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【RANCE Ⅵ ~ゼス崩壊~】
RANCE Ⅵ ~ゼス崩壊~



メーカーALICE SOFT
シナリオ■■■■■■■■■□ 9.5
グラフィック■■■■■■■■■■ 10
キャラクター■■■■■■■■■■ 10
音楽■■■■■■■■ 8
埋もれない多数のキャラ■■■■■■■■■■ 10
総合【S】 94点

畳み切る壮大な風呂敷

みんな大好きランスシリーズの第6作にして、今のところ正史ものでは次作「戦国ランス」に並んで最大規模の作品です。ルドラサウム世界における大国ゼスを舞台に話が大きく展開する本作、シナリオといい中毒性の高いゲームシステムといい、アリスソフトのレベルの違いを見せつけられます。

【シナリオ】
はじめに言っておきますが、ランス"6"といえど、前作までのプレイは必要ありません。知っていると既出キャラとの因縁や関係が予備知識としてあるので深みや愛情こそ増しますが、よくわからないとかつまらなくなる、といったマイナスになるものではありません。僕自身も正史作品でプレイしたのは、このゼス崩壊が初めてだったりします。

ランス5Dの舞台玄武城から帰還したランスとシィルは、例の如く路銀稼ぎのためにゼス国での雑務をこなします。しかし魔法が使える者は優遇され、使えない者は奴隷として蔑まれているここゼス王国、魔法の使えないものの気勢は激しいランスはあれよあれよと奴隷観察市場に放り込まれてしまいます。ゼスはルドラサウム世界においてリーザス、ヘルマンと並ぶ大国ですが、世直しと称して席を空けることの多い国王、高官の世襲化が進んだことによる政治腐敗、単純な魔法の実力のみで任官されたため実務そっちのけの四天王…といった原因から一部の有識人が必死に国を保っているという状態。加えて昔から続く超差別社会に反するレジスタンス活動も活発化しています。

奴隷観察市場で日々生き延びていたランスですが、レジスタンス「アイスフレーム」の手引きもあり脱出に成功します。そのままなし崩しにレジスタンスリーダーのウルザを手篭めにし組織に入ることになったランス。影番として組織を動かしあんなことやこんなことを実現するぞ!エロい計画で頭をいっぱいにしたランスがゼス王国を相手取り、動き出します。

前半部は、アイスフレームを拠点にして、様々なイベントやダンジョン攻略をこなしていくことで少しずつストーリーをすすめていくことになります。ランス周辺のおなじみメンバーに加え、ゼス政府の面々、もうひとつの巨大レジスタンスにして破壊活動を中心とする過激組織ペンタゴン、そして暗躍する魔人勢力など、たくさんの小イベントを少しずつ拾っていき、大きなうねりへと繋げていきます。

後半になると、(ランスが原因の大半ではあるのですが)魔族エリアとの国境防御線マジノラインが動作しなくなり、魔族がゼスに侵攻してくるという非常事態、そこに更に隣国リーザスが介入してくるという、かなり壮大なストーリー展開を見せます。このあたりのダイナミックな展開はかなり引き込まれましたねー。

高位魔人のカミーラを積極的にストーリーに咬ませ、国単位ではゼスだけでなくリーザスも大きく絡み、サブタイトルにふさわしくゼス崩壊の軌跡をたどり、物語の収束とゼスの復興を描ききった本作、素晴らしいと思います。そもそもランスがいなければこんなハチャメチャな展開にはならなかったんでしょうが笑、言い換えればランスがいたからこそ、ぶっ壊した後の再生があったともいえます。

しっかし、黒幕は全部アベルトですよね。最初っから最後まで彼ひとりにひっ掻き回されていたような気がします。ウルザもパパイヤも5Dのリスナでさえも…。最後は自分の主まで裏切る始末です。


そしてゲーム性に重きを置くのもALICE SOFTの魅力のひとつ、本作も中毒性の高いRPGとなっております。ダンジョンへは、ランスを含め16人のパーティーで臨むことになり、戦闘に出られるのはそのうち前衛後衛で6人です。

アイテム、武器防具、レベル、必殺技などといったRPG特有の概念は言わずもがなありますが、加えてさらに、これがうまいところなのですが、各キャラには「行動ポイント」という戦闘に出られる上限数がありますので、各々の特性やダンジョンの深さなどを考えつつ、あーでもないこーでもないと、どうやって使っていくかを考えていくことになります。このシステムが実に面白くはまってしまう。

これだけのモノを作り上げるアリスソフトとう会社は、本当にユーザーの目線に立って楽しみながら本気で制作している会社だということをひしと感じます。こういうメーカーさんとはずっと付き合っていきたいと思いますよね。


