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【コンチェルトノート】
コンチェルトノート



メーカーあっぷりけ
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■□ 7.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■□ 7.5
ビギナー向け■■■■■■■■■ 9
総合【B+】 77点

信頼が幸運を掴む

この作品、僕はまったくもってノーチェックでしたよ。ニコ動の2008年エロゲランキングで4位だったのを受けてプレイを決めました。初めてプレイしたメーカーさんですが、あかべぇ系列なんですね、システムや塗り、背景がモロあかべぇで雰囲気が同じですので見て一発でわかります。

【シナリオ】
あらすじ。身寄りも所持金もなく、普通に生活をしているだけで様々な不運に見舞われる主人公、倉上進矢。ある日、絡まれていた同級生を救うことで長期入院を余儀なくされ、奨学生の身であった彼は結果として出席不足により学園をやめざるをえなくなります。そんな彼を救ったのはかつての幼馴染である神凪莉都、彼女が理事長を務める天都原学園に奨学生としての入学、さらに彼女の暮らす月光館への入寮を勧められます。

転校初日、不幸の最たる状況、屋上からの転落事故に見舞われる進矢と莉都。しかし通常なら即死でしかない状況の中、奇跡としかいえない助かり方をする彼らの前に、一人の人形サイズの女の子、運を司る神霊「タマ」が現れます。彼女から、「ふたりの運を利用することで助けた」「その分はこれから運を集めることで返済をしなければ死亡するほどの不幸が待っている」と、告げられる進矢。彼女に運を返済して究極の不幸を回避するため、進矢と莉都は手始めに仲間たちとボランティア部を新設し、翌週の文化祭に望みます……。



なんかつまんなそうですよね笑


正直なところ作品のHPを眺めていても、シナリオ、キャラクター共に初期設定からは引きつけられるだけの魅力を感じません。物語の導入も起伏なく入っていきますし、主人公と莉都との再会や月光館の訪問も実に簡潔で淡々としています。あかべぇ系列なため全体的に背景絵がぼんやりとしていることもあり、前もって集めた事前評価の高さがなければ僕は決してプレイすることはなかったでしょう。

ですが!! 少し読み進めていけばわかるのですが、シナリオ担当の桐月さんですか、非常にテンポよく読ませる方ですね。良い例えを出せば丸戸史明さんのような、平易で普通極まりない文章でもサクサク「読めて」しまう、そういうタイプのライターさんです。この手のライターさんはいそうでいませんので、他の作品も楽しみなところですね。


ただ、話の中核となる「運」。この要素を前面に出し、運の使用や代価、他人からの吸収等といった設定固めはしてきているものの、「運」という要素は概念としてあまりにも曖昧としすぎているため、正直イマイチとらえようのない印象が拭えない。また事前設定の割には物語内でそんなに不運を主人公がかぶっているようでもなく、かといってでは不運の描写をもっと盛り込めばよかったかというとそんな物語が別に読みたいわけでもなく、「程度」の扱いが難しい要素であったように思えます。

神霊「タマ」を用いた運の回収方法も正直微妙でした。進矢に向ける感情の強度により対象から運を吸収できる量が変わるだとか、進矢が誰かに触れれば対象から一気に運を吸い取れるだとか、「運ってなんぞや」な設定ばかりです。そもそも進矢と利都、そして彼らに対して「繋がり」の強い者、例えば莉都の専属メイドである小夜璃さんや、進矢に思いを寄せている和奏にはタマの姿が見えるというのに、会長ルートに入っても一貫して会長に見えないというのもその境界が曖昧ですしね。もっともらしく書いてはいるのですが、どうにもしっくりこないんですね。

また、各個別ルートにおいて、文化祭でソフトボールの試合や手品などで人の注目を集めることで運の返済がある程度解決するわけですが、「え、必要な運ってそれで解決しちゃう程度の量なの?」と感じるのも正直否めませんでした。


……と、最初に一気に難点を書きましたが、ライターの読ませる力量が高く、さくさく読み進めることが出来ますので問題ありません。とはいえ個別ルートは、莉都ルート以外は正直詰めが甘い

和奏ルート。熱の入れ具合が違うソフトボール部員たちとの溝を埋めるルート。タマだの運だの、って要素があまり作用せず、存在感の薄いルートでした。そして、やる気がないと思われていたソフトボール部の部長たちは結局しっかり出来る真剣な人たちだったんかい!と。部員との軋轢自体がたいした問題ではなかったとなると、問題点は最初からさほどなかったのでは……。というか、和奏が一番空気読めてなかったんじゃ……。いやはや物事片方からしか見てないと真実は見えてこないですね。


白雪ルート。目立つ不幸体質から流れに巻き込まれていくことになる彼女、心臓移植政略による家族間の確執などけっこう重めなテーマと、白雪のぽわぽわした可愛らしさが同居するシナリオでした。しかしですね、東条家の父親たちは結局どうしようもない悪役だったの? 白雪の心臓提供者である幼馴染の死亡事故の真相はどうなの? なんか大きなドンデン返しがきそうな雰囲気もあったのですが、結局それもなく表立った説明のみで終わってしまった書き込みの浅さが残念なところですかね。


