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【さかあがりハリケーン】
さかあがりハリケーン



メーカー戯画
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■■■□ 9.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■□ 7.5
丸戸風味■■■■■ 5
総合【A】 81点

日常とは斯くあるもの

いや、個人的にはなかなかツボでした。“個人的に”という言葉を使ったのは、どうやら「期待しすぎた」というのが大方の評価のようだからですね。まぁそれもわかります。戯画+ねこにゃん+学園モノというと、どうしても超名作「この青空に約束を―」を想起してしまいますし、それと同等の雰囲気は事前情報からも満載でした。むしろそれ以上の期待感が持てる設定だったといってもいい。実際、ねこにゃんさんの画力はこんにゃくをはるかに上回る魅力を放っていましたし、テキスト自体もかなり丸戸さんの書き方を意識していると感じました。「~なわけで。」とかね。


【シナリオ】
……とまぁそういわけですがこの作品は、木緒なちさんが描く、普通の生活をベースにした普通の学生たちによるごくごく普通の物語です。「この青空に約束を―」のように、これでもかというほどの温かい泣きと、それを為す際の熱さが際立つシナリオ展開ではありません。もっとライトで普通です。シナリオも短めです。そこが多くのユーザー的には肩透かしだったのかもしれません。これだけの材料が揃っているのですからもっと“狙って”ほしかったのでしょう。


ただ、僕はこの作品かなり好きです。

まずひとつ、なんといっても雰囲気が抜群です。ほどよく都会でほどよく田舎、そこにいるのはごくごく普通の高校生と、地元に根ざした市民たち。「学校を楽しくしよう」「学園初の文化祭を開こう」という無理のない高校生らしいテーマに則って、ストーリーは爽やかに進んでいきます。

駅前がそのまま作中背景に出てきた聖蹟桜ヶ丘と、奈都希ルートでみなとみらいが出てきていたので保土ヶ谷あたりもかな? つまり坂の多い多摩丘陵の住宅地を舞台にしているわけですが、この東京近郊の住宅街というあまりにも現実感溢れる舞台が、日常的な高校生活という作風に実にマッチしています。


もうひとつ、日常的な気だるい描写というものが好きです。わたくしごとですが、僕は派手で心躍るハリウッド映画よりも、静かで台詞の間(ま)を持たせるような日本美的な邦画の方が好きです。どちらが映画として優れているかはまた別の話ですが、つまり僕は、「普通」であることのリアリティ、こういった要素は個人的にツボなのです。ゆえに、特に非現実的な事件が起こるわけでもなく、超人的なキャラがいるわけでもない、主人公たちが等身大の生活を送るだけのこのテキスト、実にツボでした。"普通だ"とはいっても、木緒さんのシナリオはテンポよく読ませる力を持っていますし、キャラも皆魅力的でしたので、だれることもなくおもしろおかしくサクサク進んでいきます。


何かと比較されてしまった対丸戸作品、確かに「この青空に約束を―」のライター丸戸史明さんは、その「現実的」という制限内で大きな感動を描く技術に長けています。でもゆえに、なんとなく普通のまま終わるべくして終わる「普通」、ちょっとわかりにくいですが、そういった"小さくまとまるリアリティ"にはやや欠けるのだと思います。

皆でがんばっているのは、現実の自分たちでも出来るレベルの当たり前のこと。現実の高校生活に見合った出来事や人々。ゆったりと穏やかに流れていく時間。その高校生特有の気だるい生活観をそのまま使うことは、大きな事件や感情の起伏が求められがちなこの手のゲームにはそぐわないかもしれません。が、それで良かったと思います、さかハリです。


さてさて、最もシナリオ的に優れていたのは奈都希ルートだと思います。奈都希にばかり焦点が当たるのではなく、絶妙なバランスですべての登場人物が生きている部分が好感度大、親世代がなしえなかった夢を子供の世代で果たすという題材も非常に温かかった。学園祭オープニングイベントを飾る主人公巧と奈都希の二重奏、母親との確執ですっかりコンディション最悪の奈都希……。案の定ミスによりくじけそうな時に母親が登場という狙いすました感満載の展開も、わかっていながらもホロリときてしまいます。

触れておきたい部分として、さかハリでは主人公たちの親世代がストーリーに深く食い込んできていました。彼らは学生時代、同じように学園祭を開こうとして大人の事情から失敗に終わったというトラウマを抱えています。そのトラウマに固執する奈都希の母親と、それを克服し子供たちの背中を押してやりたい巧やヤスの父親たちの和解が奈都希ルートでは重要テーマとなってきます。ハルルートでの妊娠騒動における、巧の父親やハルの保護者である校長の包容力なども欠かせない要素でした。地域社会の苦悩や親の責任などもテーマとして文化祭に組み込んだり、この手のゲームではあまりクローズされることのない親世代のマストぶりは、コレコレ!コレだよ!と思わせる設定でした。

一番好きなのはそのハルルートです。敢えて利用した「妊娠」という禁じ手とも言うべきテーマをもとに、友達、親の協力を得つつ"家族"を作っていく大団円的なシナリオは、ラストにプレイするのがふさわしいですね。最後の擬似結婚式での巧の挨拶と、ハルと吟次の涙にはこちらもグッときてしまいました。ちょっと無鉄砲やなぁ~と思うところも高校生っぽくていんじゃないすかね。思い込んだらまっしぐらだからなぁ、この年代は(遠い目)

