壊活動を中心とする過激組織ペンタゴン、そして暗躍する魔人勢力など、たくさんの小イベントを少しずつ拾っていき、大きなうねりへと繋げていきます。

後半になると、(ランスが原因の大半ではあるのですが)魔族エリアとの国境防御線マジノラインが動作しなくなり、魔族がゼスに侵攻してくるという非常事態、そこに更に隣国リーザスが介入してくるという、かなり壮大なストーリー展開を見せます。このあたりのダイナミックな展開はかなり引き込まれましたねー。

高位魔人のカミーラを積極的にストーリーに咬ませ、国単位ではゼスだけでなくリーザスも大きく絡み、サブタイトルにふさわしくゼス崩壊の軌跡をたどり、物語の収束とゼスの復興を描ききった本作、素晴らしいと思います。そもそもランスがいなければこんなハチャメチャな展開にはならなかったんでしょうが笑、言い換えればランスがいたからこそ、ぶっ壊した後の再生があったともいえます。

しっかし、黒幕は全部アベルトですよね。最初っから最後まで彼ひとりにひっ掻き回されていたような気がします。ウルザもパパイヤも5Dのリスナでさえも…。最後は自分の主まで裏切る始末です。


そしてゲーム性に重きを置くのもALICE SOFTの魅力のひとつ、本作も中毒性の高いRPGとなっております。ダンジョンへは、ランスを含め16人のパーティーで臨むことになり、戦闘に出られるのはそのうち前衛後衛で6人です。

アイテム、武器防具、レベル、必殺技などといったRPG特有の概念は言わずもがなありますが、加えてさらに、これがうまいところなのですが、各キャラには「行動ポイント」という戦闘に出られる上限数がありますので、各々の特性やダンジョンの深さなどを考えつつ、あーでもないこーでもないと、どうやって使っていくかを考えていくことになります。このシステムが実に面白くはまってしまう。

これだけのモノを作り上げるアリスソフトとう会社は、本当にユーザーの目線に立って楽しみながら本気で制作している会社だということをひしと感じます。こういうメーカーさんとはずっと付き合っていきたいと思いますよね。


【グラフィック】
原画家は、キャラに応じて織音さん、MIN-NARAKENさん、ちょも山さんの3人が分担しています。皆さん非常にうまいですし、数も200以上あります。登場人物も凄まじい人数ならば、立ち絵もエフェクトも十分ですし、目なしの汎用キャラの数も豊富、とさすがのアリスソフト、体力ハンパないです

ダンジョン画面はユーザー視点から見る3Dをとっています。見やすくストレスなく、むしろ快適に進めることができます。戦闘シーンはFF式といいますか、キャラと敵が向かい合っているのを横から見るタイプの定番型ですね。いかにゲームを長続きさせるかを考えるアリスソフト、イベント数の豊富さと、それらを見るためにダンジョン探索の要素を必須としたやりこみ要素も非常に巧みなもので、繰返し繰返し遊んでしまう中毒のあるゲーム性は恐ろしいものです。見事。


【キャラクター】
ランスシリーズ、鬼畜王ランス、そして他のアリスソフトゲームを通じて、時間と労力をかけて構築してきたルドラサウム世界の設定の厚みは流石の一言、その世界で生きているキャラクターたるや存在感強すぎです。それに加え、次々と現れる魅力的な新キャラたち…、キャラクター点は文句なしの10点でしょう。物凄い数の登場人物がいるにも関わらず、しっかりどいつもこいつも自分の役割を果たして埋もれる奴がいません。壮大なシナリオ展開に則って、ランスを筆頭に多くの勢力、キャラクターが縦横無尽に活躍します。

本作のランス、かなりかっこいいです。相変わらず暴君気質で突き抜けた馬鹿ではあるのですが、女子供には優しいところや天邪鬼なかわいらしさ、一本通った芯を持っているところは純粋な魅力につながります。ユーザ人気がイマイチなメインヒロイン、ランスの専属奴隷シィルもシナリオにしっかり絡みながら何だかんだランスの寵愛を受けております。

