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【蒼天のセレナリア】
蒼天のセレナリア



メーカーLiar Soft
シナリオ■■■■■■■□ 7.5
グラフィック■■■■■■■ 7
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■■ 8
冒険活劇■■■■■■■■■ 9
総合【B+】 76点

蒼空への夢と童心

いまやライアーソフトの看板ライターである桜井光さんのスチームパンクシリーズ第一作目、「蒼天のセレナリア」です。古き良き宮崎駿ファンタジーの影響を一心に受けた冒険活劇です。

【シナリオ】
「赫炎のインガノック」「漆黒のシャルノス」といった、後の名作に連なる設定を共有するスチームパンクシリーズ。蒸気機関の技術をもとにして大空を飛空挺が駆け抜けるその世界観は読む者を童心に返らせます。

特に、濁った自分たちの世界から「世界の水殻」を抜けて、青空の広がる新世界に到達する前半最大の山場での高揚感はハンパではなく、はじめてみる青空に興奮するキャラクターたちの心の動きには打たれるものがあります。

蒸気機関文明が発展し繁栄を成した世界、その技術は革新的に進んではいるものの、排水と排煙により汚染された空や水は黒く濁り、暗がりの世界が広がっています。飛空挺「ウルメンシュ」を自在に操り「何でも屋」として空を駆けるコニーとシェラの少女ふたり。彼女たちは、ある日一人の少女を助けたことで、絶対権力と戦力を持つ帝国に追われることになります。ウルメンシュで逃げる先にはこの世の最果てと呼ばれる「世界の水殻」…、戻ることもままならず、その先を信じて飛びこんだ彼女たちを待っているものは…。

と、いうのが第一章から第二章にかけての導入部分です。ここから未知の新世界である本編全八章に突入していくわけですが、スピード感のある展開と、ジブリ的な冒険譚は、好きな人は本当に好きでしょうし、かくある僕もかなり食い入るように読み進めました。

もとの世界と新世界セレナリアとの対比も非常にうまく、人間が暮らす濁った世界と、人型の鳥や虫が暮らす青く美しい世界、この対比に何の情報もないまま翻弄されつつも進んでいくコニーたちの姿の書き込みは見事なものです。次々と現れる未知の存在と事件に直面しながらも、ワクワクさせる冒険モノ王道の展開ですね。

ラストに向かうにつれ、黒幕の思惑や存在感もグイグイ増していき、おおよそ登場するほとんどの主要人物を巻き込んで、最後の山場と戦闘シーンに入っていく流れも非常にアニメ映画的で好感度大でした。

この世界観の見せ方と、最後まで暴れまわるキャラクターたちの書き込み、一番大事な要素ですが、これらは本当によく出来ていたと思います。しかし一方で、大事なところの書き込みがあまりされていないのも目につきます。

たとえば、コニーやシェラといったメインキャラクターの過去が比較的さらりと説明されてしまいます。大きな設定の割には、人物背景がほとんど説明されないキャラも多々あり。活躍は派手なだけにもったいないところです。ヤーロという物語最大のキーパーソンであるべき人物が、最後まで全然登場しないうえに、たいしたキーパーソンでもなかったというのも何だかなぁ。。。マウマウも途中途中で思考シーンが入るので何かあると思わせて特に何もなかったし。

それから、コニーたちが大行程を経て奇跡を起こしセレナリアに到達した、その壮大な煽りの割には、帝国空軍が「虹の道」を通ってラクラク到達できてしまって、ひょこっと登場してくるのは、正直興冷めでした。

ま、しかしながら、決して短いシナリオではなかったというのに、この手の冒険ものをテキストの力で最後までグイグイ引っ張れたのはたいしたものです。


【グラフィック】
クセのある原画師さんで、通常のエロゲーに比べてアニメ要素の非常に強い絵柄なので、人を選ぶかもしれませんね。アニメとして動いたら非常に魅力が増すのではないかな。