星華ルート。パワーと人望で引っ張るタイプの生徒会長姉御肌キャラ、といったところでしょうか。ありがちキャラながらもかなり立ってますね。唯一タマを認識できないヒロインですから、根幹の設定がさほど生きることもなく、どちらかというとキャラが良いのでそこを楽しむルート、の意味合いの方が強かったように思えます。女の子同士の格闘描写が山場ってのもどうにも読み手的には盛り上がらずだったかなあ。


小夜璃ルート。莉都のメイドであり、幼少児の主人公と知り合いだったのだろうなあ…という伏線が序盤に提示されますね。まあ実際そのとおりで、最終的には、進矢と莉都に遠慮して否定していただけの小夜璃を解きほぐして結ばれてハッピーエンドです。


そして莉都ルートを残すのみとなります。莉都のぶっきら棒で空気の読めないながらもなぜか愛らしいキャラは、プレイすればするほど魅力を増しますね。莉都は最後に、との情報があったため我慢しましたが、正直他のヒロインを攻略しながらも、莉都ルートが非常に楽しみでした。

このルートは、タマや神凪にまつわる伏線を回収する最も大きいルートであるとともに、サブ男性キャラである陽太や上杉、担任の深弥先生などの脇役たちも皆、月光館に転がり込んでくるというこれまでにはない良設定で進むルートでした。さらに言うと、非常に暴力的な描写で読み手を引きこむ幸御魂の記憶をたどる夢のシーンで陽太、上杉、クラウスを主要メンバーに選んだり、一連の真相を彼らに打ち明け、彼らを話の中枢に引き込んでいく流れも個人的に上がりました。サブの男性キャラって、いい働きをしていても真相においては蚊帳の外ってケースが多いので、個人的にはその流れは大好きなんです。


本ルート、思っていたよりも壮大な仕掛けが提示されるルートで、古来より人身御供で人為的に地を平定していた神凪一族が儀式を行わなくなったことにより、その反動で街の抱えてきた歪みが解放され崩壊の一途をたどりつつある、というダイナミックな展開は読み手を引きつけるものがあり、さすがに終盤の盛り上げは高い評価を得ているだけのことはあるなと思いました。ラスト付近で、深弥先生や南条も話に深く関わらせる展開、キャラ総出の全体的な展開は非常に面白かった。

神凪家があっさり崩壊する様や、莉都が終盤あまり活躍しない点など、もったいない点はあったにせよ、やはり莉都ルートが頭ひとつもふたつも抜けていましたね

さらに、クライマックスのタマとの別れのシーンは、あかべぇお得意の演出といった感じがしました。やってくれますよね、あのタイミングで歌付曲「輝いたまま」を流してくるとはね。


しかし、あかべぇ系列の暁WORKSから同年に発売された「るいは智を呼ぶ」も、不幸を仲間たちと打破する話でしたが、なんか関係あるんですかね? また、かわしまりのさんが演じるマイペースなメインヒロインルートが他ルートを圧倒する出来、というのも同年のどこかで聞いた話ですね笑。



【グラフィック】
原画はオダワラハコネさん。立ち絵より一枚絵のほうがはるかに良い絵が多いですね。正直立ち絵はあまり良くなく、右を向いたときの絵が総じてバランス悪いなどの難があるのですが、一枚絵になると途端に生きる絵になります。あとあかべぇ系列はやっぱり背景が弱いかなあ。

それから、定番の紙芝居ものゲームにしては、タマを中心として、非常に効果的に立ち絵が動きますね。肩に乗ったり動き回ったりするタマや、キャラに高低差を出して立っている人座っている人を表現したり、キスする時に顔にフォーカスインしたりと、出来る範囲での動きを表現している努力は評価できます。

フローチャートのシステムも個人的に好きですね。でもこれですと、セーブシステムいらないんじゃないかと思いますが。


【キャラクター】
どのヒロインもありふれた設定ではありますが、声優さんの力が大きかったこともあり、総じて魅力的に描かれています。全ヒロイン、各声優さんのいい部分がキャラの特長と相乗で高め合っている、そんな印象を受けました。でも特に莉都だなぁ、やっぱり。

主人公は、倉上進矢。凄くいいですね、かなり気に入りました。言動がすこぶるカッコ良い。要所要所でとる行動や、堂々とした態度、ギャグ、シリアス両輪で機能するセリフ、主人公をかっこよく書けるライターさんの作品は面白くなる傾向にありますが、本作もまた例外ではありません。

