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【沙耶の唄】
沙耶の唄



メーカーNitro+
シナリオ■■■■■■■■■ 9
グラフィック■■■■■■■□ 7.5
キャラクター■■■■■■■ 7
音楽■■■■■■■ 7
救いようのない美しさ ■■■■■■■■■□ 9.5
総合【B+】 78点

ふたりぼっち

虚淵玄さんのシナリオ世界と中央東口さんのイラスト世界が見事にリンクした作品です。虚淵さんの作品は短いながらも展開がハッキリしており、一本の映画を見ているような感覚になります。エロゲというくくりの中では異質中の異質、エロシーンがあるってだけで、これはエロゲーでもギャルゲーでもないですね。

【シナリオ】
冨樫義博が愛しそうな話ですねぇ。「レベルE」の世界観にリンクしているように思えます。

事故の後遺症によってすべてのものがグロ世界に見えるようになってしまった匂坂郁紀。友人の耕司や青海、彼に思いを寄せる瑶、主治医の涼子の声も決して彼には届きません。そんな中、彼の前に唯一人間の姿をした「沙耶」という少女が現れます。狂気的な世界の中のオアシスとして彼女に傾倒していく郁紀でありますが……。

凄い話です。公式HPの紹介からは想像もできないほどの狂気。まずゲーム開始からグロ画像ですからね。中央東口さんはじめスタッフ一同がほくそ笑んでいるのが浮かんでくるようです。

もう郁紀にとっては五感で感じるもの全てが不快感極まりないもので、その中で唯一正常に見える沙耶……ということはそうですね、むしろ彼女の方が実世界においてはグログロの肉塊生物ということです。それを理解したうえで彼女を受け入れる郁紀の思いは本当に誠実なものであり、郁紀に向けられた沙耶の献身的な気持ちもやはり本物の愛です。


そんな僕らから見たら狂気的な世界に生きている郁紀と沙耶ですから、彼らは世界にふたりだけなんですね。周囲の人間の行動は決して彼らに響きませんし、逆に彼らの行動は周囲の人間を不幸にします。しかし単純に彼らを卑下することの出来ない純粋さが苦苦しくもあるわけですね。一般的にみると狂っている彼らではありますが、プレイヤーである僕らは、郁紀と沙耶に対して感情移入をして読み進めることになります。この非現実サイドを主人公視点側に持ってきたところは本作うまかったですね。


親友の耕司は、自分の生きる世界での価値観を純粋に全うします。狂ってしまった親友を救うために奔走する彼は最後まで本当にかっこよかった。そして郁紀は、彼と沙耶の世界での価値観をやはり純粋に全うします。この違う世界、価値観をお互いに全うした果ては、やはり相容れない衝突となってしまうわけですが、決して一元的な見方では括れないその展開は、読んでいて切なくさせられました。

また、物語の核心を知る、郁紀の主治医涼子の存在感が凄かったですね。知的ながらもぶっ飛んだ武闘派女性ということで、虚淵ハードボイルドシナリオが好きな方は、本作において待ってましたの存在だったのではないでしょうか。


ラストシーンは逆に超純愛です。特に病院でENDを迎える途中終了となるルート、郁紀をもとの状態に戻すことを決意する沙耶。しかしそれ即ち自分が肉塊生物である姿を郁紀に晒すことになります。だからこそ扉越しに携帯のメールを介して彼とやりとりをしようとする沙耶の健気さ、乙女心といいますか、この場面には本当に心が打たれます。

さらに最後まで読み進めていくと、涼子をどこまで話に関わらせるか否かで、郁紀が勝利するENDと耕司が勝利するENDに分岐します。前者は沙耶によって世界が侵食される展開で、普通に考えるとBAD展開ではあるのですが、純愛を貫き通した沙耶と、これから郁紀の生きていく世界がとても美しく澄んでいるためこれこそが幸せな結末なのだと思わされてしまいます。

また後者は、耕司が、結局死ぬ間際まで互いを愛し想い合いながら死んでいったふたりを目の当たりにし、何も変えることのできなかった事実に打ちひしがれながら終幕するという、非常に後味が悪いながらも秀逸な人間ドラマでした。


……というか真人間側だった瑶があまりにも救われなさすぎて、それが一番かわいそうや。彼女はただ単に郁紀に対して淡い恋心を持っていただけだというのに、そして彼のために一歩踏み出す勇気を持っただけだというのに、沙耶の手によって肉塊ブロブにされた挙句に、友人である耕司に滅多打ちにされて苦しみながら死んでしまいます。彼女ENDも作ってあげてほしかった…。

青海だって、隣に住んでいる絵描きのオッサンだって、何の罪もないのに肉塊にされたうえに喰われてしまうしなぁ。。。


【グラフィック】
さすが、入社前までモンスターと男しか描いてこなかったという中央東口さん、ここぞとばかりに凄まじいまでの仕事ぶりです(笑)。男と肉と戦闘の絵はすばらしい。このシナリオでエロゲ界を探したら中央東口さんがまさに適任だったでしょう。

予告ムービーはやばいっすね。グロとホラーが見事に調和されていて、ホラーとか特に好物でもない僕にとってはプレイする気が失せてしまいます。でもプレイしてみると、そこそこのグロさと、あとはホラー要素はほとんどなく一気に読み終わります。名作と呼ばれているだけのものは確かにありました。

沙耶が花を咲かせるCGがめちゃくちゃ気に入っていて、展開は人類にとって非常によろしくないものなんですが…実にいいんす。



【キャラクター】
殺戮ジャンゴでも思いましたが、ちょっと壊れ気味な位かっこいい女を書かせたらうまいですよね~、虚淵さんは。マッドな女医、涼子がかなりかっこいいです。

沙耶と郁紀は上記したとおり、非常に健気で純粋です。それがまったく僕らとは違う価値感だったとしても、人外だったとしても、僕らの与り知らぬところでとにかく健気で純粋なんです。特に沙耶の造形は良かったです。恋を覚えてしまった地球外生命体、人間以上のかわいさを持ちます。



【音楽】
前面に出ることもなく、シナリオを裏から支えています。ダークな描写にはノイズを利かせた緊張感を煽る重い音楽で、綺麗な場面では軽めの音でのリフレインを効果的に使った仕事をしていたかな、と。

それから歌つきの「沙耶の唄」「ガラスのくつ」ですね、「沙耶の唄」は、良い歌というほどのものではないですが非常に綺麗で透明感のある曲です。そして「ガラスのくつ」!作品に合わせてなのかな、だとしたらグッドチョイスですが不協和音的なノイズのカットインがうまいです。こちらはエロゲ主題歌にしておくにはもったいない、といっては失礼ですが、それくらいメロディといいバンドアレンジといい歌の完成度が高いです。スネアのためとギターソロがたまらんです。歌っている方も、エロゲ的な声優というかアニメ声っぽい感じではなく、ちょい低音に魅力のあるイイ声してます。


以上、沙耶の唄です。お値段的にも安く、数時間あれば終わりますので、ちょっと映画一本見る的な感覚でプレイしてみたらいかがでしょう。

実は公式HPですが、かなりオツな仕掛けがしてあります。各ページにちょいちょい現れる沙耶をクリックして追っていってください。その先には沙耶のグロ世界視点での再説明があります。これはすごかった。



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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