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エロゲ レビュー ブログ
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【野々村病院の人々】
野々村病院の人々

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メーカーelf
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■□ 6.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■□ 5.5
病院■■■■■■■■ 8
総合【B】 71点

エロゲ×ミステリー

エルフ黄金期を支えた、蛭田昌人&横田守コンビの古き良き作品ですね。元はシルキーズ、リメイクがエルフから発売された推理アドベンチャーの良作です。当時に類をみない異色作であったことや、それでいて商業的成功をおさめたこと、そして本作成功を受けて、遺作臭作鬼作の「伊頭家三部作」への流れができた点など、その功績には目を見張るべきものがあります。

【シナリオ】
私立探偵の海原琢磨呂はひょんなことから足を骨折し、野々村病院に入院することになります。そこは最近、院長の野々村作治が死亡したことで話題になっている病院。死因は注射による中毒自殺とされているものの、医療ミスの多さからくる怨恨の線や現場のいくつかの要素から他殺の可能性も捨てきれずにいる状況です。婦人にて現院長の野々村亜希子は、とある理由から、探偵である琢磨呂に院長が自殺ではないこと、その犯人を見つけて欲しい旨を告げ、琢麿呂は興味の赴くままに捜査を開始します……。

ミステリーにしてマルチエンディングというハードルの高さもなんのその、ミステリーとしては非常にオーソドックスな内容ではあるのですが、ゲームという環境を駆使して非常におどろおどろしい世界観を創り上げていますし、エルフお得意の全方位に個性が突き抜けたキャラクター群は見事と言わざるを得ません。

蛭田昌人さんの独特のテキストも光ってますね。なんでこんなに面白いテキストが書けるのでしょう、この方は。しょっぱなの琢磨呂と大家さんの御子柴との会話から良質なコントを見ているかのような笑いに満ちています。ユーモア、エロ、シリアスすべてが同居しているうえにテンポの良さが全くブレない、素晴らしいライターさんだと思います。分量押しでも設定押しでもない、とにかく「読ませる」力のある彼のようなライターさんは本当に貴重ですね。復活しないんでしょうか……。

各人の思いが交差してストーリーをなしているところは非常に評価できます。被害者がいて、動機があり、それを中心に話が動いているだけではなく、そこに院長夫人の思惑や梨絵の行動など、キナ臭い思惑が二重三重に重なっているところがシナリオを面白くする肝ですね。ミステリーには必要であることは言わずもがなですが、構成力がすごいですね。エロゲだから、というマイナーさに甘んじることなくしっかり物語ができている点はさすがのエルフといえましょう。物語決着で描かれる犯人の動機の背景や、エピローグ部分がもっと書き込まれていればより良かったかな。


【グラフィック】
まぁ旧作ですので、今と比べると荒い部分もあるのですが、やはりエルフならではの塗りの丁寧さはすごいですね。グラフィックに関しては、その環境その環境における最大限の仕事をする会社だと思います。まぁ、キャラデザインもだいぶ時代を感じさせますし、好みの絵柄というわけではないんですけどね。

【キャラクター】
なんといっても蛭田イズムを前面に出した、主人公が非常にかっこいいです。女好きで適当で、独自の美学を貫き通し、それでいて頭がキレる、非常に魅力的な主人公です。漫才師ばりに口がまわる語り口も最高でしょう。正直この海原琢磨呂シリーズで何本か出せばエルフの代表人気シリーズになっただろうにという思いを禁じ得ません。琢磨呂はもちろんのこと、共闘関係にある記者の勉造、大家の御子柴、同じ探偵業を生業とする小物の西条、その西条の部下で且つ本作ヒロインの一角でもある涼子など、琢磨呂まわりの人間たちも非常にキャラが立っていますから。

舞台の病院内の人間も、犯人である千里はもちろん、双子というギミックを持つ梨絵や怖いようで清涼剤役として機能する美保、暗躍する院長夫人など、それぞれが重要な役回りをもって仕事をこなします。

キーパーソンとなる、入院患者の桃子の友人役の子が必要ないといやなかったかな。でもシリアス、笑い両輪で活躍するキャラが目白押しで素晴らしいですね。

【音楽】
音楽はこれといって特筆すべきものはありませんが、作風に合ったミステリー調のものを利かせていたと思います。全体的にはダウナーな雰囲気ですね。

以上、野々村病院の人々でした。タイトルがインパクトありますよね。ちなみに、今プレイするのであればダウンロード版を絶対お勧めします。塗りも綺麗でエロシーンも少し動きますしね。

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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【夏ノ雨】
夏ノ雨



メーカーCUBE
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■□ 7.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■□ 7.5
10代■■■■■■■■■ 9
総合【B+】 78点

王道の証明

とにもかくにもセオリーどおりの展開なんですね、本当に。舞台は夏の季節に田舎の学校、幼い頃に一度出会っていたヒロイン、その少女が家に転がり込んでくる展開、幼馴染のおっとりおねえちゃん、スポーツ少女の親友型ヒロイン、教師との禁断の恋……と、どれもどこかでよく聞く設定ばかり。宗介のサッカーや家庭といった、わかりやすく張られる伏線。良い意味でテキストにくせがなく、この設定の中で無理なく綺麗にまとまるストーリーが心地良いです。