そして言及しておきたい点として、莉都と進矢の関係の描き方がまたいいんです。彼らは幼馴染というには過ごした時間は少ないですし性格もだいぶ違います。ですが、幼少時の一年間に培った思い出と、偶発的な相性の良さ、ここから発展したお互いに対する絶対的な信頼関係と理解の深さは実に見事に描けています。どんな窮地にあってもお互いに対する考えが全くブレないのが素晴らしい。他ヒロインには悪いですが、この二人はやっぱりセットで見てしまいますねー。

それからクラスメイトの陽太、上杉、転校生のクラウスの男性キャラ3人も、ほどよく主人公達と絡みがあり良いと思います。実に気持ちの良い仲間、って感じに描かれていて好印象です。ま、キャラクターは全体的に温かくて良いですね。やっぱ学園ものはこういう温かさがないとな。


【音声】
音楽的にはOP「コンチェルトノート」が良曲で、更にそれをアレンジしたピアノver.とオーケストラver.が印象に残っています。特にオーケストラ ver.だな。また通常シーンで流れる音楽は平易なものですが、プレイし終えて音楽を改めて聞きなおしてみると、なにげに決めどころの熱いシーンで流れる曲のバリエーションが多いんですよね、実は。「コンチェルトノート」もそうですし、「たとえ1人でも」と「仲間がいるなら」、「必ず助けるから  Ver1、2」など、同じ曲で2~3パターン、アレンジを変えて用意している類のBGMがいくつかあって、これは凄く良いですね。


以上、コンチェルトノートでした。
物語や設定も少し似ていますが、PULLTOPの「ゆのはな」をプレイしたときを思い出しました。読みやすシナリオに、全体的に活躍するキャラクターたち、程よいサブヒロインルートと伏線回収する起伏の大きいメインヒロインルート、後を引く余韻。エロゲ初心者の方にやってほしい作品です。



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

Angel Beats! 総括
Angel Beats! 総括 

「1クールアニメとしては…、しかし作品としては名作」


良くも悪くも最後まで話題作でしたね。信者/アンチ両派閥を全編に渡って取り込み続け、さらに音楽などの他メディア展開でも良い結果を残したことを考えると、少なくとも商業的な意味では大成功であったと言えるでしょう。思えば「麻枝准、再始動」とのキャッチコピーをもって放映の1,2年前からkeyHP上で情報が少しずつ公開されていった本作、脚本が麻枝准さん、原画は Na-Gaさんというkey最強布陣、大御所ANIPLEX企画、瀬戸の花嫁の岸誠二監督、こだわりをみせる音楽面…と、放映開始まで本当に楽しみで仕方が無かったのは僕だけではないはずです。


ですが、脚本担当の麻枝さんはやっぱり「ゲーム」のシナリオライターでした。そもそもゲームというものはテキスト総量が圧倒的に多いため、いかようにも構成を膨らませることが出来ます。また、各々ヒロインのルートごとに別のシナリオが存在し、時に互いに補完しあうスタイルを持ちます。そういった多角総合的にシナリオを作っていくスタイルに慣れたライターが、1話30分限定+7日間のブランク、という制限を受けるアニメの全脚本を担当するというのは、そもそも畑違いだった感は否めません。

実際、Angel Beats! は設定説明、シナリオボリューム、登場人物すべてが非常にゲーム的であったと共に、とても1クールアニメにおさまる規模感ではなく、そもそもの部分でキャパオーバーしていました。特にキャラの掘り下げは本当にもったいなかったとしか言いようがなく、あれだけキャラが立っていたメンバーひとりひとりにしっかり焦点が当たり、キャラ同士の関係性やエピソードがもっと見られ、各々の最後の消失までしっかり描かれる時間が与えられていたならば、最終回ラストのエンドロールなんて涙が溢れて止まらなかったことでしょう。

麻枝准さんの脚本全面担当というのが本作の売りではあったと思うのですが、ゲームライターである彼のシナリオと、アニメとしての現実的なシナリオ、ここを調整するクッション役が存在、機能し、且つ2クールにまたがる尺が与えられていたならば、前評判通りの伝説作品になったのではと思っています。



どなたかのブログに書かれていたのですが、Angel Beats! は、設定的に本当はもっともっと大きな"ゲーム"作品なのだ。そして今回のアニメ放映では、「立花奏」ルートを一本プレイしたにすぎない。だからこのルートだと設定などには細かく言及されないし、ゆりや戦線メンバーも脇役的な扱いになっているのだろう、と。

これは物凄くストンと来ました。なるほど、そのとおりです。本当は他にもゆりルートや椎名ルート、ガルデモメンバーのルートなどもあり、それらのシナリオで互いのルートを補完し、最終的にコンプリートしたときに最高の感動が待っている、と言われれば凄く納得できてしまいそうな作品ですよね。やっぱり本作ゲーム化してほしいですねえ。