既出ヒロインの中で好きなのは、魔想志津香見当かなみ。志津香は父親の仇を討つという悲願を本作で果たします。今後ぶっ壊れた義妹のナギとどういう絡みをしていくのか気になるところですね。忍者かなみは相変わらずの雑魚キャラで、相変わらずの立場の弱さですが、今後も同様にイマイチ報われないかわいいキャラを保って出続けてほしいですね(忍者の本家が登場する次作舞台JAPANではもっと雑魚キャラ扱い…笑)。

男性キャラでは、リーザス赤の軍将軍リックとヘルマン王子パットンがいい働きをしました。リックが仲間になるのは後半ですが、メチャクチャ強いうえに技がかっこよすぎます。戦闘要員として大活躍です。そして祖国の刺客から逃れつつ奴隷観察市場で鍛錬に励んでいたパットン、以前の登場と比べて、かなり人間的な器がでかくなりましたね。戦闘時もその並外れた体力から、壁要因として大活躍です。

シリーズで以前のキャラが出てくるのは素直にテンションが上がります。これが人気シリーズものの強みですね。しかし、大悪司の調教師タマネギが出てきた時が一番テンションあがったかもしれません笑。

本作初登場のキャラでは、ダントツにウルザ・プラナアイス。もうダンチでしょう。レジスタンス「アイスフレーム」の若きリーダーです。特にダニエルの死により精神的な負い目を克服してからの彼女は最高です。ウルザ、虫使いカロリア、ゼス四天王の一角マジック、あたりがシリーズ内で今後もヒロイン格として登場してきそうですね。現にウルザ、マジックは戦国ランスでは助っ人として登場します。

でもはっきりいってですね、みんな魅力的なんですよ。ランスシリーズのキャラ造形が非常に優れていることは、プレイすればするほど実感しますよね。


【音楽】
エロゲ音楽としては異質ですが、Shade氏のゴリ押しギターロックは健在です。本作のBGMは、全体としてあまり前面に出ようとはしてこない印象ですが、ギターを使った曲はやはり残りますね。ツーバス+歪みギターが好きですねーShade氏は。「ランス6」「我が栄光」「ゼス崩壊」あたり特にかっこいいです。

OP、ED、そしてキャラクターのセリフまで、「声」というものを使わないランスシリーズですが、それでも全く物足りなさがないってのは素直に凄いことです。


以上ランスⅥでした~。これはほんっとうに面白いです。本作をプレイしたら他のランスシリーズもやってみたくなりますし、ルドラサウム世界と様々なキャラ設定を理解したくなってしまうことこの上なしです。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【君が望む永遠】
君が望む永遠


↑ 注!冒頭にネタバレあり。未プレイの人は0:15から見るべし。

メーカーage
シナリオ■■■■■■■■■■ 10
グラフィック■■■■■■■■ 8
キャラクター■■■■■■■■□ 8.5
音楽■■■■■■■■■ 9
葛藤■■■■■■■■■ 9
総合【S】 90点

沈痛三角関係

とてもいいタイトルですね。エロゲ史の中で絶大な評価を得ている作品、「君が望む永遠」です。常に凹んでいる主人公+三角関係のしがらみを泥臭く描く鬱ゲーとして有名です。ま、僕は鬱ゲーとかあまり気にならないタイプなので(むしろ泣き泣きの青春ゲーの方がダメージを負います)、たいして痛い気持ちにもなりませんでした。


【シナリオ】
第一章は孝之、水月、慎二の仲良しトリオに、水月の計らいで孝之のことを想っている遥が加わるところから始まります。その後、遥の告白や孝之の葛藤などを経て、無事恋人として歩み始めるところまで。そしてその遥が交通事故により昏睡状態に陥り三年後からが第二章、いわゆる本編になるわけです。体験版はちょうどここまで、ということでそのまさかの展開は大反響だったようです。クロスチャンネルでもそうですが、こういったひっくり返し方は個人的には好きですねー。

第二章は、孝之と水月が恋人関係にあり、植物状態だった遥が目を覚ましてしまうところから始まります。慎二は大学生、水月も水泳選手の道を諦めOLに、遥の事故により受験どころではなかった孝之はフリーター生活を続けています。遥の妹の茜も高校生、当時よくなついていた彼女は、くっついてしまった孝之と水月を敵視しています。そういったすべてが変わってしまった環境下で遥とどう接していくか各々が煩悶する…というのが大筋になります。