【シナリオ】
夏真っ盛りの或る日、今日も授業をサボり、土手でのサッカー練習に明け暮れる宗介、いつもと変わらぬ生活、いつもと変わらぬ田舎の風景。そこへ見慣れない制服の少女が通りがかります。転校生とおぼしき雰囲気ながら、他人との接触を受け入れようとしない少女ですが、短い時間の中での宗介の行動により、わずかながらも心を開こうとしてくれます。親友の一志や翠に高らかに恋の予感を宣言する宗介ですが、帰宅してみるとまさにその少女が自宅に。これから異母姉弟として同居する旨を母から伝えられ、しかも彼女は改めて完全拒絶の姿勢を宗介に向けてしまいます……。


と、まぁ「エロゲあるある」要素を揃えたってなものです。特にマークしていたライターでも絵師でもメーカーでもありませんでしたので、本来であればもうこの手の直球恋愛モノはおなか一杯、とスルーしていたかもしれません。ですが、そういった今となっては当たり前すぎる設定を揃えた作品であるというのにかなりの高評価を得ていることが僕は気になっていました。気がつけばPC18禁ゲームの歴史も、もう20年にもなりますよね。本当にいろいろなエロゲが世に出てきました。この手の王道学園恋愛ものも90年代なかばくらいで打ち止め感が正直あったと思うんです。ですから、ここへきて無名にして超王道作品が高評価を得るというのは、逆に言うと、純粋に本当に良い作品である証拠なのかなと思いました。

ヒロインは4人と一見少なめですが、正直4人くらいがちょうどいいです。プレイ順にひとりひとり追ってみましょう。

まずは、クッキング部の顧問、美沙ちゃん先生。おっとりしつつも芯のある社会人の女性を丁寧に描けていたと思います。彼女は、正確に言うと姪ですが、育て子を抱えているというのが一番の楔の設定となります。凄く重なったのは、「瑠璃色の雪」の雪那さんですね。知っている人いるのでしょうか……フロッピー時代の傑作純愛ゲーです。先に母親との出会いがあり、のちに商店街で迷子になった娘と出会うという展開、仕事や生活に疲弊するヒロインや子守りを通して時間を重ねる中で母娘両輪で感情移入していき、彼女たちを支える決心をする主人公、と構図は近しいものがありますね。雪那ルートは小さな幸せを掴みにいく温かなルートだった記憶がありますが、本シナリオも娘を介在させることで、非常に優しさに溢れた雰囲気を保っていたと思います。良かったですね。

幼なじみのひな姉ルート。ひな姉は昔から宗介のことが好きで、一方で親友の一志が彼女のことを想っていますので、展開も予想できますし、実際その通りの展開となっていきますね。逆に宗介がひな姉のことを好きになる過程の書き込みがあっさりしすぎだとは思いますが、まあこの手の構図は、悪い言い方をすれば流れに乗りさえすれば外すことはそうありませんので、安心して読むことができましたかね。付き合いだしてからは平坦で予想の範疇を出ない無難なシナリオだったと思います。

メインヒロインの理香子ルート。シナリオとしての出来は一番いいと思います。父親の浮気離婚と母親の育児放棄という過去のトラウマからギリギリのバランスを保っている主人公の家族にとって、異母姉弟の理香子という存在は非常に難しい存在です。同時に、理香子にとってもその生い立ちは決して幸せなものではなく、主人公一家が微妙な存在であることは言わずもがなですね。彼女自身の不器用で意固地な面も手伝い最初はどうしようもない状態からスタートし、他ルートでもその難しさはよく描かれているのですが、その問題をじっくり解きほぐしていくルートですね。話の流れとしてはやはり王道ではあるのですが、丁寧さがよく伝わってきますね。初めて家族として本音を出し合い歩み寄りを見せるシーンや、宗介が理香子にプロポーズするシーンは本作最大の山場かな、とても良かったですね。

そして親友のルート、これが個人的にツボついてました。実はずっと大好きでした、というのではなく、気になるアイツが大好きに発展してしまいましたという、瑞々しさに溢れた展開が凄くいいですね。この、真の意味での友人発恋人行の設定って、実はありそうであまり見ない設定なんですよね。大半の友人ヒロインというのは、もともと主人公のことが大好きであるパターンが多いのです。一方で翠と主人公は、多少気にはなる程度の思いはあったかもしれませんが、本当に"親友"という色が濃い。ですから彼女は、最初から理香子との恋愛を嘘偽りない気持ちで応援してくれていますし、主人公の恋愛にともに泣いたり笑ったりしてくれます。だからこそ、翠本人と恋に落ちた時の破壊力というものは凄いんですね。友人としての関係が強すぎたため、恋人になってからの距離を測り合うふたりの様にはニヤニヤ間違いなしです。シナリオ自体も、友情とサッカーを軸にしたスポ根ものの超王道で、ライターさんのいい意味での実直さに強い好感が持てます。エンドロール前とラストの一枚絵が主人公、翠、一志のものであるというのもシナリオで何が重要だったかを示しているでしょう。個人的には一番好きなルートで、かなり余韻の残るルートでした。Goodです。