というか、本作はグラフィックに力がかかっているわけではありません。枚数が多いわけでもなく、エフェクトが非常に優れているわけでもないわりには、シナリオがジブリ的なものですから、かなりユーザーの想像力に委ねられる部分が大きいんですね。これはプラスなのかマイナスなのか何ともいえないところですが、もし本作がアニメだったらさらに世界が生きてくるのではないかな、そう思います。

あ、あとMAPシーンですが、これはやっぱり余計だったなぁ。
本作は、燃料と積荷コストによって制約を受けた行動ポイントを消費しつつ各街を目指すというゲームシステムが導入されているのですが、別にこのゲーム部分がシナリオに影響を与えるわけでもなし(与えていたらいたでそれもまたうざったそうですが)、実に中途半端な位置づけになっています。


【キャラクター】
この作りこまれた世界を駆け抜けるのにふさわしい、アッパーで魅力的なキャラが盛りだくさんです。まず主人公のコニー・イル・リクール、かなり魅力的な主人公です。冒険譚にふさわしい、行動力と判断力と、思いやりに心を痛める優しい心を持っています。女性ながら、週刊少年ジャンプの主人公たる資質を持っているといって良いでしょう。

サブヒロインである獣人プセールのシェラ・マキス、天真爛漫な獣人という設定は個人的にはなんも響きませんが、彼女もなんかしらの大きな設定があるだろうとは思っていましたが、やはり最後に到達する水都のプセール女王一族の末裔でした。でもそこの書き込みもっとほしかったですね。

それから、帝国知能をつかさどる碩学の人間たちが皆いい味を出しまくっています。悪役も悪役たる素質を発揮しますし、キャラ造形はかなり良く出来ていますね。最初から最後まで芯を貫き通して男だった提督マタイオスや、その登場のインパクトと散り際の熱さが残るバベッジ、終盤の要のキャラであったレイディ・エイダ…あ、痛キャラだったルビーマンもですね笑。脇を固める布陣の立ち方というか、主役たちを喰わないながらも存在感をはっきり主張するバランスの良さは素晴らしいです。

強いて言えば、コニーの相手となる、ヒーロー役であるカルベルティが唯我独尊すぎたかな。彼の強情さに翻弄され続けるコニーがちょいとばかし可哀想でした。

あ、そうだ。あと音声が重要シーンに女性のみ、というのはやっぱりもったいなかったなぁ。といいますのも、本作は男性キャラが非常によく立っていますので、全体的に音声があるべきだと思いました。ここはちょいとマイナス点ですが、キャラ点は8.5点以上は確実にあると思っていますから、音声なので音楽点から引いときます。…というか、本サイトそんな厳密に得点設定していたの?というのはさておき。。

しかし金田まひるさん、4役ですか??
凄すぎますね。全然わかりません。

【音楽】
OPの「ジュブナイル」がまず良いです。終盤の戦闘シーンで、これをアレンジした曲がかかるシーンもなかなか良いです。数は少ないのもったいなかったですが、全体的に、ファイナルファンタジーのようなRPG的な曲が多くて世界観に貢献しているのも◎。童話部分で流れる「オルゴール」、展開が一気に動く時によく流れていた「VS帝国」など、良曲が多いです。


以上、蒼天のセレナリアでした。元世界のドロッとした部分よりも、新世界の突き抜けた爽快感を優先的に描いた作品、本作はそれで良いと思います。スチームパンクシリーズは、次作以降で世界観を深く描いていますので、オッケーでしょう。スカッと楽しめました。



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【るいは智を呼ぶ】
るいは智を呼ぶ



メーカー暁WORKS
シナリオ■■■■■■■■□ 8.5
グラフィック■■■■■■■□ 7.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■■ 8
絆ゲー■■■■■■■■■ 9
総合【A】 81点

