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【グリーングリーン】
グリーングリーン



メーカーGROOVER
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■ 7
キャラクター■■■■■■■□ 7.5
音楽■■■■■■■□ 7.5
ギャップ■■■■■■■■■ 9
総合【B+】 76点

晴れのち爆烈雷雨

2001年発売、GROOVERからの人気ラブコメシリーズ、通称「グリグリ」の第一作ですね。一応言っておくと、GROOVERは、「キラ☆キラ」のOVERDRIVEの前身となる会社ですね。キャラクターもシナリオもテンポも非常に軽快で、このシリーズならではのノリを持っています。

【シナリオ】
最寄り駅まで3時間、山奥に隔離されているといっても過言ではない全寮制の男子校「鐘ノ音学園」。多感な時期に山奥に押しやられている彼らですが、翌年の共学化に向けて試験的に1ヶ月の間女子生徒が編入してくることにより、その抑えがたき衝動が爆発します。夏休みまでの青春まっただ中の1ヶ月で彼らは彼女たちと仲良くなることが出来るのでしょうか。


と、普通この手のゲームは「主人公対ヒロイン勢」といった構図になるものですが、グリグリは「主人公勢対ヒロイン勢」という、「多対多」の構図にこだわるんですね。あ、いやもちろん他男キャラとヒロインがくっつくって意味じゃないですよ。

青春ものとして、この設定はひとつの正解の選択ですね。一番異性のことを学ぶべき時期に山奥の全寮制男子校に押し込まれた獣じみた野郎どもが、女の子たちと触れることで淡い恋愛を学んでいくのがとても微笑ましいです。各ヒロインとの恋愛の過程でも、必ず友人たちの行動や助言により主人公が動く決意をするところが特徴的です。

この主人公の友人として登場する、バッチグー、一番星、天神の思春期丸出しの三馬鹿。こいつらが日常パートで物語にグイグイ絡んできますのでそれを良しとするかどうかで作品の印象は変わりそうですね。

各シナリオそう長くはないながらも、ドタバタ劇の合間合間にしっかりヒロインたちと主人公が互いを意識しだすきっかけとなるような事件や行為がいいタイミングで挟まれて、無理なく期間内で気持ちが落ち合っていく過程が描けていると思います。このあたりのバランス感もグリグリファンの心をつかむところでもあるのでしょう。



さて、男性陣側が救いようのない馬鹿ばかり(笑)ということもありコメディを地でいくシナリオですが、ヒロインが抱える各々の考え方や負の事情がこの作品をただのコメディ作品では終わらせないスパイスとなります。どのヒロインルートも、エンディングが「ヒロインによる別れ」にちなんだものであり、ひと夏の恋といいますか、全ルートどこか切なさを残す閉じ方をするところがこの作品の魅力なんでしょうね。これだけアップテンポな作風でありながら、あぁこれはこの後ストレートに結ばれるんだな、というエピローグを持つヒロインが5人中たった1人しかいない、というのも特徴的です。

その上記唯一である同級生の双葉ルートと、それから校医の千種先生ルートはかなりあっさりしていて王道な展開をなぞるルートですので、訴えかけてくるものも正直そう強くは無かったかな。双葉は、クールにツンケンしていて素直になれないキャラクター造形のバランス感がとても好印象で、シナリオは互いの思いがすれ違う定番ストーリーですね。千種先生ルートはゲリラ的に恋愛推奨する放送を流す「グリーングリーン」の正体が彼女という設定をイマイチ生かし切れずさっくり終わった印象です。読めますしね。まあ、大人と学生の恋愛、という図式に則ったやはり王道展開です。


僕は千種先生、双葉、と先にルート消化したので、「グリグリは評判いいけどまぁひと世代前の作品だしこんなもんでしょ実際」と思ったものですが、そのあとに控えていた、正体が植物の式神である若葉ルート、想い人祐介に未来から会いに来たみどりルート、病による死を目前にして最後の学生生活のために編入してくる早苗ルートは、確かに切なさと重さを併せもつ、グリグリを印象的な作品たらしめるシナリオ群でした。

この3ルートに関しては、彼女たちがそのまま結ばれるような存在ではなく、ハッピーエンドにつながらないという意味で非常に切ない。若葉はそもそも人間ではありませんし、早苗は死んでしまいます。まぁみどりはまた未来での数年の時を経てみたび主人公に会いに来るところでENDですのでハッピーエンドに繋がる余地はあるのかもしれませんが、少なくとも彼女の気の長い思いと努力がすぐには報われない切なさがあります。全体的なボリュームはそうありませんが、 その儚さに彩られた展開、どうしようもない現実に思い悩み努力する主人公、とシナリオの出来は非常に良いです。


特に早苗ルートに関しては図抜けていますので、最後にプレイしないと非常にまずいことになりますよ。病弱でいつもおとなしくしている彼女、中盤あたりから日常シーンを通して彼女の可愛さをグイグイ高めつつ、後半は死を見据えた悲劇の展開ですからね。

死にゆく彼女を背負い星を観に行くシーンは涙なしには語れない屈指の名シーンですね……。セピア色の回想シーン、紡げない言葉の数々、崩れ落ちる腕のアニメーションなど、演出も随一。星は見れないわ死んでしまうわで早苗ルートのENDはあまりにも救われないためファンの間でも賛否両論で、「美しく綺麗に見せたバッドエンド」といって良いかと。

また、エピローグで祐介のもとに死の直前に打った予約メールが届くというのも切なすぎます。その内容も、祐介との出会いに感謝し、想いを告げ、未来に希望を託す内容。当時のPHSですのでそれがカタカナってのがまた雰囲気出ているんですよね。