しかし、翠ルートを筆頭に、宗介、翠、一志の仲良し3人組の関係の作り方、話への絡ませ方の描写は実にいい感じですね。翠、ひな子ルートでは、必然的に一志が強く話に絡んできますし、他ヒロインルートでも頑張ってお節介を焼いてくれたり一緒に泣いてくれる翠の存在は大きいものがあります。友情にも厚めに焦点を当てるのは、青春ものとしての役割を如何なく発揮してるといえるでしょう。

苦言を呈すると、ひな姉や美沙ちゃんが他ルートだとなぜかほとんど出てこないことや、翠と初Hをするイベントの流れ、理香子ルートでの理香子が宗介から頑ななまでに離れようとする理由、ひな姉ルートでの依存症など、書き込みの薄い"投げ設定"な部分はあるものの、全体として概ね丁寧ですので十分な出来を保っています。ダイナミックな展開もなく、等身大なシナリオなのですが、王道をいくシナリオをじっくりと紡ぎ、はずすことのなかったバランス感覚を評価したくなるシナリオでしたね。


【グラフィック】
2人の絵師さんがヒロイン2名ずつ担当していますが、ともに標準以上のお仕事をしているかと思います。個人的には、翠とひな姉の絵……カントクさんですかね、人気絵師さんですが、やはり良かったですね。でも理香子、美沙ちゃんも十分な出来ですよ。

【キャラクター】
それなりに行動的ですがそれなりに思慮のまわらない主人公は、等身大の青々しさがあって好感が持てます。理香子、翠、一志といった主人公まわりの人間たちも「出来すぎない」それなりさがうまく描けていると思いました。全体的にメインキャラは弱くも懸命に生きるキャラたちばかりで皆好感が持てます。キャラ設定も実に王道的なんですけどね。

佐本二倫さん、安玖深音さんなど、特徴的ながらも人気・実力を併せ持つ声優さんが声まわりを固めます。その中でも注目したいのは美沙ちゃん役の澤田なつさん。美沙は、CVが表の世界で活躍している福圓美里さんだというのも密かに話題になりましたね。彼女の、息の切れ目といいますか、言葉の抜け方といいますか非常に特長的ですね。設定的には存在感の出しづらいキャラだと思うのですが、声優さんの力が光っていた印象です。

【音楽】
全体的に夏の青臭さを体現する穏やかなBGMが多く良かったと思います。これといって強烈に残るBGMがあるわけではないのですが、そつのない印象ですね。中でもよかったのは、温かな「遥かな空」、切ない回想シーンで使われた「守るべきもの」、泣き所の「繋がる両手」あたりですかね。

以上、夏ノ雨でした。王道はやはり「良い」から王道と呼ばれるのですね。当たり前のことを再確認したような気がします。エロゲビギナークラス推奨ゲーですね。


テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【殻ノ少女】
殻ノ少女



メーカーInnocent Grey
シナリオ■■■■■■■■ 8
グラフィック■■■■■■■■■□ 9.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■■□ 8.5
惨劇■■■■■■■■■ 9
総合【A】 84点

救われない美学

前作「カルタグラ」で見せた、戦後を舞台としたサスペンスエンターテイメント。その、18禁ゲームでありながら全くユーザーに媚びない世界観と重厚怜悧なシナリオは個人的に大当たりで、InnocentGreyという会社は、今後が楽しみな会社のひとつとなりました。そして本作、同様の世界観を貫いたのは嬉しい限りです。

【シナリオ】
舞台は前作「カルタグラ」と同じ戦後間もない東京。前作は上野が舞台でしたが、今回は新宿・吉祥寺間の中央線沿線が舞台となります。自分が現在同エリアに住んでいることもあって、より思い入れを込めながら読んでいた気がしますね。

時は昭和三十一年、戦後の動乱期。世間では身体の一部と子宮を切り取られた少女が遺棄される猟奇殺人が横行。私立探偵の時坂玲人は、かつての同僚である警視庁捜査課の魚住から事件捜査の協力を依頼され、また同時期に、妹紫が通う私立櫻羽女学院から、行方不明の少女の捜索依頼も舞い込みます。不可解な要素を含みながらも増加する犠牲者と交差する2つの依頼された事件、そして6年前玲人自身に降りかかった凄惨な事件、「自分を探して欲しい」と玲人に依頼する少女、様々な事柄がひとつに収束してやがて壮絶な事件が形を結び出します。

……しかしこのメーカーさんは、四肢切断とか子宮切除とか好きですね……。長編サスペンスでありながら、まったくダレずに最後まで読ませる展開は相変わらず見事です。エロゲにしておくにはもったいないくらいの凛とした世界観と原画、BGMは高いレベルで昇華されていますし、殺人という動的場面が次々に差し込まれるため、好きな人は一気に没頭すると思います。

