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エロゲ レビュー ブログ
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【キラ☆キラ】
キラ☆キラ



メーカーOVER DRIVE
シナリオ■■■■■■■■■■ 10
グラフィック■■■■■■■■■ 9
キャラクター■■■■■■■■■□ 9.5
音楽■■■■■■■■■ 9
青春の痛み■■■■■■■■■■ 10
総合【S】 94点

Never Mind the Bollocks

いやー、本当にファッキングレイトな作品でした。

名作名作言われていますが、本当に名作だと思います。青春物語の範疇を越えた深みのある展開が、登場人物たちの心の機微が、僕自身のバンド経験や青春時代と重なり合う部分も多く、ただのゲームという枠を越えて強く響いてくるものがありました。

【シナリオ】
シナリオ担当は瀬戸口廉也さん、彼はバンド経験でもあったのでしょうか。細かいバンド描写が地味にリアルです。ライブ時の控え室の状況や、出演順の妙、ステージ上の演奏者独特の感覚、ライブハウス事情、バンドマンたちの台詞などなど。さらにメイン、サブ含めて登場人物たちの心情がリアルで迫るものがあります。前作「SWAN SONG」にて、極限下の人間における内面をうまくえぐってきた彼ですが、本作も原画のタッチと前半のポップなノリに反して、青春時代の少年少女の不安定さを強くえぐってきた印象があります。

あらすじ。好調だったテニス部を辞め彼女にもふられ日々を漫然と過ごしていた主人公前島鹿之助は、幼馴染の石動千絵が部長を務める第二文芸部に誘われるままに入部します。そこには千絵の他に、バイト先の同僚で天真爛漫な勤労少女椎野きらりや、大財閥の薄弱令嬢樫原紗理奈らが部員として所属しています。ある日、ひょんなことから同級生殿谷健太の組んでいる人気インディーズバンド「STAR GENERATION」のライブを見に行くことになる鹿之助ときらり。そのライブに感動したきらりは、高校生活最後の文化祭、さらに今年度をもって廃部の決定している第二文芸部でロックバンドを組みたい旨を部員に語ります。ガールズバンドということでウケ狙いも込めて女装を余儀なくされる鹿之助と、3人の少女たち。楽器など触ったことのない彼らですが、殿谷の特訓を受け練習を重ねることで本番に思いを託します――。



青春ですね。

その後彼らはミッション系学園にあるまじきパンクスピリッツ溢れる文化祭ライブの大成功、STAR GENERATIONとの対バンを経てクチコミでの話題が広まり、つてを頼っての東名阪ツアーに出ることになります。攻略ヒロインはバンドメンバーの3人、きらり、千絵、紗理奈。人数こそ少ないですが、ひとりひとりに当てられる物語量は多く、かなり突っ込んだ内容になっていきますのでむしろ良かったんじゃないかなと思います。大阪でのライブの後、ヒロインにより向かう土地が変わるイベントが展開され、ツアー後、ヒロインひとりひとりの家庭事情をテーマにしたシナリオが描かれENDに収束、といった流れですね。東名阪ツアーまでは非常に痛快な青春バンドストーリーです。


ですが、本作ただの高校生バンドのサクセスストーリーではないところを強く評価したいです。青臭いバンドストーリーを描く作品であるように見せ、そして実際ロック活動を中心に添えた作品ではあるのですが、あくまで彼らのバンド経験は夏の花火のように刹那的なイベントとして描かれ、その後に続くはずの将来への不安や自身への葛藤、そして各ヒロインが抱える家庭事情ですね、ここに主眼が置かれるのが重要事項です。ツアー終盤から東京凱旋後は、ポップなバンドストーリーものの体から各々の現実と向き合う展開にシフトしていきます。どのヒロインも後半個別ルートのダウナー具合が凄まじく、まるで別ゲームのように雰囲気ががらりと変わります。そういった意味では後半から瀬戸口節が発揮されると考えて良いでしょう。