好みこそあれど、KANON、AIR、CLANNAD、リトルバスターズ……と超人気作を次々と生み出した麻枝准さん自体はやっぱり凄いですよね。ですが、彼はもともと緻密なフラグを立てて回収していくタイプではなく、「奇跡」「絆」という力技で感動させる類のライターです。keyのゲームをプレイしている者であれば、ABアンチ派閥が言及しているような世界観の説明や整合性のしっかり取れたシナリオといったものを彼に対してそこまで期待しませんし、多少力技になったとしても、それに値するだけの感動や演出があればいいと思っていました。そしてそういった意味では、先が気になる物語と綺麗に連動した作中音楽や、動きのある作画、独特の採光の効果……といったグッとこさせるための演出面の絡みは最高クラスで、ライブシーンや戦闘シーンの派手さ、ユイ消失回や最終回ラスト、エンドロールの情景の演出は本当に素晴らしいものがあり、制作陣営の地力を見た気がします。


終わってみれば、3話の岩沢消失時から分かっていた、満足したら成仏する、という設定を最後の最後まで追いかけていたわけですが、原作ありきの昨今のアニメと違って、オリジナルものは誰も展開を知らないのがいいですね。特に本作は、設定が特殊で先があまりにも見えない展開だったので、毎週毎週あらゆる場所で展開予想や伏線考察などがされ盛り上がっていました。最後も、尺の問題とはいえ、多くは語られないまま視聴者に想像を委ねる余地を大きく残し幕を閉じましたが、他メディアでの別展開があれば嬉しいですし、個人の二次創作なども多く作られそうな気がしますね。



ちなみに僕は、信者/アンチどちらかでいえば圧倒的に信者サイドでした。

まあ正直なところ、突っ込みどころは上げ出せばキリがありませんし、もったいないところもやはり上げ出せばキリがありません。アニメの完成度としてはどうなの、と思います。ですが、個々のキャラクターはよく立っていましたし、挿絵や台詞、音楽といったこと演出面において震えるような場面がいくつかあったのも確かです。物語において、伏線消化やストーリー性などの「線」といいますか、「流れ」の美しさこそが完成度に重要であることは間違いありません。ですが、本作のように特定の場面のシナリオや演出という「点」が神がかっていたことも、この作品においては事実だと思うのです。学園モノ、仲間モノのドタバタ劇が個人的に好きだということもありますかね。


そういった意味では、本作はアニメという形をとったがゆえに賛否両論を生んだといえましょう。「せめて2クールあったら」「これがゲームだったら」……と、まぁたらればは野暮なのでやめましょう。

Angel Beats! という作品自体は、誰がなんといおうと、非常に良い作品であったと僕は声を大にして言いたいのです。

テーマ:Angel Beats! - ジャンル:アニメ・コミック

【赫炎のインガノック】
赫炎のインガノック



メーカーLiar Soft
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■■□ 8.5
キャラクター■■■■■■■□ 7.5
音楽■■■■■■■■ 8
空気■■■■■■■■■ 9
総合【B+】 79点

桜井節奇譚

さすがのライアーソフト、スチームパンクシリーズ最高峰と謳われているだけのことはありました。『蒼天のセレナリア』で用いた蒸気機関や幻獣といった世界観設定を踏襲していますが、特にセレナリアをプレイしていなくとも問題はありません。

【シナリオ】
シナリオ担当はライアーソフト専属のライター、桜井光女史。作品の専用HPを見て頂ければわかるのですが、事前の世界観情報があまりにも盛り沢山、スチームパンクシリーズとして大作を何本も投下していることからもわかるとおり、彼女の頭の中には僕らの住んでいる世界とは別の確立された大きな世界が運用されているようですね。素晴らしいことです。

10年前の「復活」と呼ばれる原因不明の濃霧と、「クリッター」なる破壊生物の出現により、破壊と混沌を余儀なくされた都市『インガノック』。今では外界と隔絶され、ヒト以外の生物の外見と性質を現出させた住人たちが跋扈する、独自の文化網を発展させた異形都市と化しています。

インガノックの低所得層がひしめく下層域にて巡回医師を続けるギー。彼は「現象数式」を操り、体内の悪しき状態を置換させることで治療を施す特異な技術を持っています。自己満足と揶揄されながらも日々を巡回に費やすギー、その動機は義務なのか果たして狂気なのか。

ある日、彼の視界に映る妄想、幻の道化師の言葉に従い雑踏を見渡すと、この町に似つかわぬ清廉な少女を捉えます。異形都市の常識を何も知らず、まぶしいまでの笑顔を浮かべる彼女の名はキーア。魅かれるままにキーアを匿い共同生活を始めることになるギー、彼らの前に起こる事件に向き合ううちにインガノックが抱える闇と過去が徐々に明らかになります。


……と、全12章から成るストーリーですが、基本的には1話完結形式で進むドラマ仕立てになっています。ギーや黒猫アティ、キーアといった主人公グループを中心に、各章において特定の脇役キャラにフォーカスされた話が展開されます。そしてその各々の話には常に、インガノックが異形都市となった10年前に現れた「クリッター」なる殺戮の象徴キャラクターたちが事件の引き金として絡み、話を動的にします。メリハリがきいていて良いですね。