感情移入を促す伸びやかなシナリオでありながら、登場人物が次々と不幸な目にあっていってしまうのは、うまくもあり、つらくもあり、サスペンスとしてやれるだけのことはやってやろうという気概を感じます。世界を唯一明るく構築する綴子が惨殺されてしまうのも「やめたげてよぉ」でしたし、何よりもユーザーサービスと見せかけた前作主人公の秋五や和菜ですら展開によって惨劇の対象になってしまうあたり、いつ誰がやられてもおかしくない緊張感にはらはらさせられました。

導入から中盤にかけて猟奇殺人事件を追いかけ、その犯人が暴かれ事件が収束したと見せかけて主人公やメインどころのキャラに焦点が当たる事件へと展開していく流れは、前作カルタグラと同一のものですね。序盤は犯人探しのミステリーながら、主人公が探偵役から当事者へと役割が変質していってしまうのも同じです。この流れは単体としてみれば非常に長編物語然りとして個人的に好きですが、比べると前作の方がより鮮やかだったこともあり、前作と同じパターンにしなくても良かったのかも、とも思いましたかね。

それから各所で言われていることですが、ミステリーの傑作、京極夏彦「魍魎の匣」の密室トリックをオマージュした展開はやはりあざとかったですね。オマージュといいますか、そのままですので。ただそれを差し引いても物語としては非常によく構成されており、テキストもキャラクターも自然に動き出すような雰囲気を保ちますので、そのカラクリ部分が惜しい所ではありましたかね。終盤の盛り上がりも、もうひと山欲しかったというのが正直なところで、葛城シンや朱崎先生といった実質犯や、西藤医師が黒幕というのは、予想の線上すぎて前作の動きの激しかった展開に比べると少々華が欠けると感じました。それから、これも前作に比べて、主人公が巻き込まれた過去の事件の必然性が少し弱かった気がしますかね。現在の事件と似ている性質を持ち、かつ主人公のトラウマとなっている事件ですので、終盤においての切り込み方はもっともっと深くて良かったですし、主人公の心をガンガンに揺さぶってもらって良かった。

ですが、母性を求めて殻の少女を作ることに妄執する間宮心爾、そしていみじくも殻の少女になることを余儀なくされてしまった冬子の存在感。姿が変容してなお心爾に救いを与えることのできる彼女の神聖性、ここの描き方は本当に感心してしまうくらいに巧みなものがありました。そして、すべての登場人物が物語に絡みだして意外な点が線でつながっていく後半の構図の作り方は前作を凌駕しています。玲人が運命に翻弄されながらも確信に迫っていく様は読む手が止まりません。ラストも良かったですね。主題歌のタイトルがラストシーンに絡んでくるとはやるじゃないですか。

ただ、本当にこの話はビターです。かなり滅入る展開ばかりで、まさかのメインヒロインも四肢切断のうえ結ばれないのがトゥルーですし……。犯人サイドの狂気が比較的に成就され、多くの伏線を見事につなげながらも敢えてハッピーに持っていかないシナリオは強く評価したいですけどね。各キャラの置かれている境遇を考えると、完全無欠のハッピーエンドではなく、このようなビターな締め方をするほうがよりしっくりくるものです。ですが、精神的には解決したように描かれますが、ふと冷静になると普通の根源的な幸せを求めたくなってしまうのがユーザー真理というもので、やっぱり各登場人物を魅力的に描けているだけにわかりやすいハッピーを用意してくれても良かったなぁ、なんて思っちゃったりもするんですけどね。

また、例えば八木沼の過去話など伏線として投げられたままの話や、紫やステラといったもう少し描いてほしかったキャラなども多々おります。これは今作がカルタグラの延長として描かれたように、今後のイノグレ作品で描かれていくものなのでしょう。このレビューを書いている現在「殻ノ少女2」の制作が決まっているようですので、そういったひとつひとつの作品を越えたつながりに期待したいところです。


【グラフィック】
原画担当は杉菜水姫さん、僕の大好きな原画家さんのひとりです。世界観に会った美しいCGは健在、惨殺シーンや死体の絵まで丁寧に描かれているものですから、本当に良い仕事をしているってなものです。エロゲとしては異質なまでに美しく、艶のある原画に関しては文句なし、圧倒的な原画家さんと言えましょう。 システムとしての捜査パートも面白かったです。ただ、画面クリックでヒントを拾っていくものはちょっとわかりづらかったかな。

デモムービーは作品世界観をうまく表現した非常に美しいものに仕上がっています。ほとんどを白で覆い、主題歌「瑠璃の鳥」とあいまって高い次元でまとまっています。


【キャラクター】
非常に多くの登場人物がいますが、未登場のまま殺されてしまう女生徒たち以外は、シナリオゆえに皆よく印象に残っています。全体的にシリアスですが、夏目さんや森夜月といった、息抜き役を与えられたキャラもいまして、バランス感は見事なものでした。しかし上記しましたが、次々に良キャラが不幸な目に合っていってしまう展開には、なんともいたたまれない思いでいっぱいです。