矢は束ねれば折れない

とんだ伏兵がいたものです。08年は、完全にG線上、リトバスEX、スマガの頂上決戦であると予想されていましたが、暁WORKSの第二作目である本作、2008年三つ巴に楔を打ち込む見事な良作でした。

【シナリオ】
誰もが振り向く美少女にて優等生、和久津智。彼女が死んだ母の遺言に従い「皆本るい」を探すところから物語は始まります。迫る事件を乗り越えていく中で出会い、運命に導かれるように集う智、るいをはじめとした6人の仲間たち…。彼女たちは全員、身体のどこかに共通の"痣"と、各々を孤独に追いやる"事情"を持っていることがわかり、結果彼女たちは自分たちの不幸を打破するため互いに協力する「同盟」を結びます。しかし、それでも仲間に言えない秘密を持つ智。それを明かすこと即ち死であるその秘密…なんと智は男の子だったのです。


という設定が面白いですね。孤独な少女たちが集まることで仲間となり自分たちの問題を解決していく・・・田中ロミオリスペクトを公言する日野亘さんが描く、「家族計画」的な集団生活ものなのでしょう。また、主人公が止むを得ず女装しているという(しかも一番かわいい)、稀に見る前提設定がかなりいい感じに物語の起伏を作ります。

「呪い」という言葉も、引用などではなく死をもたらす本当の意味での「呪い」です。また各々のヒロインが持つ、「呪い」と表裏になった「能力」、これらの超常現象を絡ませながら進むストーリーはなかなか読み応えがありますし、その呪いや能力の活用の仕方も、あくまで人間関係を描き込んでいくためのスパイスとして程よく扱われていて、その部分に頼り過ぎないバランスの良さも好印象です。また、それぞれが逆方向に向いている性格の6人ですが、ひとまとまりになると非常に良いチームに見えるのは、間違いなくテキスト作りのうまさがゆえです。


本作は、最初にるいルートが固定、最後に茜子ルートが固定されています。意外なことにサブヒロインレベルと思われていた茜子ルートで伏線回収を一気にはかるため、どうもタイトルにまで入っていてメインヒロイン扱いのはずのるいが後半薄くなってしまうのが難です。このことわざを使いたかったというだけではなく、タイトルにちなんだ大掛かりな設定が最後に仕組まれていたら、もうひと段階評価が上がっていたような気がします。最後の方は、ただの腹ばっか減ってるキャラになっていますから笑。

実はるいルート自体は全ルートの中でも1,2を争うほどに感動的なラストで、アクションありホラーあり仲間あり感動ありの、ひとつの完結するエンターテイメント作品としてある程度の完成度を以てまとまっています。ですが、一周目固定のため、謎や人物の絡みが非常に小さいルートなんですね。彼女のルートは、伏線云々解消というよりも、伏線提示の役割が大きいです。

その後ひとりひとりのルートで少しずつ伏線が解消されていきます。花鶏、こよりルートは閑話といった感じでかなりあっさりとしているのですが、最後の伊予、茜子ルートでの畳みかけるような伏線消化の連続は目を見張るものがあり、一連のヒロイン攻略すべてを経て本作が完結するという構成は個人的には好きな作りでした。


特に評価したいのは、仲間モノであるという空気を最後の最後まで崩さなかったこと。この手のゲームは、個別ルートに入ると、途端に「主人公とヒロインの物語」となってしまうことが多いのですが、本作はどの個別ヒロインルートに入っても、仲間である他ヒロインがしっかり活躍します。恋愛が前面にあるのではなく、あくまで仲間であることが優先されるんですね。特に、茜子ルートでのラストで、仲間全員で呪いを破棄する一連のシーンは、泣きと熱さを併せ持つ名シーンでしょう。「絆」が挿入歌として流れるのも鳥肌モノでした。