また各章の中盤には、主要登場人物の独白や世界観の説明を語る幕間が用意されており、物語外でこういったことをするのは少し反則技かな?と思わないでもないものの、演出が良いので特に気にはなりませんでした。


セレナリアの時にも思ったのですが、要所要所でキャラクターに長い詩的な独白をさせるのがこのライターの特徴のひとつですね。彼女特有のこの手法、とても綺麗です。またギーが奇械ポルシオンを発動させる時の文章や、「喝采せよ」のくだりもそうですが、毎章あらわれる同じような場面を敢えてまったく同じ文章でたたみかける手法は面白いですね。まぁ「しつけーな」、と思わないこともないのですが笑
この人はシナリオの組み立て方とセリフの重ね方が凄く詩的ですよね。絵本のような独特な語り口が特徴的です。物語自体はダイナミズムに溢れていますが、個々の文章は非常に繊細です。女性だと知って最初驚きましたが、文章を読めばそれがよくわかります。


最後に向かうにつれ少しずつ、41体のクリッターや、インガノックが異形都市となってしまった理由、背景などもちゃんと説明されたのは意外でしたが良かったですね。えてしてファンタジーものですとこういう設定は、「そういうものだったのだ」として処理されがちなのですが…。ファンタジー的動機に落とし込まず、41人の妊婦を収容していた産婦人科を襲った事故が原因であったというのは評価できます。そしてそれをなんとかしたかった大侯爵アステアの儀式が引き金になっているという点ですね。院長から送られるはずだった41体のおもちゃがクリッターとなり、41人の胎児が、ギーの背後にもいる奇械となったという流れも、その事故に巻き込まれ死にゆくはずだった少女がキーアであり、それを必死に救おうとした当時の研修医がギーだったという流れもまた、物語として綺麗です。やはり主要人物に大きな伏線を持たせるというのは効果的ですよね。

ラストはいくつかの謎と余韻を残して終幕します。主要人物たち、つまりギー、キーア、ケルカン、ルアハは果たして助かっているのか? また、最後に3人の子供たちが助けるひとりの子供は誰なのか?

これは想像でしかありませんが、最後の災害の後、「驚いたことに死者はほとんどいなかった」と述べられていることや、3人の子供が救い出した子供をギーとキーアに見せると話している場面から、おそらく皆生存していると考えて良いのではないでしょうか……いや、考えたいところです。また、最後の子供は、ギーの背後にいたポルシオンでしょう。本来生まれることのなかった41人の胎児たちがこの世に生を受ける奇跡を授かったことでラストを清々しく締めているのだと思います。


欲をいえば、世界観づくりに力を入れすぎて、肝心のキャラクター関係性の掘り下げがもう一歩だったことが挙げられます。例えば、ポルシオンとギーの関連が薄かったので、なぜギーの背後にいるのがポルシオンなのかに言及した話だったり、アステアとその娘の話、それから主要人物の割にいまいち報われなかったアティへの掘り下げなどがあるとさらに良かったかなと思っています。


しかし、彼女の世界観づくりは卓越してますね。いや、彼女とライアーソフトの力、ですかね。この類の作品を作らせたらライアーソフトの右に出るメーカーはありませんね。


【グラフィック】
キャラクター絵、背景ともにサイケデリックで独特の雰囲気を持っています。墨絵のような黒を基調とした全体絵図、差し込まれる金や紫などの雅色…、原画担当は大石竜子さん。シナリオもそうですが、原画も女性の方なのですね。かなりクセのある原画ですので、人を選ぶ部分もあるかもしれませんが、相当にかっこいいです。

ただ、主要人物や各話の中心人物に立ち絵があり、サブキャラはモブ背景のような塗りなしの絵で済まされてしまってるのがもったないなかった。3人の子供たちやアティの仕事仲間デビッド、現実主義の医者仲間エラリィなどはかなり良いキャラをしていたと思うのですが。

それから背景が少し足りないのがもったいなかったかもしれないですね。雰囲気は抜群なんですが。


【キャラクター】
女性が描く物語だからか、女性キャラの優しさや憂いが非常に丁寧で美しいです。特にキーアの持つ母性や温かさ、セリフの優しさは特筆すべきものかと。内面吐露のシーンが最も多いアティの感情の揺れ動きも非常に丁寧でした。だからこそアティはもっと幸せになってほしかった…。本来は人間であった機械人形ルアハの心の動きも静的ながらも訴えてくるものがありました。

男性キャラの主翼は、ダウナーな主人公ギーと殺人者ケルカンですね。対極に位置するこのふたりの奇械使いはこの世界観によくあっているふたりでした。ケルカンの伏線も良い感じに最後作用していましたね。

しかし上記しましたがキャラ関連性にもう少し書き込みがほしかったところが惜しいですかね。登場人物が多いようで、実は物語の壮大さの割に重要人物が少ない。そして関連性こそあるものの、そこの書き込みがいまひとつ薄い、そんな印象が正直ありますね。