僕が本作をプレイしたのは2009年で、実に7年前の作品です。印象としては、正直なところ特に目立ったところのない設定とシナリオなんです。三角関係も、悲劇をもとにした人間関係も、キャラクター造形も今の僕からすると別段珍しいものではない。まぁゲームに限らずメディアものは何でもそうですし、それは時間と進化がなす仕方のないところですが、それでも評価に値するのはやっぱり書き込みの深さです。孝之君は「エロゲ史上最高のヘタレ」として叩かれまくっていますが、彼のその「打たれ弱さ」、登場人物の心の動きが実に丁寧に書きこまれていて、シナリオを思い切り深くしているのは間違いありません。

遥ルート、あちらを立てればこちらが立たず、それは現実の恋愛においてもエロゲ界においても残念ながら鉄則です。本編の水月は本当に痛々しかった。遙に向いてしまう孝之君を引きとめようとする、自我が半壊するほどまでの水月の想いはあまりにも痛かったですし、遥に必死なことでそれを蔑ろにしてしまう孝之君も悲しかった。植物状態という超イレギュラーにより無理やり凍結させざるを得なかった遥への気持ちが氷解してしまうのは仕方ないです、人間そんな強いものではありません。非常にやりきれなさを感じましたし、ここに関して僕は孝之に同情的です…とはいえ、まぁもっと早くしっかり別れを告げてあげるべきでした。最後まで報われない水月がただひたすらにかわいそうでした…が、僕は水月ルートが正ルートだと思っている人間ですんで、そこは自分のルートで幸せになってください笑

最後の水月にはやられましたね。孝之と遙のことを思い皆の前から姿を消す水月に、ED曲「君が望む永遠」。その場面では孝之も、遙も、慎二も、そしてこの僕も涙をはばかりませんでした。さらにエピローグで見られる4人で映っている"現在の"写真…ここは泣きましたね… orz 
慎二がオフィスで電話をしている机にもこの4人の写真が立て掛けられているんですよね。うおぉぉん。。。

ちなみに、追い詰められることで一夜の過ちを犯してしまった水月と慎二ですが、ん~どうですかね。主人公でないがゆえに正当性を持たせてもらえない慎二君ですが、彼のとっている行動や、何よりも孝之と水月を思いやる気持ちには非常に同情できますし好感すら持てます。孝之視点なので、「おいおい何してくれちゃってるの」となるのかもしれませんが、僕個人としてはそこは気にはなりませんでしたし、話の盛り上がり的にOKだと思いました。


水月ルートが一番シナリオがうまく、キャラバランスが綺麗で、また最も感動的でした。遙には申し訳ないですが、これを正規ルートとさせてもらいたいほどです。三角関係のなれの果てにつかんだ水月との幸せ、遙との気丈な別れ、そして最後の絵本を用いた演出は神がかっていました。これで泣かない人っているの…? 絵本最後の挿絵で4匹のオコジョが集まっていたように実際にまた4人で集まれることを願ってやみません…。ED曲の歌詞「この悲しみはいつかきっと優しさになる」が響きます。

本ルート、孝之のことを「姉の彼氏」という立ち位置に置くことで、自分の孝之への想いを抑え込んでいた茜の使い方が実にうまかったですね。であるがゆえに今の「水月の彼氏」という立ち位置は自分の気持ちの置き所に破綻をきたすということですね。ちなみに茜ルートもこの設定を主軸にして進みます。水月ルートで彼女は、「(水月ではなく)私ががんばれば後悔しなかった」的なことを言いますが、それを実際に成していくのが茜ルートとなります。このへんの彼女の心の機微の書き込みは感心してしまうくらいうまいですねー。

慎二が一番いいのも本ルートです。彼は水月のそばで孝之すら知らない情報をたくさん持っていますし、水月と孝之が結ばれることを願っています。そんな彼のピッペン級のアシストの数々は、実に良いものがありました。