まず、進学校の高校三年生を対象に選んで設定したこと。高校三年生というのは非常に微妙なラインです。僕も高校から浪人をしてまで大学進学をした身ですが、本作の登場人物も千絵姉や紗理奈、鹿之助など受験が前提にあるキャラたちばかりです。高校から次のステージに行くこの一年間という期間……、受験にしても就職にしてもここの分岐点における自身の人生への影響はあまりにも大きい。大学に行かなければ出来ないこと、なれない職業は山ほどあります。就職をすることで得られる技術や保証される生活というものもあるでしょう。

まずこの1年間、そして僕のように大学進学した人間ですとその3年後あたりもかな、ある種の夢や目標と現実との狭間に翻弄される時期でもあります。もちろんやりたいこと成し遂げたいことは何歳になっても追えるものでしょう。ですが現実的に、色々なものを投げ打ち自分の人生を曲げてまでやれるものかというと、それはまた難しい。日本社会において、新卒重視の雇用形態など早期の判断を求められるのは現状事実ですし、そして一度選択した道から元の分岐点に戻ることが非常に難しいのも、これまた事実です。ほんのこの期間に決めたひとつふたつの選択がある程度の人生の指針となる可能性は非常に高く、時が経てば経つほどに選択肢の幅は狭まります。例外こそあれどそれはあくまで例外レベル、現在の日本の社会システムにおいてそういった多様な選択肢が「一般」と呼べるようになるにはだいぶ程遠い状態です。

良くも悪くも、日本で暮らしている以上、これは避けられない命題でもあります。そこは大人の言葉でいえば「現実」とでも呼ぶのでしょうか。この物語はあくまでゲームでありフィクションですが、高校生バンドというテーマとキャラデザインのポップさの割に、こういったリアリティをこれでもかというほど絡ませます。強く評価したいところです。


とはいえやはり、初心者が数カ月で地方ロックフェスに出演してしまうくらい破格に浮いた設定である彼らに対し、各地で出会うミュージシャンの卵たちに、その現実や夢の行方などを語らせる部分が巧みでした。たとえば名古屋では、バイトとその日暮らしをしながらミュージシャンを目指す屋代が、自分のさまざまなものを投げ打って今の生活を続けている告白が続きます。ここで鹿之介が「彼が捨てたものの中には取り返しのつかないものも含まれているに違いない」と想像しますが、まさにそういった現実が重くのしかかってくるのが本作の特徴です。

また、きらりルートにて福岡で野外フェスに参加する際、他の出演者が、音楽を続けて生きてゆきたい夢と実際の現実とのギャップをステージ上で高らかに叫ぶシーンがあります。「こんな楽しいことがずっと続けばいいのに」「バンド活動はいつも楽しくていつも虚しい」「無理なのはわかっているが、とりあえず信じてやってみることにしている」こういった彼らの叫びが、大人の僕たちには凄く響く。

わたくしごとですが、僕も高校、大学時代とロックバンドを組んでいて、しかも彼女たちのように破格の成功を収める形で高校時代を駆け抜け、その後の壁、そして解散という経験を通っていますので、バンドをやることの楽しさや興奮、そしてその裏にある葛藤や厳しさも理解しているつもりです。ですので、本作いちPCゲームであるというに、色々と主観的な厳しい目線で見てしまったのは確かです。

しかし、だからゆえに、上記したような彼らに降りかかる現実、夢との折り合いをしっかり描いた本作を評価したくなるのです。


さて各ヒロインルートについても言及しておきましょう。いずれもヘビーな家庭環境をお持ちです。

まずはドラマー、石動千絵ルート。大阪ライブ後、彼女の個別イベントは、兵庫、岡山へと続きます。兵庫で出会う伝説のギタリストとのくだりは鹿之助との距離を一気に縮める必須イベントでしたが、岡山の家出少女絡みのイベントは蛇足感が満載でした。

千絵ルートは、父親の浮気による家庭不和、がルートの礎となっています。年上の幼馴染ということもあり、前半は皆のお姉さんたる様相を見せる彼女ですが、個別ルート後の弱々しさと我慢強さは、声優さんの演技が光っていたこともあり、かなりの感情移入をもたらします。鬱々としつつもじわじわと暖かくなる展開をみせるルートでした。千絵を支え、幼馴染から恋人に関係を変化させていく過程も非常に丁寧に丁寧に紡がれており好感が持てます。また、最後を決してハッピーエンドにしないのが瀬戸口風味、父親との確執は乗り越えないだろうなと感じさせたまま終わりを迎えるのも良かった。