あ、あと涼ルートの「夜の卒業式」、これ凄くいい発想ですね~。花束贈呈が花火とか最高に心に残るじゃないですか。彼女のルートはゆかりルートと対になっていますが、こっちですべてが語られますし、ゆかりも涼ルートの方がいい働きをします。ルート前半で涼がゆかりに投げかける言葉をそのままゆかりが涼に返すシーンは泣きです。テーマは過去との決着ですかね。これもまた暖かいハッピーエンドです。

…と、まぁ木緒さん結構好きなので基本的に褒めてばかりいますが、やはり個別ルートの薄さは否めません。正直、学園祭開催決定までの共通パートが一番おもしろい共通ルートでは皆で盛り上がっている雰囲気がよく出ていたものの、個別ルートでは、「ん? 何この急展開」と、シナリオの短さゆえに、二人が過ごしているはずの時間や仲間たちとのコミュニケーションが薄く見えてしまう場面も正直それなりにありました。

推奨順は、奈都希⇒涼⇒ゆかり⇒ゆじゅでじゅ⇒ハル これでガチ!
特にゆかりルートより涼ルートを先にやっておかないと、ゆかりルートは何が何だか……?になってしまいますよ。


【グラフィック】
ねこにゃん無敵。いいですねーこの人の絵は。パルフェ、こんにゃく時代よりもさらにうまくなっています。キャラグラは、僕が今までやったねこにゃんゲーの中でもトップクラスですね。めちゃくちゃかわいいし表情も魅力的、すばらしっすね。

そして、背景!背景凄すぎるんですけど。淡い色調で文句なしに綺麗なうえに非常に緻密で、更にその豊富さも満点です。このシーンだけのためにこれほどの背景CGを!という場面も多々ありで、驚嘆を隠せません。背景の閲覧メニューを作ってほしいほどです
メニュー画面でも使われている坂の上から街を見下ろす景色ですが、思えば戯画HPでさかハリが発表された時もこの背景画が使われていました。「振り返っても"元気"になる―」という文言、奈都希グラフィック、そしてこの背景。衝撃を受けたものです。

いやもう、本当にグラフィック関連は非のつけどころのまったく無い文句なしの出来!文句なし10点!! ……と言いたいのですが、一枚絵CG数が少ない、あまりにも少なすぎる。もうちょっと何とかならなかったのかなぁ、とは思うものの、まぁ逆に立ち絵とエフェクト、前述の背景が非常に多いため、そこまで気にはならなかったというのが正直なところではありますけどね。


【キャラクター】
上記したとおり、ありふれた高校生活の中で、等身大高校生としての範囲内で動き回るキャラクターたちは非常に魅力的です。主人公は確かに事前設定では物凄い求心力を持ったカリスマなイメージを抱かせましたが、実際のところはきっかけの動力になったあとは、仲間と共に悩みながら行動する普通の男の子でした。でも元気よく責任感もあるので好感度は高いですヨ。どなたかのレビューに、「台風は発生時には暴風だけど、一度進みだしてしまうと中心は静かだ」のような表現がありまして、これは見事に言い得ているなぁと思いました。

ヒロインは努力型ドジっ子、姉さん幼馴染、頭脳型無口少女(実は明るい)、お天気転校生、コンプレックス地味っ子と、この手のゲームの定番設定どころがバランスよく揃っている感じです。その中でも、主人公一派として常に大活躍する高スペックガール、ハルが一番のお気に入りヒロインですかね。彼女の健気さと、無鉄砲に見えつつもその実気ぃ使いなところはたまんない。個別ルートでの巧への気遣いと二人の空気の作り方とかすごくたまんない。無茶してるようでいい女でした。

続いて良かったのは、メインヒロイン奈都希、時に元気に時にしおらしく、萌え度抜群でした。周りとバランスとるために存在しているような柚も、シナリオは弱かったものの、かみかみキャラと声はとても生きていました。他ヒロインルートの時の方がいい味出してたかな、柚は。それから、クールにふるまいつつも実は明るい猫かぶりな涼も大好きですよ。Sっ気たっぷり風音さんの声が見事にはまったゆかりも魅力的でした。

しかしなんといってもヤスでしょう。ヤスあってのさかハリ(笑)。「主人公の信頼を受ける魅力溢れる男性友人キャラクター」というのは、名作足らしめる要素のひとつだと僕は常々思っています。ヤスは笑い9:熱さ1くらいの割合ではありましたが、両サイドで活躍してくれました。

親世代連中や、脇役のグリグラ、ルートあんのかよ!の安野加代先生も脇役なりに出すぎず引きすぎずいい感じ。あ、でもユミ先輩の設定と歩先輩の発明品はシナリオ立てていくのに際してちょっと反則技だな~。キャラ自体が良かったのであまり気にならないのですが、そこだけ非現実設定作んなくても……と思いました。



【音楽】
OP、EDは可もなく不可もなく実に普通。BGMの方が良かったですね。メインBGMになっている「愛しき暴れん坊」、これは作品によく合ったコミカル調の曲ですね。それから、泣かせ所で流れる「明日が楽しくあるために」、巧が校内放送をジャックした時などに流れる「回りきった後で」あたりはとても印象に残っていますし、何度も上記している「普通さ」「優しさ」によくあった暖まる曲が多いです。


以上さかあがりハリケーンでした。
青春ものは凄く好きなんだけど、プレイ後に凹むわー。



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