上記、2ルートが本作の肝で、茜ルートが準メインルートになりますかね。そして準々ルートとして他ヒロインルートがあります。お嬢様設定の王道をいく、ツンデレが絶妙なキャラ萌え大空寺あゆルート、妹系ドジっ子を支えつつ仲を深めてゆく玉野まゆルート、そしてサブヒロインにここまでの設定を持ってきたかの不治の病を抱える天川蛍ルート、あゆまゆは、遙とは関係のない孝之のバイト先の人間なので、本作の中では比較的明るいノリで大半を進んでいくのですが、天川ルートは激激激重です。なにせ死んでしまうのですから…。「生」について貪欲に描いている遙周辺にまつわるメインストーリーがある一方で、サブヒロインルートで「死」をもろに持ってくるとは思ってもいませんでした。そういった意味ではサブヒロインルートにしちゃ力入ってますし、浮いてもいるんですが、ハイ、超泣けます。

そしてそして…マナマナこと穂村愛美ルート。浮いてるって意味ではそうですね、こっちの方がダンチですかね。孝之をストーキング、監禁、調教し、ラストで孝之も精神破綻してしまう最狂にぶっ壊れたルートです。ネット上の皆さんが「緑恐怖」というのも頷ける怖さでしたが、はっきりいって本作において超異色です。

まあ、(マナマナルートはおいといて、)非常に深いシナリオ群でした。ファンタジーもSFも一切使わず、現実的に無理のあるような設定も用いず、普通である彼らに起こった悲劇を丁寧に丁寧に描き切ったシナリオ、素晴らしいですね。


【グラフィック】
原画は杉原鎧さん、特に遙の絵が総じていいと思います。塗りも丁寧で、立ち絵も豊富ですし、背景も過不足なくそろっています。バランスは良いのではないでしょうか。

またちょいちょい演出が光りますね。遙の交通事故から流れでOPムービーに入るシーンは素晴らしい演出といえますよね。さらに遙ルート、水月ルートのEDの演出もかなり凝ってます。泣かせよう泣かせようという意図満々で、僕はまんまと号泣でした

余談ですが、OPムービーのサビでヒロインたちが振り返るシーンがありますが、これを見ると「きみのぞ」だなぁって感じがします。


【キャラクター】
遙の健気さと意外な強さも、水月の健気さと隠された弱さも非常に魅力的でしたが、ヒロイン格の中では、正直大空寺あゆが一番良かったかなと。なんというか、ツンとデレのバランスが絶妙ですよ。ツンがあれくらい強い方がここぞというときに萌えますわ。それから茜です、彼女は声優さんとのシンクロ率と演技が群を抜いていました。

そして、えてして主人公とヒロインのみで進んでいきがちなこの手の話ですが、脇を固めるメンバーが非常に良い働きをします。まずは圧倒的に慎二、彼のような友人を持てた孝之は幸せ者です。彼くらいストーリーに食い込んでいる男性キャラクターがいると、作品の深みが増しますよね。

そして遥の父親、彼にも泣かされました。父親としての娘を愛する気持ちを感じさせつつも、孝之の人生についても常に考えていてくれる、人間臭さと懐の広さを感じさせるナイスミドルでした。さらにモトコ先生、彼女のご高説に涙腺が緩みかける場面も何度かありました。ただ、先生にまつわる伏線らしきセリフもいくつかあったのにそれらは結局明かされないままでした。

主人公の孝之は、確かにところどころ煮え切らない場面もあるのですが、これだけの一大事を高校生そこいらで抱えてしまった事実はやはり難しいものがあるでしょうし、都度真摯に向き合う姿勢は、弱さこそ感じるものの、ヘタレと糾弾できるものではないはずです。悲しいまでの人間味が、ユーザーさんから叩かれる結果となってしまいました。


【音楽】
BGMはたいしたことありませんので低評価か…が、しかし!OPの「Rumbling Heart」、EDの「君が望む永遠」、この2曲は本当に素晴らしいです。OP曲は「あれ、聞いたことあるな」ってくらいサビの知名度高いと思いますし。イントロの「タッタカター タカタータカター」って入るとこが好きです(わかりませんよね笑)。ED曲は名バラードですね~。遙、水月ルートEDとの強烈コンボがありますので尚更です。2番、ラストサビの「泣いてもいいよ」「あなたに会えた」でルート音が下がっていく場面が秀逸です。


