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【河原崎家の一族2】
河原崎家の一族2

20090428215847bd6.jpg

メーカーelf
シナリオ■■■■■■■■□ 8.5
グラフィック■■■■■■■■■□ 9.5
キャラクター■■■■■■■■□ 8.5
音楽■■■■■ 5
袋小路■■■■■■■■■ 9
総合【B+】 78点

美しきバッドエンド

エルフ創始者にして、エルフ全盛期の屋台骨であった蛭田さんが関わった最後の作品と言われていますが、やっぱりエルフはこういう毒々しいのを作ってくれないといけません、ヒルタイズム満載の河原崎家2です。ちなみに「河原崎家の一族2」ではありますが、前作との因果関係などは何もなく、本作が河原崎シリーズ初プレイでも何ら問題はありません。

【シナリオ】
蛭田さんと、「媚肉の香り」で非常に良い仕事をする土天冥海さんがシナリオ担当です。当時は伏せられていたように記憶しているんですが、最近明らかにされましたね。

恋人杏奈の付き添いで、杏奈の叔父である河原崎縄綱の誕生会に同席することになった主人公優馬。向かうは人里遠く離れた山奥の洋館、そこに集うは縄綱を筆頭に、ひとくせもふたくせもある人間ばかり。やがて、仕組まれた悲劇へと転がりだす登場人物たち…この狂った洋館で起こる数々の罠を優馬や杏奈は無事切り抜けることができるのでしょうか!?


出来ません(泣) orz


というかネタバレですが、切り抜けられず杏奈を守れないまま死んでしまった優馬の霊魂が、延々と繰り返し惨劇に挑み続けている…というのが本作のカラクリとなっています。fate/hollowやスマガ、クロスチャンネルなど、ループものには名作が多いですが、本作もそれらの仲間入りをさせてあげて良いかと思います。非常によく出来ていました。

閉鎖された空間で狂人が追い詰めてくる展開は、エルフの右に出るものは無いくらいの十八番ですが、本作も例に漏れず凄まじき追い込みを縄綱が、稲垣が、美香がかけてきます。この河原崎家の3人はまさに理不尽と暴力と恐怖の象徴、洋館内を歩いていると突如現れるうえに、その追い込み方も段々と強引になっていきますので、ドッキドキですわ。

親戚一同はまだしも、ただ迷い込んでしまっただけの奈津子カップルなんて可哀想すぎます。とんだとばっちりを受け、挙句の果てにふたりとも殺されてしまうわけですからね。

主人公の優馬は、時には媚薬を盛られ暴走し、時には刺し殺され、何度も失敗しては最初の場面にループし、過去の失敗を生かし徐々に状況を打開していきます。この最良の未来を掴み取っていく過程は、ループものならではの醍醐味がありました。我侭男であるバカ智樹を味方サイドにつけた時や、前はダメだった稲垣や美香の罠をうまく潜り抜けられた時なんかはテンションが上がります。


基本的には一本道で、定められたエンディングに向けてループを繰り返していくわけですが、その最終的な正規ENDは、結局のところ「縄綱の思惑通り皆で心中させられていた」という事実が前提にあるBAD ENDという何ともビターな終わり方です。最善の道を模索しループし続け、やっとこさたどり着いたのがその結論ですんで、なかなかに報われないとも思います。

ただ、最終ループで味方全員を縄綱の屋敷から逃がせたことで、恐らく皆の魂は解き放たれたのだと思えますし、杏奈の霊魂と最後結ばれもしますし、その終わり方は非常に綺麗なので良しとしますか??完全無欠のハッピーではない切なさを残すエンディングは、まさに謳い文句どおりの「大人が遊ぶゲーム」でした。


ちなみに、エロシーンに妥協/余念一切ナシのエルフですんで濃いものばっかりなんですが、特に、杏奈が媚薬を盛られて縄綱に犯されるシーンはいやはや。エロゲ界屈指のエロシーンであると私は断言します。いやはや。


【グラフィック】
美麗CGのエルフですし、りんしんさんの原画もノリにノッています。女性はとてもかわいく、男性はとても気持ち悪く、描けています。一枚絵CG数も凄まじい数ですし、りんしんさんホントご苦労様でしたとしか言いようがありません。


【キャラクター】
ヒロインの杏奈がとにかく超イイ子でめっちゃくちゃかわいい。他、小悪魔的な真樹も相当かわいく(ロリコンじゃないですよ僕は)、女性キャラも皆総じて魅力的です。もう何とかして、彼女たちを何とかして守りたいわけですが、それこそエルフの思う壺、感情移入させたヒロイン勢はあの手この手で陵辱されてゆきます笑

