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エロゲ レビュー ブログ
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【家族計画】
家族計画



メーカーD.O.
シナリオ■■■■■■■■■■ 10
グラフィック■■■■■■■□ 7.5
キャラクター■■■■■■■■■■ 10
音楽■■■■■■■■■ 9
繋がり■■■■■■■■■■ 10
総合【S】 94点

小さな幸せと大きな感動

どこのゴム製品のキャッチコピーかと誤認しそうなタイトルですが、内容は温かみに溢れたヒューマンドラマです。お互いが他人同士だからこそ浮き彫りになる人の絆、愛情、優しさ……、何を言っても所詮はエロゲではありますが、されども他人への優しさを学ぶには十分に足る内容を備えたゲームだと本気で思います。

【シナリオ】
シナリオのクレジットは山田一さんですが、これは鬼才・田中ロミオさんの別名であるのは有名な話ですね。個人的には彼の最高傑作だと思っています。

家族の温もりに恵まれず、必要以上に他人と交わることのないように生きてきた主人公、沢村司。ある晩、いつものように新宿歌舞伎町の中華料理屋でアルバイトをしていると、路地裏で行き倒れた少女に出会います。母親を探し中国から密航してきたという彼女の名は王春花。何者かに追われる彼女をかくまい共同生活を送ることになる司と春花ですが、そんな彼らの目の前に突然現れたのは、広田寛と名乗る債権者から逃げ回る自称・元敏腕企業戦士。やがて巻き込まれたトラブルにより、家を失った3人は、引き寄せられるように集まったドロップアウトの不幸者たちと行動を共にするようになります。そして7人にまで膨れ上がった彼らを前にし寛がした提案は……

相互扶助計画、「家族計画」――。

各々の価値観が違うことを容認し、「家族」を擬似的に形成することで共に補い合って生き抜こう、というもの。ある者は積極的に、またある者は仕方無しに、互いの利益のために計画を受け入れる面々。前途多難な彼らの家族計画に明るい未来は訪れるのでしょうか。


とまあこんな感じの導入ですが、先のことを想像するだけで名作の予感がしますね。この導入部で、末女となる茉莉が、司のことを「お兄さん」と呼び、身体を張って計画への参加を説得するシーンがあるのですが、すでにホロリときてしまいました。

さて、この家族計画、『高屋敷家』のメンバーは、ホームレス中学生(笑)に始まり、自殺志願の未亡人や、犯罪に手を染め続ける同級生、生活能力ゼロの絶縁された社長令嬢、そして上記した密航中国人、借金まみれのオッサンと、社会落伍者ばかりです。主人公が唯一、やや排他的ではあるものの真っ当に生活しているといって良い。当然この計画、最終的に破綻するのが目に見えているわけですが、そこに至らせるまでの日常の描き方や、主人公である司の心の変化が素晴らしく丁寧です。さすが、「加奈」での兄妹心理を巧みに描いた人だなあと思います。

僕はふたつ、あまりにも巧いなあと思ったシナリオ要素があります。

ひとつ、雰囲気作りの巧さ。日常シーンにおける、寛を筆頭とした笑いを担当するキャラクターたちの立ち居振る舞いが雰囲気をまったく暗いものにさせません。ダークな各々境遇とのその対比はよく際立っており、だからこそ各個別ルート前に必ず入る、寛の家族計画終了の宣言や茉莉の家出をはじめとする真面目なシーンが切ないくらいに生きてきます。もともと、各々が抱える事情はひどくディープなものですので、シリアスモードはかなり痛々しい展開を見せるのですが、序盤~中盤の家族計画がとても心地良く作用するため、その後半展開がより深みを増すんですよね。

もうひとつ、生まれてはじめて「家族」というものに触れ、本人も知らずのうちにその温もりに感化されていってしまう司の心情変化が非常に巧い。彼は、ひどく現実的で周囲に排他的ではありますが、それは環境がそうさせていただけで、彼の本質的な人間像は正義感がありお人好し、なんですね。物語の進行に併せていつのまにか人一倍に高屋敷家に思い入れを持ってしまう彼が、口では文句を言いながらも「家族」のために奔走し、また個別ルートでヒロインを大きく包みこむ姿勢は読み手を強く惹きつけます。この手のゲームの主人公の中ではトップクラスの魅力を放つ主人公だったと思います。

共通ルートでの、上記した家族計画終了の宣言シーンでの司なんて最高に切なく、そして熱いですよ。共通パート最大の山場にして名シーンだと思います。

個別ルートで一番優れていたと思ったのは青葉ルートでした。両親と絶縁した彼女の精神の拠り所は、「祖父と楽しく過ごした想い出」これ一点のみ。本作の舞台となる高屋敷家も祖父の遺産です。このルートは話の伏線が二度ひっくり返るところが本当に凄い。祖父との想い出の品を探し続ける青葉ですが、実は祖父にも避けられていた、という事実を司が発見してしまう展開、そして孫同様にただの表現ベタだった祖父が彼なりの愛し方を青葉に注いでいたことがわかる最後のドンデン返し、ライターの類まれなる力量を見せつけられるシナリオです。

そして一般的に最も「泣く」と言われているシナリオで、そのラストシーンが殿堂入りの準ルート。司との過去に伏線を持つ準、彼女のひとつひとつの行動や食事を摂れない背景など実に痛々しく、また、孤児院の存続という譲れない理由があるにせよ、薬物の横流し、使用、仲間の金の横領はあまりにもガチすぎる犯罪行為ですので、後味はそんなに良くないというのが正直なところでした。本編が中途半端に終わりエンドロールが始まったときは「え、これがあの高名な準ルート!?」と思ったものですが、エピローグに爆弾を抱えているとは恐れ入りました。「足長お姉さん」と「オムライス」のくだりは問答無用の泣きでしょう。