主人公は時坂玲人、前作と同じ、元警官の探偵です。前作主人公の秋五よりもかっこよいですね。行動力も判断力も男前なところがありますし、また、前作のように彼以上の存在感で場を食ってしまう七七や冬史のようなキャラがいないということもあるかもしれません。彼を支える友人の魚住も、働きとしては申し分ないですが、やはり前作冬史と比べてしまうともうひと踏み込みほしいところでした。

メインヒロインは朽木冬子。自分のルーツをさがす、とらえどころのない女学生です。あどけない声優さんの演技も良い方向に作用していて、飄々としていながらも年相応の不安定さを抱えるキャラ作りは非常に丁寧に描けていました。だからゆえに魍魎の匣よろしく四肢切断での救命、その後も誘拐され行方知れずとなってしまう顛末には切なさが残ります。基本的に、話のメインに立つ櫻羽女子高の生徒たちには、感情移入してはいけません。なぜならほとんど惨劇を受けてしまうからです(涙)。チョイ役といって差し支えない佐藤さんが無傷だっただけで、ほかは全員殺されるか行方不明になってしまいます。特に綴子……。くっ。。。

また、妹の紫や終盤の伏線キャラとなるステラなどは玲人との距離感が絶妙で、素晴らしかった。だからゆえにキャラクターが非常に良かっただけにシナリオで活かしきれなかったところが惜しいですね。

【音楽】
冬の冷気をまとった凛としたBGMの数々が清々しいですね。日常音楽もシリアスなものも非常に良いです。笛の音のメロディ展開が綺麗な紫のテーマ「Lilac」、メインBGM「殻ノ少女」が印象に残っています。そしてなんといっても主題歌「瑠璃の鳥」でしょう。エロゲ主題歌史に残るメロディラインを誇る、秀逸な出来の曲だと思います。


以上、殻ノ少女です。しかし突き抜けてますねえ、このメーカーさんは。あまりにも硬派すぎてエロゲとしての評価は正直しにくいんですが、こういう作品は多くの人にプレイしてもらいたいと思いますね。


関連レビュー: カルタグラ ~ツキ狂イノ病~


テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【ランスクエスト】
ランスクエスト



メーカーAlice Soft
シナリオ■■■■■■■□ 7.5
グラフィック■■■■■■■■□ 8.5
キャラクター■■■■■■■■ 8
音楽■■■■■■■■ 8
旧来ファン生殺し■■■ 3
総合【A】 80点

閑話休題

待ちに、待ちに、待った5年ぶりのランスシリーズです。派手に壮大に突き詰めたシナリオを持つ「Ⅵ ゼス崩壊」、ゲーム性・中毒性を突き詰めたシステムを持つ「Ⅶ 戦国ランス」、二大ランス作品を受けてリリースされたのはRPG形式をとったマルチシナリオ形式のカラー編でした。

【シナリオ】
前作、美樹の魔王覚醒により氷漬けの呪いにかかってしまったシィルを救うために「カラーの森」へやってきたランス。シィルの呪いを解く方法をなんとか教えてもらって、且つカラーの美女たちとエッチしまくるぞーがはは、といったシナリオですね。

基幹となるシナリオは、ランスがカラーの女王パステルをレイプすること、それにより彼女の復讐を受けること、やがてランスとパステルの子ども、リセットが登場することですね。

「カラー」という存在はランスシリーズのみならず、アリスソフト全体の作品群の中でもかなり重要な位置づけとなっていますので、中途半端には描かないだろうと思っていましたが、まさかランス作品まるまるひとつ当てるほどの規模になるとは思いませんでした。

正直流れとしては妥当且つ想像しうるもので、シナリオ的に優れていたかというとそうでもありません。ですが、ランスシリーズおなじみの面々が冒険を繰り広げるだけで引き込まれてしまうのもまた事実。

旧キャラ、新キャラ多数入り交えながら様々な「クエスト」と呼ばれる大小イベントをこなしていきますが、シリアスな展開は特になく、基本的にはランスにかけられたパステルの呪いを解くためのドタバタ劇です。結局シィルの呪いは解けませんで次作持ち越しなので、扱いとしては、ヘルマン編への繋ぎとしてのカラー編、ちょうどランス5Dのような閑話的なお話であったのかなと思います。ただ、当然ながら正史のランスシリーズですので、主要キャラの交替や死亡、新キャラの登場など、次作以降への設定の引継ぎに関して重要な要素はそれなりにありました。

個人的にはヘルマン編を控えたカラー編ということで、ハンティ・カラーを筆頭としたパットン一味が話に絡んできてくれたら良かったのになあなんて思いましたけどね。ここは次作への伏線張られてましたけどね。