また、サブキャラクターである裏社会で生きる中国人少女尹央輝と、パルクールレースで協力を申し入れてくれる謎の少年才野原恵。この2名の使い方が非常にうまかったです。彼女たちは実は呪い持ちであるという設定を隠し持っているうえに、特に恵は呪い解除を阻止する役割を負っていますので、否が応にも盛り上がります。正直ラストの方は、彼女たちはヒロインよりも目立っています。


逆に良くなかった点は、共通パートのテキストがくどすぎる。各々の出会いと同盟、パルクールレースを経ての結束など、展開自体は面白いのですが、田中ロミオさんを意識しすぎているのか、とにかく無駄な言い回しや御託が多すぎて、物凄く読みにくいテキストになってしまっています。尺の長い共通ルートを経てOPが流れたのちに個別ルートに入るのですが、ここからは「今までのは何だったの」ってくらいに途端に読みやすくなりますので、まずはそこまで読み進めてからって感じですかね。


個別ルートでの呪いの行方や、恵と後見人との関係、央輝と企業とのつながり背景など、細かいところを見れば書き込みの薄い部分も粗もあります。さらに設定が素晴らしい「智が男である」ことがヒロインにバレるシーンは各個別ルートもっとうまく書き込んでほしかった。このシーンがどのヒロインルートでもあっさりしすぎていて、恋愛とちっともうまく絡めていないのはもったいないです。

それでも各々の思いと「呪い」というイレギュラーを立体的に絡ませて最後爽快に完結させたシナリオは評価できます。次作も期待される人気ライターさんであることは間違いありません。




【グラフィック】
原画はさえき北都さん、少しクセがあるように思えますが、キャラに躍動感を持たせるいい絵を描く方ですね。総じて問題なく高次元でまとまっている印象です。

るいのベースを弾いているCG、茜子を抱きしめるCG、央輝の能力発動のCGなど、残るいい絵がけっこうあります。それから能力発動の際の目のカットインは燃えますね。

あと、あかべぇ系列の会社すべてに言えることなんですけど、背景に力をもっと入れてほしいですよね。ここはマイナス点っす。


【キャラクター】
お気に入りヒロインはこれといっていません。これは悪いことではなく、6人のヒロインが本当に同じくらいの魅力を持っていたと思えるからです。しかし、仲間のヒロインたちよりも、智の方がかわいいというのが太刀悪いです笑。

でも一番好きだったのは尹央輝、彼女です。見た目の良さもさることながら、一見悪役で自己の信念を貫きながらも義は果たしてくれる、花鶏とはまた違ったタイプの孤高のキャラクターでした。彼女がもしヒロインの一角でしたら必ず良質なツンデリズムが体感できたというのに勿体無い。

脇役陣は少ない気もしましたが、バランスは実に良かったような気がします。上記の央輝、そして才野原恵、物語における超々キーパーソンである彼女たちの存在あっての本作です。彼女らの書き込みはよく出来ていましたし、特に恵に関しては、一連の事件でのジョーカーたる重要人物であると同時に泣きの部分も一手に担当してもらっているため、痛烈に印象に残っています。

一方で、記者三宅はたいした仕事もせずに常にさっくりと死んでしまう不憫な悪役キャラだったり、「語り屋」というおいしすぎる設定の割には、ヒントらしいヒントは何もくれないままほとんど登場しない蝉丸いずるさんなど、もったいない部分があったのも確かです。こよりのお姉さんの書き込みも圧倒的に足りていませんでした。CAコーポレーションが黒幕ってわけでもなかったし。


【音楽】
主題歌の「絆」、これいい歌ですね。マイナー調を入れ込んだ綺麗なメロディーが頭に残ります。BGMは、その「絆」をアレンジした類の曲と、泣きどころで流れる「必ず」、このあたりが印象に残っています。


というわけで、ダークホースるい智でした。
最初のもってまわったテキストを読み越えればひとまずOK、ラストの茜子ルートまでプレイしてはじめて評価のできる作品です。ネット上での評価も非常に高いですね、オススメです。


関連レビュー: るいは智を呼ぶファンディスク



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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