以上、「君が望む永遠」でした。
誰もが幸せになれる恋愛なんてない、と本当に思います。人は弱いものですし、それを時にはさらけ出し、時には隠し、そうやって人はつきあっていきます。そういった人間味を貪欲に切なく描ききった本作、間違いなく名作でしょう。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【AIR】
AIR



メーカーkey
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■□ 4.5
キャラクター■■■■■□ 5
音楽■■■■■■■■■ 9
田舎ファンタジー■■■■■■■■ 8
総合【C+】 69点

元祖泣きゲー

エロゲに興味のない人でも、このタイトルは知っている、という人はとても多いです。昨今ならまだしもこれは発売が2000年、萌えやオタク系文化にまだまだ抵抗の強かった時期に年間10万本を売上げ、様々なメディアミックスで世に広まった本作、エロゲ好きなら通っておかなければならない作品です。

【シナリオ】
生まれ備わった法術で人形を操り生計を立てている国崎往人は、持ち金が尽き、とある田舎町で行き倒れます。そこで出会ったのは空に憧れる孤独な少女神尾観鈴。観鈴の叔母にして養母である晴子の許可を得て、神尾家に転がり込む往人。観鈴の面倒見と資金集めの人形劇に勤しむ中、幾人かの少女と出会います。

ここで分岐、魔法が使えるようになると信じている活発な少女、霧島佳乃ルート、「みちる」と呼ばれる少女といつも共にいる遠野美凪ルート、そして、行き倒れた往人を拾ったメインヒロインにして日を追って衰弱してゆく神尾観鈴ルート。

翼人というファンタジーを軸にしつつも、全体を通してのテーマとなっているのは「母親」です。どのヒロインも母親という概念を特殊な状態で持っています。佳乃と観鈴は既に母親は他界していますが、姉と叔母が母親としての拠り所として描かれますし、ラストのAIR編は晴子と観鈴の母子愛に強い焦点が当てられています。美凪も母親こそ健在ですが、その愛情を歪んだ形で受けていることが展開のキーになってきます。

佳乃、美凪ルートは、観鈴を軸にしたAIRという作品一連の筋道からは逸れたルートではあるのですが、翼人伝説の奇跡の一端の影響を受けつつ、自分の置かれている環境を改善させてゆくルートですね。泣けますよ。特に美凪ルートでの、親友の少女みちるが消えるシーンはやばいです。

とにかく、奇人ヒロインとキャラ絵をまず乗り切ってください。シナリオと雰囲気はすばらしいものがありますので、そこを乗り切ってSUMMER編までいければOKです(何がだ)。

このSUMMER編こそがAIRの核。1000年前の古代日本を舞台にしたSUMMER編は、翼を持つ少女神奈と、それを守り仕える柳也、裏葉との「家族」としての交流が描かれます。最後は神奈は空に封印されたまま、柳也も未来における彼女の救済を望んで死に逝くという、何とも切ないENDを迎え、AIR編に入ります。1000年の時を経て、その輪廻を受け継いだ少女が神尾観鈴なわけですね。観鈴と晴子の母子愛を描くAIR編は、泣かせようとする感満載ですが、そりゃ泣きますて。観鈴死んじゃいますもん

あと、賛否両論分かれそうなのは、主人公の往人が展開に食い込んでいるわけではないんですね。彼は裏葉の法術を受け継いでいるキーパーソンではあるのですが、立ち位置としてはあくまで傍観者的役割でシナリオの楔とはならず、泣きを形作るのはヒロインとサブヒロインたちです。

と、いうかラスト感動しますが、結局SUMMER編の神奈はまだ救われていないんですよね。完全無欠のHAPPY ENDじゃないんです、コレ。そこが個人的には好きなとこだったりします。


【グラフィック】
ここですかねー…。
こんなこというと鍵信者に怒られそうですが、僕は樋上いたるさんのこの頃の絵が本当にダメなんです。最近の作品、リトバスとかならまぁ大丈夫なんですが、この頃は画力が安定していないのも手伝ってロリさに拍車をかけています。シナリオは凄いと思います、音楽も凄いと思います。背景や塗りも凄い、でも彼女のキャラ絵はホント駄目でした。