印象に残っているクエストは、鈴女が死ぬクエストですね。確かに戦国ランス時に「くのいちの寿命は短い」云々といった伏線こそありましたが、まさか次作で死んでしまうとは……。戦国ランス登場の中で最も立っていたキャラの一角だっただけに残念です。ですが、彼女の意志を継いだかなみが今後重要キャラに育っていくのではという期待感もあります。

魔人も、サテラカイトという鬼畜王時代ではおなじみだったキャラが登場するのは嬉しいところでしたね。彼女たちは次作以降も絡んでくることでしょう。

しかし各キャラの後日談を読んでいる限り、今回のクエストで新登場したキャラたちは今後出てくるのでしょうかね??クルックーくらいしか次につながるキャラが見当たらないのですが……。


【グラフィック】
まず原画方面についてですが、原画自体は文句なしです。織音さんを完全メインに据えたCG群は魅力に溢れています。が、Hシーンは案外物足りないかもしれませんね、というのも下にも述べますが、ランスシリーズを牽引しているはずの旧キャラのものがほとんどありません。。。

続いて、アリスソフトお得意のゲーム性の部分ですが、今回のクエストシステムはとても面白い仕様だったと思います。いわゆるダンジョン攻略、対面型戦闘、イベント、といった要素を含んだ王道RPGではありますが、面白いのは、一本道のストーリー形式ではなく、イベントをすべて個別に区切って何度でも選択可能にしたという点ですね。ひとつひとつの小さいRPGが集ってランスクエストという大きなRPGになっているという一風変わった形なのですが、これが個人的にはなかなかやりやすくて良かったと思います。

基本ダンジョンには5人編成で臨むのですが、各キャラにはそれぞれ行動回数制限があったり、パーティーメンバー交替も限られていたりと、色のある各ダンジョンで、誰をどう配置して戦い抜くかといった要素を常に考えながら進ませるのは巧いですね。このあたりは「ゼス崩壊」がベースとなっています。そもそもRPG好きということもあり、ゲーム仕様に関しては満足しています。

厳しかったのは、レベル上げの作業をだいぶ要するということですね。それも、難易度上必要とされるのではなく、シナリオ上レベル35にならないとHが出来ず、しかもHすると女の子がレベル1になってしまうという、呪い「モルルン」の仕様、これが時間のない社会人エロゲプレイヤーの僕としては本当にきつかった。まぁHシーンを見ずになりふり構わず進めるというのであれば良いのかもしれませんが……。このあたり、Hシーンをうまく豊富に配置するアリスソフトにしては珍しい単純な筋トレ仕様であり、あまり親切設計ではありません。


【キャラクター】
中心に据えられている新キャラたちが、旧キャラに比べて薄いのが難ですね。サチコ、アルカネーゼ、キバ子など好きでしたが、次作以降で楔となるようなキャラではありませんでしたし、恐らくクルックーがAL教大幹部として次作以降も関わってくるのでしょうから、彼女のキャラの魅力をもっと出してあげるべきでした。まぁこれはランスシリーズという長い歴史がありますので旧キャラと比べるのは酷なハードルかなと思うのですが、前作の戦国ランスのキャラクターたちはそのハードルを越えてきましたからね。

さらに、非常に多くの旧キャラが出ているにも関わらず、なんというかな、「出ているだけ」といった感じなんですよね。謙信やリアといった一部のキャラを除いて、ほとんどの旧キャラは登場こそするものの、シナリオには関わってきませんし、固定Hシーンも原画もありません。これは一見さんはまだしも旧作からのランスファンからすると生殺しに近く、非常にもったいない。本当に、あげるとすれば鈴女くらいかな? 旧キャラたちは彼女たちにまつわるエピソードも何も進みませんから、別にいなくても変わらなかったという位置づけでしょう。

カラー勢の中では、個人的には強いんだけどダメダメな女王、パステルが案外好きでした。彼女は次作以降も出てくるでしょうね。楽しみです。人気が高いのはリセットでしょうかね。とにかく可愛いのですね、がははー。


【音楽】
Shade節あふれる音楽で全体的には本当にいつも通りで問題ないと思います。RPGを意識したピコピコ系のBGMなんかもあって面白いですね。ですがやはり強烈なのは、おなじみの曲を大胆にアレンジした、デモムービーにも使われている「我が栄光」でしょう。やばいかっこいいです。


以上ランスクエストです。もう今からヘルマン編が楽しみで仕方がありません。


テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

【俺たちに翼はない】
俺たちに翼はない



メーカーNavel
シナリオ■■■■■■■■■ 9
グラフィック■■■■■■■■ 8
キャラクター■■■■■■■■■□ 9.5
音楽■■■■■■■■■□ 9.5
テキスト■■■■■■■■■■ 10
総合【A+】 89点

テキストモンスター

未完の名作と呼ばれた「それは舞い散る桜のように」は、良くも悪くも王雀孫、西又葵の名をエロゲ界に轟かせました。それから数年の時を経て、企画からは実に6年、延期に次ぐ延期で前作同様不安いっぱいな事前展開をみせ「幻の作品」とまで言われた本作、マスターアップされた瞬間のユーザー期待は、それはそれは高かったことでしょう。