その元凶となる、蛭田&りんしんが生み出した、縄綱・稲垣という男性キャラクター。彼らは実におぞましい…しかし、おぞましすぎる反面、もう「これぞエルフ!」といった赴きで小躍りしたくもなります。

また、河原崎家メイドの美香、よくよく考えてみれば本作の惨劇を経て唯一生き残ったのが彼女です。最後のループ時に老婆になった彼女が出てきますので…。結局あれだけ派手に暴れておきながら河原崎家と心中なんてハナっから考えていなかった美香、その後もうまく立ち回り生き続けていたようですね。ある意味一番怖いキャラは彼女だったのかもしれません。

縄綱なんかはスーパー狂ってはいますが、純粋ですので笑


主人公の優馬は、土天冥海さんが書いているんじゃないかな。アクの無さは良く言えば無難、悪く言えば少々魅力に欠けるところはありますが、エンディングを迎えた後は彼がとても愛おしくなること間違いなしでしょう。


【音楽】
おどろおどろしい雰囲気はよく出ていますが、歌モノがあるわけでもなく、あくまで目立たず裏方に徹します。エルフ作品は総じて音楽をそういった位置づけにすることが多いですね。まぁそれはそれで良いと思います。


というわけで河原崎家の一族2でした。
拷問系は正直しんどいところもありますが、作品としてはシナリオ、キャラクター共によく出来ていますし、グラフィックもエロシーンも非常に高水準だったりします。ラストはちょい凹みますが、とても良い作品でした。



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【もしも明日が晴れならば】
もしも明日が晴れならば



メーカーぱれっと
シナリオ■■■■■■■■■ 9
グラフィック■■■■■■■■□ 9
キャラクター■■■■■■■□ 7.5
音楽■■■■■■■■ 8
ヒロイン偉すぎ度■■■■■■■■■ 9
総合【A】 84点

狙いすました感動

良く言えば泣きゲーとしてのお手本、悪く言えばあざとすぎる泣きの誘い、といった作品でした。素直に受け入れられれば凄まじい量の涙を流すことでしょう。「死」を扱う題材はある意味ずるいのですが、メインヒロインが死んでしまっているというかつてない設定、その「死」を感動どころへの伏線などではなく、物語の大前提として扱った部分は評価できます。

【シナリオ】
ある日、一樹の父親に引き取られてきた明穂とつばさの姉妹。以来、3人は実際の兄妹同様の関係を育み続けてきました。そしていつしか思いを通わせ合うようになった一樹と明穂は、ある夏の日に思いを告げ合い恋人同士になるのですが、その数日後、突如急病に伏した明穂はあっけなくこの世を去ってしまいます。突然の大切な人の死にふさぎこむ一樹とつばさ。新学期が始まりなんとなしに学校に通い出したそんな一樹の前に不思議な幻がたびたび現れます。それは亡き明穂の幻影…と思っていたらそれは本当に現世に幽霊として舞い戻ってきた明穂だったのでした。


んー、てなわけで、上記導入がChapter.1ですね。本作、Chapter.5までが共通ルートとなっており、Chapter.6が個別シナリオとなっているわけですが、この個別ルートに入るまでが実に長いっ!まぁ相当に濃い共通ルートではあるのですが…最初の攻略ヒロインを誰にするかが大事ですね。

Chapter.2は、明穂を呪い殺してしまっていた神様千早の話。Chapter.3は一樹への思いが溢れ返ってしまうつばさの話、Chapter.4はつばさの親友、鬼切りを生業とする珠美を主役に沿えた、幽霊騒動の一幕。

しかしこのChapter.4の泣きと言ったら。悲しい勘違いをしたまま死んでしまった少年と父親であるエノケン先生との絆の確認、数多くの死を見送り続けてきた珠美だからこその、霊に対する葛藤そして愛情。大体ね、あれで感動しない人がいるはずないですよ、もうね、あざとすぎです。あざとすぎ、あざと…


実ぅうううう!!!