千絵も鹿之助も根っからのリアリストです。バンドはあくまで一過性のイベントごとでその後は進学と就職を、といった考えをふたりとも持っていますので、一気にサクセスストーリーから離れることになります。しかしながら、ラスト付近の卒業式をライブジャックするイベントや、物語のラストシーンなどを読んでいると、本作でもっとも爽やかでバンドものらしい終わり方をするルートですね。読後感は作中随一の爽快さです。


続いてギター、樫原紗理奈ルート。熊本の海岸告白シーンは最強のニヤニヤですね。青春っていいなあ。紗理奈の叔父の協力により、日本最南端沖縄まで歩みを進めるルートです。本州脱出をはかる唯一のルートで、沖縄での住み込みをしつつのバイト生活、米軍キャンプでのライブイベントなど、旅と青春具合が一番出ていたかと思います。

夏休み後は、破天荒な東名阪ツアーに怒り心頭の祖父が、虚弱体質を理由に彼女を長野の本邸に連れ戻してしまいます。それをなんとか連れだそうと画策する鹿之助、という見た目的にはよくあるお嬢様ヒロインルートの体ですね。しかしながら、努力で主人公もヒロインにふさわしい立場になっていく、というのが呼応する王道パターンですが、決してそこまでは描きません。不幸を遂げてしまった紗理奈の両親と祖父との確執を受け止めた上で、叔父や家政婦の協力を得て説得に望む展開までは良かったですが、実は鹿之助自体がそういう大きな理想を体現していくようなキャラではありませんし、そこで大きな展開を見せてしまったら、やはり違和感が残ります。意地悪な言い方をすれば、「で、結局解決すんの?」といったラストですが、その先を残す締め方は個人的には嫌いではありません。


そして満を持しての椎野きらりルート。彼女は第二文芸部バンドの顔であり、天才ボーカリストとしての側面を持ちます。よって個別イベントではツアーの集大成として、福岡にてインディーズ野外ロックフェスへの出演を果たします。このステージでの文章描写は非常にリアルで鳥肌が立ちました。大好きなシーンです。

夏休み後、きらりは父親の借金から進学を諦め水商売を余儀なくされるのですが、その泥沼に身を投じる直前でテキスト分岐、どちらも後味の悪い回避の仕方をします。片方は、自身の死亡、もう片方は原因である父親の死亡、です。

そしてこのきらり死亡ENDが思いのほか良ルートでした。正直一番心に残るルートだったように思えます。通常は、ヒロインがあのタイミングで死んでしまった場合そこでBAD END直行ですが、本作はきらりの死後5年後の彼らにチャプターまるまるひとつ当てられるほどのボリュームが残っています。そしてここの描写が非常に切なかった。きらびやかだった高校時代の第二文芸部バンドとは実に対照的で、バイトとライブ三昧の貧乏生活を続けながら漫然とバンドを続けているというその対比、また高校時代に各地で出会ったなかなか目の出ないバンドたちと同じ側に身を置いているリアルさが非常に巧みでした。当然千絵姉やカッシー、妹なども一般社会人としての生活に入っており、その彼女たちとの対比も丁寧に描かれていました。鹿之助はずっと「普通の人並みの生活」を望んでいた少年ですので、きらりを失い、そのままバンドを続けている彼のこの生活はとても痛々しく、切ないものがあります。最後、バンドをやめて社会人生活に進むかと思いましたが、ラスト、きらりへの未練を断ち切り、心新たにバンド活動を始めるくだりも胸を締め付けるものがありました。また、村上や、大阪で出会った少女と共にバンドをやっている展開もいいじゃないですか。