【音楽】
ジプシーミュージックや、切迫したオーケストラなど、世界を大切にしつつも動的な音楽が多く、これは非常に評価できます。印象に残っているのは、緩やかなバイオリンが心地よい「日常/緩やかな時」、ジプシー調のアコギの音色が美しい「運命/回転悲劇」、派手な「戦闘/無限舞踊」でしょうか。が、しかし曲数が10曲強しかありませんため、どうしても使いまわしの頻度が多くなってしまったのは残念なところでしょうか。

OP「Adenium」が素晴らしいですね。サビへの持っていき方がかっこよいですね~。ブルヨグはいい仕事します。

またセレナリアもそうでしたが、パートボイスになっているのがやはり惜しいですね。ギーやケルカンなんて、あれだけ登場しておきながら数えるくらいしかボイスがなかったのでは……汗。


以上、赫炎のインガノックです。クセのある作品ですので、まずはライアーソフトのHPを。そして出来のいいOPムービーを。いけそうだとあれば、きっと引き込んでくれることでしょう。



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【カルタグラ ~ツキ狂イノ病~】
カルタグラ ~ツキ狂イノ病~



メーカーInnocent Grey
シナリオ■■■■■■■■■□ 9.5
グラフィック■■■■■■■■■ 9
キャラクター■■■■■■■■■ 9
音楽■■■■■■■□ 7.5
■■■■■■■■■ 9
総合【A+】 88点

名作サスペンスエロゲ

いや、なんといいますか。久しぶりに没頭して読み込んでしまう作品でした。僕が無知なだけかと思いますが、こんな名作が眠っていたなんて……、こういう出会いがあるからエロゲは止められないんですよね。

ガチなサスペンスものですから好き嫌いはおおいにあるとして、シナリオの流れや一枚絵の魅力、世界観などの「作品完成度」という点では非常に高い質を持っていたと思います。


【シナリオ】
舞台は戦後間もない冬の上野。主人公の高城秋五は、遊郭に居候をさせてもらっているしがない探偵。ある日、警察官時代の元上司の紹介で、令嬢「上月由良」捜索の依頼が舞い込みます。その捜索対象に驚く秋五、なぜなら彼女は秋五のかつての恋人であり、戦争の混乱や出征の中で別れたきりになっていた少女だったからです。

あまりにも出来すぎた偶然に依頼を受ける気になる秋五。到着すると、彼女と瓜二つな双子の妹、上月和菜に出迎えられます。姉とは対照的に快活で屈託の無い彼女にとまどいつつも父親の話を聞いてみると、父親は和菜を部屋から退去させ、秋五に「由良はもう死んでいる」と告げます――。

一方、上野では女性の連続バラバラ殺人事件が頻発。生きている状態での肢体切断や、子宮を食した痕跡など、常軌を逸したその殺害手口に警察の捜査と世間の注目は拡大する一方です。

この、一見平行しているように思える各々の事件はやがて引き寄せられるように交差し、秋五に惨劇の真実を突きつけます……。



終わってみれば一瞬でしたが、それは純粋に面白かったからゆえのことなのか、単純に短かったのか……。中盤あたりで殺人事件のカラクリがわかってしまうので、二周目以降に前半部分が完全に作業になってしまうのはまぁサスペンスものの宿命でしょうかね。それから猟奇殺人事件解決から真相究明に入る和菜ルートが濃厚すぎて、すべてコンプリートして後から考えてみると前半部分が遠い昔の話のように思えてしまうのは致し方ないところでしょうか。

序盤においてもう少しだけボリュームを持たせることで完成度をよりあげられるポイントがいくつもあったように思えます。例えば、連続殺人犯が学園のシスターというのは、流れとしてはとてもよかったですが、彼女が犯人だとわかる時点で、それまでに1シーンにしか登場していませんので、彼女をもっと話に登場させて、読者の印象に残しておくべきだったと思います。そのほうが演出としては鮮やかになったでしょうに、少々もったいなさを感じました。また、事件の当時者となる妹の同級生、綾崎楼子も登場と話への食い込み方が急すぎて正直少しとまどったのを覚えています。さらにいえば、秋五の過去、有島警部や遊郭の雨雀姐さん等との過去のいきさつなどが描かれていると話に深みが増したと思います。


……と、のっけから批判で入ってしまいましたが、本当に素晴らしい作品でした。伏線提示と動きのある場面が盛り沢山なものですから、冗長にだらだらと流すような日常場面を極力排し、グッとひきつける場面を程よい間隔で配置させ読む手を止めさせないバランス感はあまりにも絶妙だったと思います。キャラクターの感情の動きとたたみかけるテキストの応酬には、完全に引き込まれていました。