背景、塗りは10年近くも前だというに、よくもここまで気合入れて描きあげたなと思います。でもキャラ絵は苦手です。正直キャラ絵はかなり低点数なのですが、塗りやエフェクトなどよく出来ている他要素を加味して、それでも5点弱です。すまそん。


【キャラクター】
個人的には、ぶっちゃけどのヒロインよりも晴子が最高だろ、と思うのですがどうなんでしょう。

麻枝さんの特徴でもありますが、とにかく現実にいたら引いてしまう変なヒロインばかりです。信者の多い本作ですが、シナリオに反してキャラ造形が僕のツボにあまりはまらない。でもエロゲーという限定された領域のヒロイン像を考えるとよく確立されているのかな。コンシューマーものじゃあまり確立されないようなヒロイン像を作っていくことに関しては、確かにkeyは定評があるといやそうなのかもしれません。


【音楽】
プレイから7,8年の時を経てもいまだに頭に残っている「夏影」「鳥の詩」、この2曲は名曲ですね。他、全体的にいいです。特に神尾観鈴の「夏影」は素晴らしく、エロゲ界が生んだ名曲といって差し支えないと思います。音楽とエフェクト音の効果が特に大きいんですが、「田舎の夏」という雰囲気が非常によく出ています。


以上、エアです。AIR。ちょっと評価低めかもしれません。でも名作として今も語り継がれているだけのことはあるものです。最初にも書いたのですが、2000年の作品であるというのが凄い。泣きゲー元祖の底力を試してみてはいかがでしょう。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【新・御神楽少女探偵団】
新・御神楽少女探偵団



メーカーelf
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■■ 8
キャラクター■■■■■■□ 6.5
音楽■■■■■■ 6
蘭丸■■■■■■■ 8
総合【B】 72点

大正浪漫

プレイステーションで人気を博していた「御神楽少女探偵団」シリーズがなんとエロゲになって戻ってきました。なんという展開、なんというエルフ。

【シナリオ】
時は大正、失踪してしまった探偵事務所所長の御神楽時人を追って大陸大連へと渡る所員の巴、千鶴、滋乃の三人。そこで引き起こされる猟奇事件の数々、彼女たちは事件を潜り抜け所長の時人を見つけ出すことができるのでしょうかってなもんです。

エルフお得意の推理アドベンチャーですね、テンポよく読ませる構成展開はこなれたもので、さすがの大御所といったところ。画面上やセリフなど事件の手がかりになるとユーザーが判断した部分で任意に推理トリガーを引き、ポイントを貯めることで場面を展開させていくシステムは画期的且つかなり面白いものでした。

1章あたりで、事件の導入発端が描かれる事件編、上述の推理トリガーを用いユーザー推理していく捜査編、トリガーで貯めた情報を基に推理を展開する解決編と3構成から成ります。プラス、各章で少しずつ出てくる一番大きな事件の断片を紡いでいき、ラストに収束していく感じですね。推理モノのドラマ形式といっていいかと思います。ま、ミステリーとして凄いトリックがあるわけでもないし、黒幕も何だかイマイチなので、どちらかといえばシナリオそのものを楽しむ感じです。

ただ、なんだろな。シナリオは確かに良いんだけど一周すればストーリーはコンプですし、CGもほとんど埋まってしまうので、思い返せば確かに面白かったんですが、いまいち印象に残っていない。各々の物語もそんなに長くないですし、それが物足りないといえば物足りないところですかね。実はPS版の前2作が同時搭載というボリューミーな内容となっているので、それもあわせてプレイするとここは気になりませんが、ま、本作のみって評価だとやっぱり全体量は少ないんじゃないかなぁ。まとまりはいいですけどね。

ちなみに時人をかくまっている中華料理屋の少女芳蘭タソが、実は御神楽探偵事務所の助手蘭丸君であったとは、最後まで微塵も思いませんでした。途中であわや濡れ場みたいなシーンもありましたが、危ないところでした笑


【グラフィック】
エルフですんでね、問題は特にないです。背景もキレイですし、絵もかわいいし、グロ絵も気持ち悪いし、さすがです。前二作はちょいとね…はっきりいってかわいくないんですが、新御神楽に入った途端にレベルが格段とアップします。