一方、もう片方の正規ENDも、きらりの父親は結局鬱の呪縛から解き放たれることなく自殺をしてしまいます。頑張っていればいつか家族が幸せに暮らせることを望んだ完全無欠のハッピーは彼女には与えられないんですね。とてもビターです。鹿之助が、きらりの父親を見殺しにしてしまったという事実をきらりに向けて懺悔するシーン、それを受け止め、歌で日本中の人々を救う決意をするきらり、この展開は文句ナシです。スワンソングにどこか共通する、「心の闇」から「救い」へと転じようとする展開は瀬戸口さんのひとつのテーマなんでしょうね。

本ルートは唯一、第二文芸部バンドからプロミュージシャンが出るルートですね。このルートのみでしかも一名だけ、現実路線をひた走る「キラ☆キラ」です。しかし、他ヒロインルートだと、きらりは水商売に手を染めていってしまうということでしょうか…。。orz


長くなりました。
いまどき珍しいノベル形式のゲームですが、ここまでの高い評価を与えたくなるのは純粋に文章から訴えかけてくる力があるからですね。

ロックンロール!!


【グラフィック】
原画は片倉真二さん、GROOVER時代からの絵師さんですね。一見してで彼の絵だとわかる、丸みがありポップな特徴ある絵柄です。勢いのある前半部はよく合っていますが、鬱々とした後半部は逆に痛々しいですね。個人的には好きな類の絵師さんですが。

そして背景の多さには驚嘆。他のメーカーさん、これは見習って欲しいですよ。3ヒロインルート合計して10ヵ所にもまたがる日本各地の土地風景は勿論使い回しをせず各々の土地を描いていますし、1シーンにしか使われないような背景も多数あり、そのこだわりようは賞賛に値します。


【キャラクター】
上記しましたが、人間模様を描かせたら一級品ですので、それ即ちキャラクターの造形がうまいということですね。特に3ヒロインと主人公のバランス感はうまいもので、前述の通り会話ウインドウが下に開く最近のエロゲ形式ではなく、画面全体を文章が覆う地の文の多いノベル形式だというのに、日常シーンのバンドメンバーの会話テンポの良さは非常に心地よいものがありました。

主人公は、ちょっと大人すぎたかな。あそこまで色々なものを首尾よく諦められる高校生というのも少し抵抗ありますが、それも母親の連れ子という彼の出自設定で補完してうまく逃げたなといった感じ。前半はそうでもないのですが、後半は年不相応の生き方を学んでしまった少し歪んだ少年として描かれます。

また、主人公の親友である村上の存在も大きかったですね。見た目はギャグキャラで、ギャグシーンの要であるのも確かですが、真剣なシーン、感動のシーンにも絡んでくる彼はとてもいい働きをしていました。


声優陣の仕事ぶりはいずれも見事なもので、どの声も非常にキャラによく合っています。配役が発表されていないのですが、特に千絵姉の声優さんはかなりのハマリ役であるとともに、弱々しい状態の彼女の心の機微を非常にうまく表せていたように思えました。


【音楽】
バンドものであることを考慮しても、ボーカル曲10曲は見事です。ただ、クラッシュやピストルズといった70年代英国発祥のパンクムーブメントをテーマにしたり、チャックベリーなどのR&R創始者に言及してる割には、楽曲が鬼のJ-POPなのはまぁご愛嬌でしょう。弱々しい独白を精一杯叫んでツービートに持っていけばOK的な、10年位前のインディーズシーンで盛り上がった、いわゆる「青春パンク」的楽曲ばかりだったのが個人的には苦笑いしてしまう部分でした。ま、でもそこはしょうがないかな、美少女ゲームだし。そこに口を出すのは野暮ってなものでしょう。ボーカル曲の圧倒的な多さ、生楽器を利用した楽曲群、歌を効果的にシナリオ展開に盛り込んだ演出…と、本作に音楽要素が非常に貢献していたのは確かです。


以上、キラ☆キラでした。
本作、18禁ゲームですが、正直なところ18歳以下にやってもらいたいです。瀬戸口さんら大人がかつて思い描き、そしてぶちあたった大人の世界、現実の世界への壁、しかしながら確実に存在する可能性を秘めた青春を描く傑作です。

関連レビュー: キラ☆キラ カーテンコール



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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