【グラフィック】
原画家は、キャラに応じて織音さん、MIN-NARAKENさん、ちょも山さんの3人が分担しています。皆さん非常にうまいですし、数も200以上あります。登場人物も凄まじい人数ならば、立ち絵もエフェクトも十分ですし、目なしの汎用キャラの数も豊富、とさすがのアリスソフト、体力ハンパないです

ダンジョン画面はユーザー視点から見る3Dをとっています。見やすくストレスなく、むしろ快適に進めることができます。戦闘シーンはFF式といいますか、キャラと敵が向かい合っているのを横から見るタイプの定番型ですね。いかにゲームを長続きさせるかを考えるアリスソフト、イベント数の豊富さと、それらを見るためにダンジョン探索の要素を必須としたやりこみ要素も非常に巧みなもので、繰返し繰返し遊んでしまう中毒のあるゲーム性は恐ろしいものです。見事。


【キャラクター】
ランスシリーズ、鬼畜王ランス、そして他のアリスソフトゲームを通じて、時間と労力をかけて構築してきたルドラサウム世界の設定の厚みは流石の一言、その世界で生きているキャラクターたるや存在感強すぎです。それに加え、次々と現れる魅力的な新キャラたち…、キャラクター点は文句なしの10点でしょう。物凄い数の登場人物がいるにも関わらず、しっかりどいつもこいつも自分の役割を果たして埋もれる奴がいません。壮大なシナリオ展開に則って、ランスを筆頭に多くの勢力、キャラクターが縦横無尽に活躍します。

本作のランス、かなりかっこいいです。相変わらず暴君気質で突き抜けた馬鹿ではあるのですが、女子供には優しいところや天邪鬼なかわいらしさ、一本通った芯を持っているところは純粋な魅力につながります。ユーザ人気がイマイチなメインヒロイン、ランスの専属奴隷シィルもシナリオにしっかり絡みながら何だかんだランスの寵愛を受けております。

既出ヒロインの中で好きなのは、魔想志津香見当かなみ。志津香は父親の仇を討つという悲願を本作で果たします。今後ぶっ壊れた義妹のナギとどういう絡みをしていくのか気になるところですね。忍者かなみは相変わらずの雑魚キャラで、相変わらずの立場の弱さですが、今後も同様にイマイチ報われないかわいいキャラを保って出続けてほしいですね(忍者の本家が登場する次作舞台JAPANではもっと雑魚キャラ扱い…笑)。

男性キャラでは、リーザス赤の軍将軍リックとヘルマン王子パットンがいい働きをしました。リックが仲間になるのは後半ですが、メチャクチャ強いうえに技がかっこよすぎます。戦闘要員として大活躍です。そして祖国の刺客から逃れつつ奴隷観察市場で鍛錬に励んでいたパットン、以前の登場と比べて、かなり人間的な器がでかくなりましたね。戦闘時もその並外れた体力から、壁要因として大活躍です。

シリーズで以前のキャラが出てくるのは素直にテンションが上がります。これが人気シリーズものの強みですね。しかし、大悪司の調教師タマネギが出てきた時が一番テンションあがったかもしれません笑。

本作初登場のキャラでは、ダントツにウルザ・プラナアイス。もうダンチでしょう。レジスタンス「アイスフレーム」の若きリーダーです。特にダニエルの死により精神的な負い目を克服してからの彼女は最高です。ウルザ、虫使いカロリア、ゼス四天王の一角マジック、あたりがシリーズ内で今後もヒロイン格として登場してきそうですね。現にウルザ、マジックは戦国ランスでは助っ人として登場します。

でもはっきりいってですね、みんな魅力的なんですよ。ランスシリーズのキャラ造形が非常に優れていることは、プレイすればするほど実感しますよね。


【音楽】
エロゲ音楽としては異質ですが、Shade氏のゴリ押しギターロックは健在です。本作のBGMは、全体としてあまり前面に出ようとはしてこない印象ですが、ギターを使った曲はやはり残りますね。ツーバス+歪みギターが好きですねーShade氏は。「ランス6」「我が栄光」「ゼス崩壊」あたり特にかっこいいです。

OP、ED、そしてキャラクターのセリフまで、「声」というものを使わないランスシリーズですが、それでも全く物足りなさがないってのは素直に凄いことです。


以上ランスⅥでした~。これはほんっとうに面白いです。本作をプレイしたら他のランスシリーズもやってみたくなりますし、ルドラサウム世界と様々なキャラ設定を理解したくなってしまうことこの上なしです。



テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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