選択肢により初音や七七といった各ルートに分岐しますが、これらのルートは謎や伏線が投げ出され、すっきりとは終わりません。また、TRUEへの伏線を提示したまま終わるBAD ENDなんかも多々ありますね。あくまで連続殺人事件の解決以降に待っている真相究明編、つまり和菜のTRUE ENDありきの本作であり、本作評価もそのルートに値しますね。連続殺人事件を物語の中心と見せかけておきながらもそれはあくまで大局の一部にすぎず、真相編に大きな力を割いている構成が非常に良かったですね。そして殺人事件一応の解決あたりからグイグイと登場人物が事件の中心に直接絡みだすようになるのがまた読み応え抜群でした。


特にラスト付近の展開、黒幕の登場と事件の真相、予想外すぎる八木沼刑事の応援、そして最後の最後、エピローグでのダメ押しのドンデン返しであった、生きていた由良の描こうとした本当のシナリオ……、後半のたたみかける展開はどこを切り取っても完成度は非常に高く、また本当に面白い! 

有島が黒幕の一端というのも、後半に残された人物関係や当人の行動から推理は容易なのですが、シナリオの展開と演出は鮮やかなもので、単純な読み物としての引きは非常に強かったですね。しかしながら黒幕中の黒幕は上月由良そのひと、秋五を愛する彼女の意志と生まれ持った運命に抗うための思惑を実行するために起こった陰惨な事件だったわけですが、それを引きつけ引きつけ最後の最後に投下する演出も見事でした。



主人公の秋五はずっと事件に踊らされ続けています。当事者ということもありますが、彼は事件の旗振り役になりません。最終的な物語の解決役も妹の七七が負っていますしね。でもここは凄くうまいところなんですね。この物語、当事者たちが事件の根幹に関わりすぎているんですね。本来、ミステリーにおいて探偵役というのは事件の外にいなければなりません。ですが秋五はそうではなかった。そこで、七七に探偵役を担わせるのはある意味うまい描き方だったと思います。


辛口な意見を言わせてもらえば、有島警部の動機が、犯人の一画である、狂気と由良を盲信した赤尾生馬に比べてだいぶ弱かったのと、由良の能力とか予言とか、そのあたりの絡ませ方がわかりにくいというか中途半端な感じがしたので惜しかったですかね。

ま、惜しいところはそりゃあるにはあります。面白かったですからね、あれが書かれていれば……、と思うところはあります。ですが、陰惨且つ静謐な世界観を最初から最後まで保ち続けたうえに、撒きに撒いた伏線や疑問点などをしっかり回収しきった物語構成は称賛に値します。


また、エロにもグロにも力を注ぎまくっているところにも好感がもてますね。エロけりゃいいってもんでもないですし、僕はネクロフィリアでもなんでもないですが、なまじグラフィックが美しくストーリーが綺麗に構成立っているものですから、一見対極にあるエロやグロがよく際立つんですね。ここらへんの要素にも手を抜かない姿勢、いやむしろこだわりの領域なんでしょうが、とても評価できますし、ここに力を注ぐのは作品完成度としても大正解であるわけです。

また、CGはもちろん、会話や情景が非常に美しい場面シーンがいくつもあることを書いておきたい。遊郭女郎の凛とのベンチでの会話シーンや、冬史に膝枕をしてもらっているシーン、それから雨雀姐さんとの会話はそういう場面が多かったかな。

いやはや、読んでいて引き込まれていました。シナリオ担当は飯田和彦さんですか。要チェックライターさんの仲間入りです。



【グラフィック】
原画は杉菜水姫さん。非常に美しいですねー! 戦後の冬を舞台にした、うら寂しく儚い一枚絵が多いです。本作は、陰惨で静謐な不思議な世界観造りを丁寧に丁寧に行っているスタッフの様がよく伝わってくるのですが、特にその筆頭であるグラフィックの雰囲気は抜群に良いですね。死体のシーンなんかも演出や一枚絵にこだわっているんでしょうね。かなりのグロ絵ではあるのですが、そこまでの嫌悪感を抱かなかったというのが正直なところです。

キャラ絵も幼すぎず大人っぽさを出した画風ですね。個人的には萌え萌えしているよりもこれくらいの方が好きです。

ところどころ演出も良かったですね~。渾身の一枚絵を際立たせるための構図の動かし方なんかもそうですし、僕が一番「おっ」と思ったのは、犯人視点に切り替わった時に秋五のセリフでボイスが入ってきたところですかね。



【キャラクター】
高城秋五、遊郭に居候している行灯タイプの探偵です。この時代がモチーフの作品って、こういう頼りないタイプの主人公って多くないっすかね。気のせいかな。彼は、自分でグイグイ解決していくタイプでなく、ポテンシャルはそう大きくないものの、人望や求心力で周囲の助けを得ながら解決をしていくタイプですね。僕的にはこれでありだと思います。おかげさまで友人の冬史や妹の七七といった人物のキャラがすこぶる立っています。


この物語は、切ないキャラが多すぎますね。中でもなんといっても遊郭の女郎、凛。何ですかこの愛しさ全開のわりに全く報われないキャラは。まあ確かに登場時から死亡フラグがムンムンに立っている彼女ではありますけども、メインヒロインばりにかわいく秋五と良好な関係を築く彼女、確実な惨殺が約束されています。。。orz