あざとくてナンボの問答無用の泣きが展開されるChapter.4のラスト、珠美が私の中でのベストヒロインに躍り出ました

そして閑話的なChapter4.5を経て、Chapter.5は学園祭の話。そして各Chapterを通しての親密度に応じての個別ルートです。


ユーザー的には明穂ルートが一番評価されているようですが、一番個人的に評価できて、泣いたのは実はつばさルートでした。「メインヒロインに隠れた義妹(主人公スキー)」というのは、エロゲ界においてお決まり設定ですが、その手の作品の中では、上級クラスの出来でしょう。明穂と一樹にあまりにも近すぎる存在ゆえに、しっかりとした心の動きの書き込みが必要とされる本ルートですが、つばさの葛藤と一樹の選択は、実によく書きこめていたと思います。特に海での明穂との別れのシーンはかなり泣けました。

千早ルートは実に気の長い悲しいお話でした。彼女のルーツが語られるのは話に深みが出るので評価。内容は、罪の意識を背負い続ける千早と一樹の押し問答ルートですね。共通ルートで、千早の呪いで明穂が死んでしまったことが早々に明かされますが、この展開はもっと温めて温めて千早のキャラを丹念に浸透させたうえで、個別ルートのフックとして使えば凄まじいウルトラ設定になっていたのではないでしょうか……。

珠美ルートはですね、共通ルートの珠美編の方がインパクトがあったもので個別ルートが、不遇だよぉ。 彼女は凄く真面目であると同時に、その職業柄(?)霊に対する想いが非常に強く、未練や悔恨といった感情への理解がとても深い。ですので、明穂の未練に対する理解も必然的に人一倍大きく、本ルートはそんな彼女の背中を押す明穂の活躍が印象的なルートでした。

他ヒロインルートは、明穂がとてもいい働きをしてくれるのが逆に切ないですね。一樹と明穂は恋人、というのが大前提としてあるので、どのヒロインもその壁を乗り越えなければならないのが肝となるのですが、結局すべて明穂が背中を後押し(そして成仏)する手法が固定されていたのがちょっと残念だったかな。


そして、最もまとまりが良いのは当然メインヒロインである明穂ルートでしょう。成仏シーンはなかなかキます。まぁそもそも本作のあらゆる設定が明穂のためにあるものですからそれはそうでしょう。他ルートでは昼行灯で今ひとつだった一樹も、本ルートが一番しっくり来るセリフ、行動をとっておりまして、そりゃあそうです、彼は明穂の彼氏なんですからね。

ストーリーの流れはよく読めますし、ハッピーエンドにするならまぁそれよね、って感じのご都合主義大団円もあまりにも王道だぜってなもんですが、良いのです良いのです。転生して一樹の前に現れるというエピローグは、やはりか…という展開なのですが、まぁそれも一樹と明穂が幸せになってくれるなら良いってなもんです、ハイ。全ルートを通して見続けてきた明穂の健気さは、自分のルートでくらい奇跡という形で報われても誰も文句は言わないさ



【グラフィック】
くすくすさんの絵、柔らかく優しい絵柄です。どこかクセというか個性に欠けるところもあるのですが、絵柄自体は凄まじいユーザー人気が誇るようにとても巧いですし、立ち絵、一枚絵ともに表情の作り方が非常に丁寧で、且つ枚数も多いので素晴らしいと言わざるを得ません。しかし非攻略の委員長が一番立ち絵的にかわいいというのはどういうことよ。

あと、是非言及しておきたい点として立ち絵まわりのエフェクトが秀逸なところがあります。数が豊富なのもあるのですがそれよりも、アップにしたり引いたり後姿を用意したりすることで、キャラクターの立ち位置の遠近感を出すのがとてもうまかったですね。



【キャラクター】
全体的にレベルの高い本作において、少し弱く感じるのがキャラクター造形だと思います。クセのある人間がいないというか、皆あまりにも普通の人すぎる。いや、変人がいればいいというわけではないですし、むしろ嫌ですが、ちょっと全体的に弱かったかな。

同様に主人公もあまりにも善人な真面目君すぎてちょい物足りなさがあります。「僕」という一人称+弱気なキャラに感情移入できなかったというのもあるかもしれません。まぁそれは日常パートではマイナス面に作用しますが、山場においてはその誠実さがプラスに働きます。

サブキャラとしては、というかサブキャラは2、3人しかいませんが…と書いていて気づきました。このゲームは登場人物が極端に少ないんですね!サブキャラがもっと果敢に絡んでくれた方が個人的には好きですよ。

話は戻して友人の直之あたりはもっと絡んできてほしかったですねー。女性登場人物全員あますことなく主人公のことが好きという超ハーレム設定なので、男キャラの熱い活躍がほしかったところです。あとは、やはり委員長の攻略ができないというのはとんだ誤算ですわ!