【シナリオ】
シナリオは王雀孫さん、非常に色のある文章を書く人です。主人公と周囲のキャラの距離感が絶妙なため、大勢の登場人物がいて、キャラクター性がバラバラ、且つヒロインの顔が同じ(笑)という本作ながらも、そのバランス感や言葉のテンポは見事であると思いました。シナリオ、というよりも「テキスト」が秀逸という印象でしたね。このテキストの巧みさを、シナリオの妙ととるかキャラ造形の妙ととるかはなんとも言えませんが……。

季節は真冬、舞台は都市柳木原。緩やかな学園生活を送る鷹志、喫茶店アレキンダーの常連であるフリーライター鷲介、夜の柳木原で何でも屋を営む隼人、町のどこかに今日も集う若者たちのありふれた恋物語が今描かれます。……と、話自体には明確な目的や進行があるわけではなく、多重人格の主人公まわりに集まった人物たちとの生活群像劇となります。群像劇スタイルの話ってそうそう見ないです。明確な目的が無い分間延びしてしまう恐れが非常に大きく、本当に難しいんですね。

そして、実は王雀孫さんのテキストは、存外に教訓めいた説教系テキストでもあるのですが、それを全く鬱陶しく思わせないほどに文体が巧みです。人格障害を抱える者や、社会の隙間で逞しく生きる者たちが語る台詞は苦々しくも実に真理を突いており、それを各キャラの明るい語り口で見事に覆い隠している様は素晴らしいと思います。

主人公視点であることを逆手に取り、各章の主人公が当初別人であると思わせる構成がまた良かったです。それぞれの主人公まわりの話を展開させ、各章のサブキャラも微妙にリンクさせていくことで、徐々に主人公が多重人格だという結論に迫っていきます。この設定は凄く面白い。ですが、これは一方で設定倒れして破綻をきたす可能性も非常に高い。そこを書ききった本作からは、やはり彼の文章力の高さと、話題の引き出しの多さを垣間見ることができるわけですね。


上記したように、各章にて主人公の人格が変わりますが、僕個人としては、飄々として軽快な鷲介と、硬派でありながらもどこか三枚目的に描かれる隼人の語り口はかなり好みでした。全方位的な会話応酬と周囲のキャラとの絡ませ方が、テンポよく展開されていて読んでいて気持ち良かったのですが、逆に内向的で優しい鷹志や人格的に飛んでいる伽楼羅の語り口などは肌に合わず、かなり頑張って読むことになりました。そこが難といえば難なのですが、すべてが同一人物の言葉なのだと考えると、その煩わしささえも脱帽のテキストですね。

多重人格が確実なものになってからは、後半の物語をどう収束させていくかが見物ですが、共通パート終盤までの選択肢により、各ヒロインとの事情に絡ませつつ残る人格が決定され、ルート分岐、収束させていきます。


学園生活が中心となる鷹志(たかし)ルート。ヒロインは、同級生の渡来明日香山科京。唯一、自身が多重人格であることを知らず、「負け知らず」という役割を負うことで結果として「ネガティブな感情を持てない」彼は、感情の許容を超えると妄想の世界グレタガルドへ旅立ってしまいます。そんな彼と、同様に心の病を大なり小なり抱えていた彼女らが徐々に通い合っていくシナリオです。鷹志編は本作のベースの章ではあるのですが、俺つばチームの先鋒戦としては非常にシナリオの出来もキャラも弱く、位置づけとしては難しい役割だったなぁと思っています。

喫茶アレキサンダーのバイト生活が中心となる鷲介ルート。ヒロインはアレキサンダーの同僚にして新鋭作家の玉泉日和子。共通パートでも群を抜いて勢いのある鷲介パートですが、個別に入ってからのテンポの良さはとどまることを知らずにむしろキレが増しております。シナリオ的にはあまり突っ込んだところにいかないため、ひたすらアレキサンダーと出版社まわりの「陽」な世界観にて、キャラ、音楽を材料に素晴らしい空気を保ちます。特に店長狩男の滑り知らずのギャグを筆頭に、紀奈子さんのノリの良さ、同僚英里子から頻繁に放たれる目から鱗な言葉たち、そしてヒロイン日和子が歩み寄りを見せることによる青天井の愛らしさ。俺つば高評価の原因の大きなところは案外このアレキサンダー組の掛け合いの面白さによる気がしています。

夜の柳木原市を派手に描く隼人ルート。ヒロインは、柳木原の夜の顔であるジャンキー鳳翔の妹、明るく孤独な鳳鳴。共通パートは、アウトローで最も話を揺り動かすパートでしたから、個別でも柳木原市の「陰」をベースに鷲介編とは違った意味で濃い魅力のキャラたちが派手に動きまわります。主人公の多重人格に憧れる鳳翔が意欲的に活動しますので、抗争、ドラッグ、復讐と最も話が激しく展開するルートであり、ゆえに最も見所の多いルートでもあります。さらに、クレープ屋のパル姉さん、AVスカウトのプラチナ、ラーメン屋のメンマ、露店商の黒人マルチネスといった、付かず離れずを保った隼人まわりの大人の仲間たちの存在感が絶妙で、ところどころで語られる彼らと隼人との仲間意識には熱くなるものがあります。