シスターが用意した、(おそらく)凛の身体を使った料理を拒否して餓死寸前の秋五の幻覚の中で、ともに生きていけるから飢え死ぬ前に自分を食べてくれと語るシーンなんて名シーンだと思います……。

また失踪事件と殺人事件の接点を作る新興宗教「千里教」の祠草時子や上記した綾崎楼子、彼女たちもキャラ的には魅力あるのですが、どうあがいても不条理に殺されてしまいますので痛かったですね……。


妹の高城七七。清々しいまでに自身の興味に基づいて行動を取る彼女、表にはあまり出てきませんが本作のストーリーテラー役でもあります。シスターとも接触を取って仲良くなってしまっている彼女、「珍しいものを食べられた」などと語る彼女から、彼女は人間としての最大級のタブー、「人食」を犯していることがわかります。また、彼女はもうひとつの禁忌「近親愛」を犯してもいますよね。

彼女のルートは静かながらも実に壮絶で、凛の人肉を食すという、自分の領域まで秋五が入ってきた上で助けに来る……非常に聡明な少女ですね。そして秋五を手にし近親愛の線も軽く越えさせてしまうのですから、恐ろしさを覚えます。彼女はあれだけ事件に深入りしながらも唯一危険を全て回避し続けますしね。また、一色ヒカルさんのまっすぐな演技も素晴らしかったです。


そして秋五の精神的支柱であり、物語内でも何度も彼の背中を押してくれる熱い女性キャラが二名、親友にして裏社会の俊英蒼木冬史と、遊郭雪白の女将雨雀姐さん、この二人があまりにも良いキャラをしてますね。この手の物語で熱いことを成すのは大体男性キャラではありますが、最高に男前な彼女たちに胸が熱くさせられる場面が何度もありました。彼女たちが秋五に深入りしてくれるか否かがBADか生存かを分かつキーでもありますし、具体的な力も、その力を使う想いも、兼ね合わせている彼女たちが物語に幅を持たせます。秋五を救うためシスターを倒しにきたり、ラストで赤尾と大立ち回りをかます冬史や、初音を気丈に譲り渡してくれる雨雀姐さんなどには奮えましたね。

そんな殺伐とした作中で唯一、日常と萌えの象徴で存在が非常に暖かかった初音。遊郭雪白の下働きをしている少女で、和菜と結ばれるTRUE ENDの他に、唯一HAPPY ENDをもつヒロインとなります。ただ、彼女のルートは本質的には何の解決もできておらず、初音のために事件途中で舞台を降りる、といったENDでしたが、一心に秋五を慕う想いや、彼女を拾ってくれた雨雀との間にあるお互いを思い合う気持ちなど、こういう救いのある締め方もひとつはあってもいいかも…と思います。


そして最後に上月和菜。純粋で元気な天然キャラクターはメインヒロインたる様相で、実際とてもかわいく魅力的なキャラクターです。シナリオへの重要度も非常に高く、たまに空気化するメインヒロインがいますが、決してそういうこともありません。しかし、どうしても冬史や七七、凛など他のキャラの魅力に隠れてしまう部分がありましたのはシナリオのせいで、これは彼女のせいではない。こればっかりはしょうがないな……。ただその分シナリオにおける和菜と由良の使い方は面白かったですし、メインのヒロインとしての格は十二分に備えていました。


しかし、いやはや、キャラクターの使い方が実にうまい。秋五サイドにいる人間たちの書き込みはもちろんなのですが、後半のキナ臭い場面での有島警部の立ち位置、ともすれば嫌な奴のまま終わるはずだった八木沼刑事の使い方、美術監督赤尾の物語への絶妙な絡ませ方…などなど。そういった意味では、後半に絡みのない遊郭陣営は最終的な印象が薄くなりがちでしょうか。


それから是非書いておきたいこととして、秋五と冬史の関係が凄く好きでした。ラストの赤尾とのバトルシーンで、大怪我を負っている冬史に敢えてその場を託す秋五とそれを受ける冬史のシーンは大好きなシーンのひとつです。


【音楽】
切ない場面で流れる、哀愁を誘うピアノBGM「月の涙」「慟哭」、この2曲が際立っていました。あとは緊迫した場面で流れる「狂イ咲キ」が残っています。ただ、全体的に曲数は少なく穏やかな曲ばかりですので、もう1,2曲パンチのある曲があれば尚良かったのではないでしょうか。しかしながら雰囲気はとてもよく出ていて、陰りがあり懐古的な作風にあっている曲が多いです。


以上、カルタグラでした。
一般的な萌えゲー美少女ゲーといったものとは全然違いますので、敬遠されることも多いでしょうが、気に入った人からは高い評価を得られるような作品ですね。このメーカーの他の作品も是非プレイしてみたくなりました。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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