【音楽】
根強いファンの多いWhite Lipsですが、主題歌の「もしも明日が晴れならば」これに尽きます。他の唄付きはあんま印象に残っていませんが、この曲は涙腺にきます。BGMは全体的に、シンフォニックで穏やかなものが多いです。平均レベルは高いですが、泣きゲーの割には泣きどころにガッチリはまるBGMがなかったのが少し残念なところでしょうか。


以上、もしも明日が晴れならばでした。
いやはや、まんまと泣いてしまう作品です。愛が溢れているシナリオに心が洗われました。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【車輪の国、向日葵の少女】
車輪の国、向日葵の少女



メーカーあかべぇそふとつぅ
シナリオ■■■■■■■■■■ 10
グラフィック■■■■■■■■■ 9
キャラクター■■■■■■■■■ 9
音楽■■■■■■■■□ 8.5
激!主人公■■■■■■■■■■ 10
総合【S】 93点

正義の象徴へ向けて

G線上の魔王が最高でした。ネット上での超高評価も知っていました。ネタバレが横行する各レビューサイトで本作のページだけは頑なに見ないようにしてきました。プレイするのにまとまった時間が取れるタイミングを待ちもしました。そうやってコンディションを整え、満を持してプレイした本作、噂に違わぬ名作でした。

【シナリオ】
日本に似て非なる本作の舞台、主人公の森田賢一は「義務」を負った罪人を更正させるための国家最高峰資格である「特別高等人」の最終試験を受けるべく、とある田舎町を訪れます。町の入り口は一面の向日葵に覆われ、美しい田園風景を持つ土地ですが、周囲を険しい山脈と地雷地帯に囲まれたその地はまさに陸の孤島、外界から隔離された寂しい土地でもあります。賢一は最終試験として、特別高等人の上司にあたる法月将臣から3人の少女の義務を解消するよう言われます。クラスメイト兼監督者として彼女たちと接する賢一…、ひとりひとりのヒロインで描かれる感動的な、また、登場人物の過去と国家体制を絡めた壮大な展開は読む者を虜にします。


各章で主役となるヒロインがいて、そのヒロインとの親密具合によってラストでエンディングが分岐するという形ですが、基本的にはシナリオは一本道です。ですので、2章ヒロインのさちでまず一本通すのが効率的には良いのですが、なにぶん内容が重厚なため、お気に入りヒロインでまずはクリアして世界観を堪能するのが良いかと個人的には思います。

日本の刑法とは違う、「義務」という贖罪こそが本作最大のギミックとなっています。この制度をベースにして本作最大の山場を生みだすこととなるわけですが、それは是非プレイをしていただきたい。

それから、この国で7年前に勃発したクーデター、その首謀者である樋口三郎の出身地がまさに本作の舞台であり、灯花を除く登場人物が皆このクーデターに関わっているということが本作に深みを生み出します。


さて…。

要所要所での予想もしないひっくり返し方がうますぎた本作なわけですが、事前情報ではヒロインの一角と思われていて、個人的にも一番お気に入りになりそうな予感がしていた特別高等人候補生南雲えりさんが、登場5秒ほどで法月に撃ち殺されてしまいますorz。わたし、ポカーンとしてしまいました。「え、また後で出てくるんだよね?」と。ある意味新しいこの導入には確かに引き込まれましたが、南雲さんはあまりにも不憫でした。

第1章は全体のキャラを満遍なく出しての導入です。第2章は、「一日が12時間しかない義務」三ツ廣さちルート。義務に至る経緯に弱さを感じたためシナリオと巧く関係させて欲しかったですが、泣きに関しては作中随一。彼女が同居している異人の少女と彼女との姉妹愛は本作最高の泣きを生みます。

第3章は「大人になれない義務」大音灯花ルート。親の言うことに絶対服従というこの義務、もちろん親子の絆を描きます。ラストのドンデン返しののちにある余りにも大きな灯花の愛情にはやはり涙涙…。

第4章は「恋愛できない義務」日向夏咲ルート。賢一との過去と密接につながっている彼女ですので、メインヒロインと呼んで差し支えないかと。過去と現在で、賢一と夏咲の性格が逆転している部分にライターの巧みさを感じました。ラストで魅せる彼女の強さもこれまた涙。

いやはや、しかし毎章毎章泣かせてもらいました。さすがのるーすぼーいさんです。2章の姉妹愛、3章の親子愛はもうだだ泣きでしたし、ヒロインにストレートな愛を見せつけられる恋愛系の類の感動に食指があまり動かない歪んだ僕も、4章ではやはり涙してしまいました。


しかしG線上の魔王でもそうであったように、最終章に圧倒的な山場を持ってくるのがこのライターの特徴。第5章冒頭の演出は凄まじいものがありました。

プロローグからそれまでの賢一の妙な行動がすべて伏線だったとわかる璃々子の登場シーン。その少し前にお姉ちゃんの「義務」内容が明かされる回想シーンがあり、「まさか…!いやしかし…」と深く考えるうちにあれよあれよとお姉ちゃん登場です。プレイ済みの方ならわかると思います、このシーンの興奮が!!!!