と、青葉、準ルートが2大人気シナリオなのかなぁとは思うのですが、個人的に一番好きなのは春花ルートです。この家族計画は、どのルートでも麻薬犯罪や暴力団抗争が裏で走っている気配が見えますが、そのバックグラウンドを説明する大きな伏線回収ルートが彼女のルートになります。

母親を探すために密航してきている春花。母親には会えるのですが、当の母親は春花に対する記憶を封印しています。その理由といったら、中国留学中に強姦され生まれてきたのが春花というあまりにも救われない内容。記憶を閉ざしてしまっている母親から、彼女は自分が望まれて生まれてきた子ではなかったことを悟るのですね。そして、現在の母親とその家族のために自分の感情を犠牲にする、そのあまりにも健気すぎる姿勢、もう涙が止まりまへんでした。あーゆー健気な悲劇はわたくし、弱いです。素性を隠したまま母親に手料理をふるまい、司のナイスアシストにより按摩をしてあげる場面なんてヤバすぎでしょう……。また、異父姉妹となる由利が理由のわからない涙を流すシーンも追い打ちでした。エピローグで最も温かい気分になるのも春花ルートですよね。ラストの一枚絵はクソやばいです。

そして数多のロリコン製造ルートと呼ばれる茉莉ルート。虐待の扱いを受けている親戚一家を飛び出してホームレスしている彼女ですので、年齢が多感な時期なこともあり、最も家族計画に思い入れを見せる茉莉です。その環境のため、うじうじと卑屈なことに加えあまりにも幸が薄く、是非とも幸せにしてあげたい彼女のルートですが、お兄さんとして、そして後半は恋人として彼女の将来を思い奔走する司がめちゃくちゃかっこよいです。最も下っ端である彼女を劣悪環境から救うために、皆が力を貸すために動くシーンも胸が熱くなりました。

最後にお母さん役である、真純ルート。お母さん役といっては可哀想な若さですが。依存度が高く男に騙されやすい三十路という、コメントを差し控えたくなるような設定の彼女。案の定、結婚詐欺師の元彼が最後まで話にからんできますね。正直全体の中ではシンプルなルートではありますが、それでも高屋敷家放火の際に自分の身を挺して司を助けようとする真純や、逆にその後ふたりの生活でみせる司の甲斐甲斐しさなどの無償の愛といいますか…綺麗なルートだったと思います。

以上シナリオ雑感ですね。陰りの中にある光明、作中は各々不幸な境遇ながらも、全ルートハッピーエンドに落としこまれるのはとても心地良いです。春花ルートは作中背景が全て描かれると共に最も美しく感動的に締まるので、是非ぜひ最後にプレイしてください。


【グラフィック】
システムまわりは、まあ昔のゲームですのでしょうがないといっちゃしょうがないですが、同時期に「君が望む永遠」なんかがあることを考えると、ちょっとシンプルさは否めませんかね。

原画担当は福永ユミさん。特徴のある少女漫画的な画風の方ですね。なんとなくバランスが安定しないこともあり正直あまり好みではないのですが、このレビューを書くにあたって彼女のウェブサイトをのぞいてみたら、画風がだいぶ変わっていて(とても良い方向にです)少し驚きました。めっちゃうまくなってるですやん。

【キャラクター】
基本的には変な人ばっかりです笑。一番まともな思考をしているのは主人公の沢村司でしょう。上記したとおり本当は人間味があり熱い男である彼、田中ロミオさんの描く物語の主人公は概ねかっこいいですが、その中でも随一にかっこいいキャラだと思います。

奇人キャラを担当する父親の高屋敷寛、そして司のバイト先の店長代理にして多国籍マフィアのリーダー劉さん、このふたりがとてもいいです。ギャグ面を一手に引き受けるくせに、時にシリアスシーンでも要となる彼らの存在感といったら。「クロスチャンネル」の桜庭といい、「ユメミルクスリ」のエロゲイといい、田中ロミオさんはこの手のキャラを描くのがとてもうまい。中盤から後半にかけての寛、そして春花ルートでの劉さんは必見です。

ヒロインたちもしっかりキャラが立っています。悪い意味でなく、とてもクセのある面々ですね。むしろサブキャラの、準の双子の妹である景、劉さんの妹の楓なんかのほうが、クセのないよく出来たいい娘たちです。現実に付き合うならこの子たちのほうが良いでしょう笑。

ちなみに本作、当初はボイス無しだったのですが、後に限定で再販された『絆箱』には各声優によりボイスが当てられています。そして僕がプレイしたのは、絆箱。声優陣は他に無いだろうってくらいに全員はまっています。そして寛役の若本規夫さんの怪演があまりにも光ります。

【音楽】
OP、 EDともに超良曲。特にOPは、イントロ、サビともにとても耳に残り、いまだにベスト曲と豪語する人も少なくありません。I'veさんいい仕事してます。 BGMはごくごく普通で古めかしい感じ。まあ年季のある古い純和風邸宅である高屋敷家にマッチしていたといやそうですかね。


以上、家族計画です。現実のビターさを持って描かれる他人同士の絆。田中ロミオさんの真骨頂です。古い作品ですが、是非是非プレイしてください!



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

コメント
コメント
家計は神
mixiからです。家計は神ですね。家族の形態がなんであろうと家族愛が生まれる事を上手く描かれた作品だと思いました
2010/10/13(水) 23:38:37 | URL | なぎゅ #SFo5/nok [ 編集 ]
>>なぎゅ
どうもありがとうございます。

まさにおっしゃるとおりですよね。家族の絆をあそこまで丁寧に描いた作品を他に知りません。
2010/10/14(木) 08:06:36 | URL | e-pro #- [ 編集 ]
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