さめだ小判さんの絵は好きです。巴が馬鹿笑いしてる立ち絵など、ヒロインたちの表情が崩れたときの絵も好きです。オッサンや奇人どもの絵もよく気持ち悪く描けていますし、エルフ的な原画家さんかもしれません。


【キャラクター】
少女3人組は、活発ポニテ少女、三つ編み眼鏡少女、ツン系お嬢様、とアニメにでも出てきそうなほどバランスがとれています。まぁそもそも御神楽少女探偵団シリーズが、PSのコンシューマからスタートしたのもあって、エロゲ独特の奇人系ヒロインはひとりもおらず、正統派王道ヒロイン3人で固めています。個人的には、3人の中でもとりわけ視点の中心になることが多いというのもありますが、活発ポニテの鹿瀬巴が一番好きです。

サブキャラとしては、前作からの野上糸、それから中華料理屋の面々も熱かった。そして女装した蘭丸が一番かわいかったのはここだけの話にしてください。


【音楽】
OPは昭和歌謡とジャズを合わせた雰囲気ある曲です。全体的に、世界観を崩さないような音楽がそろっています。ただまぁエルフは音楽で魅せようとはしない会社なので、地味な音楽が多いのも確かです。


以上、新御神楽少女探偵団でした。PS版からプレイしていた人は、18禁ゲームになって愕然としたか狂喜したかのどちらなんでしょうねぇ。でも面白かったので続編を期待したいところです。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【あしたの雪之丞】
あしたの雪之丞

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メーカーelf
シナリオ■■■■■■■ 7
グラフィック■■■■■■■■ 8
キャラクター■■■■■■■ 7
音楽■■■■■□ 5.5
青臭さ■■■■■■■ 7
総合【C+】 69点

せりなゲー

とある理由でゲーム断ちをしていたのを解禁して最初にプレイしたゲームなので、すべてに飢えていた僕はとにかくはまりました。あとは、わたくしエルフ信者なもので、あまり思ったほどの評価を得ていない本作ですが、僕は好きですよ。

【シナリオ】
元気一杯の問題児兼学園の顔であるメインヒロイン春日せりな。ある日ひょんなことから悪者三人組に襲われかけてしまうのですが、そこに颯爽と現れ助けてくれた正義のヒーロー…のはずがボコボコにされてしまう一人の少年。後日、せりなのクラスに転入してきたその少年は、他者を寄せ付けようとしませんが、実は彼は天才ボクサー。前の学校で、親友をスパーリングで植物状態にしてしまってから、彼は臆病者になってしまったんですね。何かと気にかける元気の良いせりなやクラスメイト、他ヒロインとの出会いで彼も徐々に周囲に心を開いていくのですが…。

といった前半部、植物状態にしてしまった親友の妹である久保昌子が現れ、また何かしらヒロインの事情により再びローモードに入ってしまう中盤部、それを仲間やヒロインと乗り越えていく後半部、とどのヒロインルートでも共通した流れがあります。てなもので、悪くいってしまえば、どのヒロインルートもワンパターンな流れに沿っているので、あまり良い評価を得ていないようですね。それからとにかくED数が35と無駄に多く、全回収が大変です。


んー…、とはいいますけどね、学園青春モノとしては悪かないです。ノリもテンポもいいですし、キャラはせりなを筆頭にかわいいし、展開も大筋はワンパターンとはいえそれなりに各シナリオしっかり書けてるように思えます。確かに王道であるがゆえにわかりやすいですし、もうひと山ほしいところでどのルートも終わってしまうのは否めないですけどね。ホロ苦くて青春真っ只中といった様相ですんで、その手のが好きならやって損はないと思います。

せりなルートは、大好きな雪之丞の境遇と立場に思い悩むせりなを雪之丞と友人(達也、鉄平)で励ましていく仲間的シナリオでしたし、委員長の杉崎玲於奈ルートも、ツンとした委員長と主人公が反発しながらも心を開いていくシナリオがやはり王道。優等生眼鏡っ子由希ルートも、静かに惹かれあっていく過程が、この手の静的ヒロインの定番どころシナリオでした。夢を追いかけつつも怪我という現実のギャップに苦しむシナリオを持つ早苗先輩ルートも「夢と現実」というテーマを持つシナリオの王道といやあまぁ王道ですよね。