G戦上も第5章冒頭に魔王が兄だと明かされる鮮やかな演出がありましたが、その鮮やかさは本作の方が上をいっています。2章で賢一が女物の下着を隠しているギャグシーンがありますが、ただのギャグだとしたらこれは淡白すぎるだろう、いつお姉ちゃんが登場すんだと思っていましたが、ここまで後に引っ張って引っ張って強烈に登場させるとは恐れ入りました。思えば、日本によく似た違う刑法で成り立つ世界、というちょっと変わった無理やりな設定も、各ヒロインとの話を盛り上げるというよりは、この一瞬のためにあったように感じます。

また、学校校舎から行われる凛々子の演説シーンは鳥肌ものでした。セリフや短い文章を畳みかけ盛り上げていく文体はるーすぼーいさんの十八番ですね。伏線を生かすための舞台設定の組み立ては業界ピカ一ではないでしょうか。先の凛々子登場もそうですが、とっつぁんの不自由な足が実は演技だったというのもさることながら、同様に賢一の大麻の禁断症状も演技だったとは恐れ入りました。

敢えて言うならば、第5章と内乱を描くのにキナ臭い戦争の雰囲気をもっともっと出して欲しかった。また、法月将臣という国家最高クラスの人間や、国家転覆を図った樋口三郎まわりの人間が多数出てくるというのに、この山間の田舎町で話が完結しきるのも少し小さかったかもしれません。

とはいえど、凄まじい伏線使いと泣きの展開、魅力的なキャラクターを縦横無尽に走らせたシナリオは文句なしに賞賛に値します。



【グラフィック】
有葉さんの原画は、丸みと幼さを増してしまった今のものよりも、この頃の方が僕好みです。絵的にはどのヒロインも魅力的に描けています、がやっぱり夏咲が一番ですかね。キャラ的にはお姉ちゃんと灯花なんですが。

しかしEDロールは何か微妙でしたね。歌の山が来る前にEDロール終わっちゃうんですもん。でも全クリア後にメニュー画面が向日葵畑になるのは、実に心地いいですね~。


【キャラクター】
まずは何といっても主人公の森田賢一!最高です。本作のるーすぼーいさんといい、丸戸史明さんといい、田中ロミオさんといい、名作を生み出すライターさんに共通しているのは「主人公がかっこいい」だと思いますが、その中でもトップ争いをするくらいに魅力的な主人公です。

そしてとっつぁんこと法月将臣。彼のセリフひとつひとつは実に重く、賢一と私の思考に突き刺さります。また悪役としての責務も完璧にこなしていました。若本さんの超クセのある演技も頭に残ります。

次作G線上の魔王はヒロインが全体的に弱めでしたが、本作のヒロイン勢は総じて魅力的でした。3人ともがタイトルに恥じない向日葵のようなまっすぐさを持ち得ています。甲乙丙つけがたい…のですが、実はあやかしびとトーニャの声優さんがツボというのもあるのですがお姉ちゃんが一番好きでした。

磯野の伏線もなかなかに乙でした。奇行に見える一連の行動といい、触られると切れる前髪といい、ただのギャグ要因と思っていた奴がなかなかどうしてキーパーソンの一角だったとはやるじゃないですか。ラストの彼は最高にかっこよかった。


【音楽】
音楽は曲数も多く良いのですが、シナリオやキャラクターの魅力の凄さと比べてしまうと、正直なところあと一息!でした。ま、十分なんですけどね、ロッククライミングシーンで流れる挿入歌(演出は感涙でしたが)と、EDがいまひとつ盛り上がりに欠けたのもあるかもしれません。この手の作品は歌付の曲に大きな期待を寄せられてしまうものです…大作の宿命といったところでしょうか。ただ、OPの「紅空恋歌」は作品世界観を高く押し上げる良曲です。

BGM的にお気に入りは、「光の先に」「溶解」「reason to be」「watch out」、山場や泣かせ所で流れる曲がやっぱり良かったです。特に「reason to be」は沸々と湧き上がるものがあります。


と、いうわけで「車輪の国、向日葵の少女」でした。溜めに溜めた甲斐があったというものです。ネタバレ見ないで本当に良かった…。今回は伏字も強めにかけておきました。これからプレイされる皆さんも何もわからないまま最終章までプレイしてほしいと思います。


関連レビュー: 車輪の国、悠久の少年少女



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