鷹志編、鷲介編、隼人編と、時間が昼から夜に進むとともに、主人公の周囲の人間たちも子どもから大人へと変化していくのですね。本作は人間群像劇ですからキャラの描き込みこそが肝要となりますが、章の経過とともに、キャラの深みが増してくるこの構成の取り方は非常に好感がもてます。


3主人公ルートを見ると、最終ルートの、基本人格である鷹志(ようじ)編に突入します。ヒロインは義妹の羽田小鳩。僕は隼人編までをクリアした時点で、せっかくの多重人格なんだから、各主人公と別パートのキャラ同士を、パートを超えて立体的に絡ませることが出来ればさらに奥行きが出たかなあ、と思っていたのですが、それを包括的に表現していくのが最終章の本ルートでした。5人の人格が統合され、日々を一貫して鷹志一人が動くことで、集大成的な話を形作る展開は非常に良かったと思います。

彼自身が多重人格になるきっかけとなった伏線も余すことなく説明され、アリスを筆頭に各章のサブキャラたちにも読後感の良いエピソードが用意され、ヒロイン小鳩もかなり愛らしく且つ意志の強い魅力的なヒロイン像として描き切り、まさに大団円ともいうべきTRUEルートでありました。

このルート、凄いのが鷹志の言葉や独白。彼独自のものに加え、他4人の語り口がところどころに潜まされているところにテキストの丁寧さを読み取ることができ、巧いなあと思いましたね。


「俺たちに翼はない」、このタイトルはとてもいいですね。まさに俺たちに翼なんてものはないんです。どのルートでも各々現実を受け入れ、前向きに生きる決意をするストーリー収束は胸に残るものがありました。


【グラフィック】
「判子絵」と揶揄される西又葵さんの絵ですが、確かにまごうことなき判子絵であり、見分けをつけづらいのは確か。鳴と小鳩なんておんなじじゃないですか笑。ですが、ひとつひとつの絵自体はとても魅力的で、可愛らしいのもやはり確かです。服装のセンスはぶっ飛んでいますが笑。

全編アニメーションで制作されたOPムービーはクオリティ高くて見ごたえあります。曲もいいですからね。サビ部分で、LR、チケドン、バニィDが出てくる絵面を見て一体どんなゲームなんだと思ったものです笑。あと、OP内で最も印象に残るカットは紀奈子、英里子、狩男の横ピースのシーンだと思うのですが、この子達ヒロインちゃうんかい、とも思いましたね笑。

また、最終章導入時にもうひとつOPムービーがあったのには上がりました。


【キャラクター】
まず、主人公の多重人格を綺麗に描き分けたという点が評価です。好きな人格もあれば、肌に合わないものもある、恐らくユーザーは皆そう感じていると思いますが、それはキャラクター造形がよく出来ていたことに他なりません。上記したように、ゲームの主人公的な描かれ方をする隼人や鷲介は非常に好感度が高い反面、伽楼羅といったぶっ飛びキャラに感情移入するという人はほとんどいないと思います笑。ただ、伽楼羅の言葉や発想はすさまじいものがありましたけどね。翔が憧れるのもよくわかる。

圧倒的にキャラ作りがうまかったのは、鷲介パートの面々。キャラとテキストだけで凄まじい完成度を誇るほどの名キャラたちのオンパレード。普段エロゲやりながらひとり笑うことなんてまず無いんですが、狩男や鷲介には何度かリアルで吹かされましたし、女性陣は全員攻略キャラでもいいくらいです。

そしてこれも上記しましたが、隼人パートの仲間たち。パル、メンマ、プラチナ、マルチネス、アリス……夜の柳木原で生きる大人たちの悲哀と優しさにはだいぶ心が動きました。基本爽やかな流ればかり用意される女性陣の中でも唯一「失恋」という役どころを負わされる香田亜衣の切なさも良かったですね。


【音楽】
音楽は全体的にかなりレベルが高いです。ドラムやベースといったビート系、ギターカッティングにアナログさを追求しているのは好感度高いですね。「世界が平和でありますように」といった穏やかな曲から、鷲介編で流れる「きんきんクールビューティー」「やばいよやばいよ」といったアップテンポでスウィングする曲まで、どれも音使い、メロディの流れいずれもセンスが良く、さらにこの手のゲームではあまり無い「Julie&Anna&時男」「ヘテロクロミア」のようなベタベタなトランス、ドラムンベース調の曲なんかも揃っています。

挿入歌含めて歌付曲も豊富にありますが、特にOP曲「Juwelry tears」ですね。リフレインするピアノとスピード感ある小気味良いドラムが特徴的な名曲だと思います。


以上俺つばでした。いやはや、世界が平和でありますように――。


テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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