ソレデハ マタ アエルト イイネ

とか、ホント勘弁してくださいよ……。



うぅぅ。
これ、祐介は絶対前に進めませんよね……。



次いで若葉ルート、上記した通り彼女は人間ではなく、双葉の契約のもと作られたサボテンの式神です。そんな彼女が祐介を意識しだしていく過程は非常に可愛らしかったですが、最終的に瀕死の祐介を救うために己の精を犠牲にして植物に戻り枯れてしまう展開はやはり切ないものがありました。

みどりルートも時を経た純愛というテーマが好印象です。幼い頃この時代で触れ合った祐介への思いを胸に10年の時を経て未来から再会しに来るという彼女の思いの強さを描くシナリオでした。祐介の部屋にある日転がり込んでくる過去の幼少時のみどりと、祐介、そして現在のみどりが同居しながら物語が進むのがちょっと変わった設定ですよね。

とても切ないこの3ルート、安易な奇跡を描かなかったのは読み手としては苦しくもありますが、シナリオとしてはとても良かった選択でもあると思っています。

ただ、そうは言っても、ですね。早苗に関しては、安易な奇跡でも何でもいいので、シナリオが安っぽくなってしまってもそれでもいいので、とにかく、本当に、救われてほしかった。そう思います。


……それにしても一体どこが「学園ラブコメの決定版」なのでしょう笑。どのルートも憂い要素が印象にあり、むしろ早苗ルートはド級の鬱展開が用意されているものですから、超コメディ路線の日常描写と各ルートのエンディング付近の苦味との落差は一体何なのでしょう。音楽やノリのポップさからすると双葉ルートが一番グリーングリーンっぽいんですけどね。なんとも不思議な作品です。

全体的にはフットワーク重視で、テキスト量など厚みもそこまで無いのですが、こういったギャップの展開と、早苗ルートのラスト近辺が秀逸でしたので、おまけの8点です。



【グラフィック】
原画担当は片倉真二さん。躍動感のあるセルアニメ調の原画スタイルで、一目見て片倉さんだとわかる絵柄です。ただ、今となっては非常に魅力的な構図絵を描く方ですが、まだこのころは画力が全く安定していませんね。パッケージをはじめとした女の子の表情をメインで描く絵は良いのですが、シナリオと連動して多くのキャラを登場させる「バランス勝負」となる一枚絵が多いため、発展途上さが目立ってしまっています。


【キャラクター】
主人公高崎祐介は全般的には可もなく不可もなくの鈍感タイプですが、ここぞというヒロインとの山場では男を見せます。そして、友人である3バカが主人公のまわりでいい味を出していることに加え、彼らの手綱役が主人公という構図がありますので、良い主人公像の印象がありますね。双葉ルートの彼はちょっとあまりにも独りよがりすぎてイマイチですが、若葉ルートと早苗ルートはかなり男らしかった。シナリオに連動して男の株が上げ下げされていた印象です。

悪友3人の中では一番星が好きだったかな。キザで阿呆な立ち回りをする彼ですが、3人の中では最も理性を効かせられるタイプで、主人公の状況を一番察して助言をくれる役回りでした。ルームメイトの天神は、一日の朝と晩に披露される小みどりを交えた謎の漫才が面白かったですね。直情型ゆえの熱さも良かったです。そして4人のリーダーにして一番の変態株であるバッチグーは、何をしてもオチ役にされるおいしいキャラでした。特に、不細工な女生徒と恋に落ちてしまう過程はかわいそうとすら思えましたが、彼女の魅力に向きあう決意をするシーンはそれはそれで熱く、困ったもんです笑。ただまぁ一番星、天神はいいんですが、バッチグーはキモさというかヤバさの方が前面に出てしまっていてちっと敬遠してしまう感じではありました。他、クラスメイトの毒ガスや総長など奇人変人に彩られた独特のノリは作品ならではですね。


ヒロイン勢では、個人的には圧倒的に双葉が好きです。素直に気持ちを表現できない、かなり質の高いツンデレ。ですが、シナリオと連動してしまうと、早苗、若葉あたりにどうしても感情移入してしまいますね。見た目は千種先生なんだけどな。

早苗は他ヒロインルートだと埋もれてしまってパッとしないのですが、彼女のルート上ですとその健気さが非常に染み入る良ヒロインです。それだけに報われないシナリオは切ないですね涙。若葉はなんといっても、人間として恋愛する心を得ていく彼女がとても丁寧に描かれていたのが良かった。最初の印象は最も低いながらもルートを通してグイグイ可愛さをあげていくヒロインです。みどりは痛いところもありますが、小みどりとの絡みも含めてキャラが掘り下げられているのが好印象ですね。


【音楽】
このブランドの特長ですが、音楽に力をいれています。OP「グリーン・グリーン」はタイトルを冠しているようにドタバタラブコメを彷彿とさせるアップテンポな良曲。EDはなんと各ヒロインごとに個別曲があります。メロディ、アレンジ的には早苗テーマの「星空」が抜けていますね。全体的に元気な曲ばかりな中、彼女にあてられた曲がバラードというのが切ないですね。

BGMは、盛り上がりでかかる「OVER DRIVE」は青春爆走といった趣き。それから何気にピアノの良曲が多いのが印象的で、涙を誘う場面に染み入る「ありがとう、そしてさようなら」、悲しげな入りを持つ「サンセット・サンライズ」あたりが特に良かったですかね。



てなわけでグリグリです。
システム的にも絵的にもシナリオ量的にも、まぁ古い作品ではありますけどね。ですがファンを惹きつけていまだ名作とされるだけのパワーが確かにこの作品にはあります。

関連レビュー: グリーングリーン2 ~恋のスペシャルサマー~
関連レビュー: グリーングリーン3 ~ハローグッバイ~



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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