あとはー、まっすぐにぶつかってくる後輩妙子ルートと、雪之丞のために学校を辞めた先生のためにボクサーを目指すことで気持ちに応える詩織先生ルートだったかな。

何かわたくし王道王道言ってますが、まぁ読みやすいってことです。あっと驚くような感じでもないですが、青臭いシナリオばかりです。

あと、昌子は役回り的にかわいそうでしたかねー。雪之丞が凹む事件の当事者ですからね、他ヒロインルートだと、彼女との確執を乗り越えた果てにハッピーエンドです。なので、ちょっとしたヒール的な位置づけを任されてしまっていたのはかわいそうだったかもしれません。ただ、逆に彼女のルートは一番良かったです。昌子自身は本当は雪之丞が好きで、なかば意地になっている部分もありますし、昌子のことが好きで雪之丞をかつて尊敬していた後輩ボクサーとの決闘は、これぞ青春ゲーって感じでした。

ちなみにこの作品、続編が出ておりまして、同じライター、同じスタッフなんですが、この続編はやたら評価が高い。まぁ確かに本作を踏まえたうえでのステップアップという意味では良いことなんですが、一番の要因は主人公にある気がします。続編の主人公久保勝は、エロくて元気が良くてギャグもきいていて、それでいて出来る男…つまり実に往年の"エルフ"らしい主人公なのですね。まぁそれはまた別のレビューでということで。


【グラフィック】
原画はながせまゆさん。表の世界ではけっこう有名な方で、さすがに魅力的な絵を描きます。絵的にはせりなと玲於奈がいいかな。昌子や早苗先輩なんかの人気も高そうですね。塗りはエルフなんで綺麗ですし、アソコアップモードとかいう妙な機能がついています。要はエロシーンでいろんなシーンをアップできるというものなんですが、こういうくだらないというか面白いというか、エルフらしいですねぇ。

全ヒロインクリアすると、メニュー画面のせりなの線画が色づけされてちょいと「おぉっ!」となります。


【キャラクター】
チャキチャキした江戸っ子、春日せりなが圧倒的に良くて、パッケージにひとりでかでかと載っているのも頷ける魅力。だからメインのせりなルートで彼女が思い悩みしぼんでしまうのは、ちょっとだけ残念でした。でもダンチだなぁ。

続いて玲於奈と早苗先輩かな。まぁ、玲於奈みたいなキャラって美少女ゲームとかじゃ王道ですけど、強気(だけどちょい孤独)な美人委員長が主人公に惹かれていく、この手のキャラというかシナリオって嫌いな人いるんですかね笑??早苗先輩は、テーマはクラスメイトのアウトロータイプ、って感じなんですけど、「年上の先輩」って設定がなんだか新鮮で良かったですね。学年上だと見え方も変わってきますから。

そして昌子、個人的なとこはともかく、実際はせりなと昌子の二強になってくるんじゃないかな。実は、献身的なまでに雪之丞のこと好きなんですけど、兄のことがあるため気丈にふるまっているところが、実に魅力的です。

主人公である雪之丞は、賛否両論かと思います。この手のゲームでは、内面的に思い悩むタイプの主人公は敬遠されがちですからね…ま、でも最初暗いですけど、秘めてる男気は確かにありますので、印象悪くはないです。あとはせりなの幼馴染の、鉄平と達也。ジャイアンとスネ夫みたいな感じですが、彼らがいい味を出し・・・切れなかったかなぁ。好きだったですけどね、せりなの幼馴染という設定上、絶対かませになるのも確実なんですが、だからこそもっと食い込んで感動させてほしかったな~。せりなルートではそこそこです。


【音楽】
可もなく不可もなくって感じでしょうかね。EDは歌付きですが、これは何ともいかんともしがたい出来となっておりますm( )m

以上、あしたの雪之丞です。エルフ学園モノってと、同級生/下級生シリーズの、カリン塔の如く高い壁があるわけですけどね。これはこれで良い雰囲気をもって出来ていますよ。こう書いてみると、初心者向け青春ゲーという感じがひしとします。僕も思い返しながら書いていて、なつかしい気持ちになりました。


関連レビュー: 勝 あしたの雪之丞2


テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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